今年人気を集めたモデルと、その理由。


2020年7月、〈ニューバランス〉のコンセプトストアとして、日本橋浜町にオープンした「T-HOUSE New Balance」。ラインナップに目を向けると、グレーカラーの「993」やNロゴのない「TDS 574」といった、通常のショップではなかなか見ることのできない人気モデルや限定モデルが置かれていることに気がつきます。
「この建物の2階には、〈ニューバランス〉ライフスタイルカテゴリーのクリエイティブスタジオ『TOKYO DESIGN STUDIO(以下、TDS)』のオフィスが入っています。ここも同様に、ライフスタイルカテゴリーのなかでも実験的な表現に特化したコンセプトストアとして、『TDS』チームがつくる最新のフットウェアやアパレル、人気のヘリテージモデルなどを幅広くセレクトしています。コラボモデルに関してはほとんどと言えるほど取り扱いがあり、グローバル展開モデルにおける日本の中心的ショップであることは間違いありません」
待望のニューモデル「990v6」のローンチを筆頭に、今年もスニーカーシーンを沸かせた〈ニューバランス〉。この一年を通じて、「T-HOUSE New Balance」で特に人気を集めたモデルは何だったのでしょうか?

「『Made in USA Seasonal Collection』の900番台は特に人気がありました。2022年が『990』デビュー40周年のアニバーサリーイヤーだったことや11月に『990v6』のリリースを控えていたこともあり、今年は『990v1』『990v2』『990v3』の復刻がいろんなカラーで発売され、どれも問い合わせが多かったですね。
また、『990v1』と『990v3』で、それぞれのお客様に特徴があることに気づきました。『990v1』は1982年に登場したレトロモデル。“ザ・ニューバランス”といったベーシックなビジュアルなので、兼ねてよりファンだった方からの人気が高かったです。一方の『990v3』は2000年代につくられたシューズで、デザインも機能性も近代的。〈ニューバランス〉を初めて履く方のエントリーモデルとしても支持されていた印象があります」

ナイジェリア出身のデザイナー、モワロラ・オグンレシが手がける〈モワロラ(Mowalola)〉とコラボした「90/60」。ブラックを基調にティールブルーとピンクを配した、近未来的なカラーリングが魅力。
そんな「990」シリーズと2000年代初頭のランニングシューズ「860」をミックスさせたのが、今年登場した新型「90/60(ナインティ・シックスティ)」。従来のニューバランスとは異なるアグレッシブなデザインが特徴的ですが、ユーザーからはどんな反応を得たのでしょう。
「『90/60』は、5月に米シカゴ出身のクリエイティブディレクター、ジョー・フレッシュグッズとのコラボでデビューし、7月にインライン化したモデルなのですが、従来よりも若い方からの人気が高かったです。ハイプなシューズを集めている方も興味を示してくれて、抽選時には客層の広がりを感じました。〈ニューバランス〉の新たな側面を見せるきっかけになったシューズだと思います」