30代の場合
西野大士さん
PROFILE
教職免許を持ち、小学校にて教壇に立ちながらも服好きが高じて、ファッション業界の世界に。老舗アメトラブランドのプレスなどを経て、感度の高いブランドを取り扱うプレスオフィス「NISHINOYA」を立ち上げる。またパンツ専業ブランド〈NEAT〉のデザイナーとしても活躍し、予約制のサロン「NEAT HOUSE」も切り盛りする。
Instagram:@dddddaishi
―ダブルジャケットの着こなしのポイントは?
ダブルのジャケットとローファーで少しドレスな趣ですけど、中はツナギを着るというところでハズしたのがポイントです。カジュアルに着るということを前提にすると、ダブルジャケットでも前ボタンを開けて着こなすことが多いですね。だからこそ、中に着ているものが大事なんですよ。
―西野さんがダブルのジャケットを選ぶ際の基準は?
僕は結構、ダブルのジャケットを着こなしに取り入れるタイプ。大事にしているのはラペルの形。基本的にダブルジャケットのエリはピークドラペルが多いのですが、それがドレッシーすぎてカジュアルダウンするのが難しくなる要因でもあるんです。だから自分が今回選んだのは“フィッシュマウス”という少しだけ上がっている形のラペル。ノッチドラペルとピークドラペルの間ぐらいの感覚ですね。ラペルが主張することでバランスが合わなくなってしまうので、自分でジャケットをつくるときもそうですが、選ぶのはラペルが“尖っていない”ジャケットです。
―ダブルのジャケットを着るときのマイルールはありますか?
実はジャケットでは柄モノをつかう方が多いですね。パンツで柄ものを選ぶと少し、子供っぽくなるきらいがあって……。ジャケットの方が、素材や柄で遊べるという感覚があるので、どうしても素材が際立つものや柄モノを選ぶ傾向にありますね。ジャケットはインパクトが強いけど、パンツを無地にしてバシッと着こなした方が、バランスが整う感じがします。
ダブルのジャケットの中にツナギを着るという柔軟な発想がお見事。老舗生地メーカーのドーメルに千鳥格子ではなく淡路島の形をした柄をつくってもらったという唯一無二感のあるジャケットもインパクトがあります。ドレッシーなジャケットと〈レユッカス〉のローファーというアイテムにミックスしたことで逆にバランスを整えたツナギの合わせ方は斬新。