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ぼくの好きなリーボック。Vol.2 内山省治 / ユナイテッドアローズ バイヤー
Reebok is Classic.

ぼくの好きなリーボック。
Vol.2 内山省治 / ユナイテッドアローズ バイヤー

スーツや革靴など、フォーマルウェアのメッカとして知られるイギリス。スポーツブランドの〈リーボック(Reebok)〉もまた、そうした伝統ある英国発祥のブランドであることは周知の事実です。「CLASSIS LEATHER(クラシックレザー)は革靴のように履けるスニーカーだと思った」。そう語るのは「ユナイテッドアローズ」のバイヤーを務める内山省治さん。今回、「クラシックレザー」を同ショップが別注。これまでに数々の別注アイテムを手がけてきた彼は、「いつもと違う頭の使い方をした」と話します。具体的にそれはどんな「クラシックレザー」になったのか? キーマンである内山さんに、その誕生秘話を語ってもらいましょう。

いままでとは違う発想で別注に取り組むことができた。

ー 今回はどのような経緯で「クラシックレザー」を別注することになったんですか?

内山:「別注しませんか?」とお声がけいただいたのがそもそものきっかけです。とはいえ、我々としてもなんでもOKというわけではなくて、きちんとお客さまにいいものを届けられるかどうかが大きなポイントとなります。

内山:実は「ユナイテッドアローズ」のメンズセクションとして、〈リーボック〉とお取り組みをさせていただくのは今回はじめてだったんですよ。だけど、「『クラシックレザー』でどうですか?」とご提案いただいたのが、決め手となりました。それは先ほどもお話した通り、自分の中で革靴に近い感覚で履けるスニーカーだったからなんです。「ユナイテッドアローズ」はクラシックなドレスウェアからスポーティなアイテムまで幅広く取り扱いしていますが、そうしたラインナップとも相性がいいアイテムだと思ったんです。

ー なるほど。そうして取り組みがスタートして、どんなところから作業をスタートしたんですか?

内山:それがですね…。「やります」と元気よく返答したにも関わらず、いざはじめてみると、どこから着手すればいいか手をあぐねてしまいまして…。別注するに当たってオリジナルの「クラシックレザー」をいろんな角度から眺めていると、手の加えようがないくらい完成されたモデルなんだと痛感したんです。

それから一度頭を冷やして考えようと思ったんです。そうしたら、パッと閃いたことがあって。

ー 閃いたというのは?

内山:自分が革靴を別注するときに、ステッチの色や微妙な素材の違い、靴紐が蝋引きの平紐なのか丸紐なのかとか、アウトソールはどんな仕様にしようかとか、そういったことを考えるんです。そうゆう感覚で「クラシックレザー」の別注も考えてみようと思ったら、意外とすんなりこのデザインが思い浮かんだんですよ。

内山:〈リーボック〉は英国のブランドで、中でも「クラシックレザー」は革靴に近しい雰囲気を持っている。そういう目線で見直したときに、色は間違いなく白がいいと思ったんです。クリーンで上品なんだけど、スタイリングしたときに肩の力が抜けたような感じになるというか、そういうスニーカーをつくりたいなと思って。

ただ、オールホワイトのスニーカーって履くのがちょっと気恥ずかしいっていう人も中にはいると思うんです。かくいう自分も実はそうで(笑)。汚れるのはイヤだけど、真っ白いのもなっていう。その懸念点をどう解決しようか考えたときに、異なる素材のレザーを使えばコントラストがついて、履き下ろしたときの真っさらな感じが薄れるのかなと思ったんです。

スニーカーの別注を考えるときって、どんなカラーリングで、どれくらいのポップさでつくろうかということを真っ先に考えるんですけど、これはそれとは違うベクトルで考えられたので、蓋を開けてみたらすごく楽しい別注になりましたね。

ー 従来とは頭の使い方が違ったわけですね。

内山:そうですね。本当に革靴の別注を考えるときとおなじ頭の使い方をしました。やっぱりオリジナルの「クラシックレザー」がいちばん完成度が高くて、それもオールホワイトなんです。その良さを壊さずに、いかにいいものをつくれるかということで、いままでとは違う発想で別注に取り組むことができました。自分の中でひとつ引き出しが増えた感覚です(笑)。

商品名:〈Reebok for UNITED ARROWS〉CLASSIC LEATHER (クラシックレザー)
品番:HP9689
価格:¥13,200(税込)
サイズ:22.5cm 23cm 23.5cm 24cm 24.5cm 25cm 25.5cm 26cm 26.5cm 27cm 27.5cm 28cm 28.5cm 29cm 30cm

ー 理想のスニーカーに近づけるために苦労した部分などはありますか?

内山:色出しの部分だったりとか、レザーの質感に対してはかなりこだわりました。たとえばこのアウトソールのグレーの部分も、言葉にしたら「ライトグレー」の一言で済むと思うんですけど、理想の色合いを出すことにこだわったんです。「こういうグレーじゃなくて、もうちょっと青味がかったグレーがいい」とか。

レザーに関してもスムースレザーとシボのあるグレインレザーの2種類を使っていますが、「シボが強すぎなくて、なおかつ柔らかいグレインレザーを使いたい」とワガママなリクエストをさせていただきました(笑)。オールホワイトでシンプルなスニーカーではあるんですけど、そのぶん細部にとことんこだわって、いろいろとリクエストを出させてもらいましたね。

ー “神は細部に宿る”といいますもんね。

内山:そうしたこだわりはメンズのスーツに置き換えるとわかりやすいかもしれません。同じネイビーのスーツでも、素材が変わるだけで表情がガラッと変わる。糸が違うとか、生地の織の組織が違うだけで印象は全然ちがうものになるし、好きな人はそういったところも楽しまれますよね。だからオールレザーのスニーカーも、どういう素材をどう組み合わせて、どこにどれを持ってくるかでまったく印象が変わるという点では似ていると思います。

ー こうした別注の取り組みというのは、生地や色のスワッチがあって、その中からいろいろ組み合わせてデザインを考えるのかと勝手に思っていたのですが、今回の場合はほとんどイチから考えられたんですね。そうしたやり方というのは、珍しいものですか?

内山:そうですね。一般的には珍しいと思います。色や素材の方向性は最初に決まったんですが、そういった表現をどれだけ高い精度で出せるかというところが今回大変だったところです。こちらの細かなリクエストに応えてくれた〈リーボック〉の方々には本当に感謝しています。

INFORMATION

リーボック アディダスお客様窓口

0570-033-033(電話受付 平日 9:30~18:00)
reebok.jp
https://reebok.jp/products/HP9689/(7月28日より発売スタート)

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