CLOSE
FEATURE
過去と未来をつなぐ、2023年の気になるヒト・モノ・コト。
WHAT’S NEXT?

過去と未来をつなぐ、2023年の気になるヒト・モノ・コト。

2023年がスタートして早2ヶ月。あっという間にすぎる日々のなか、今年注目したいヒト・モノ・コトを、あの方々に聞いたり、独断と偏見で編集部がピックアップしてみました。過去と未来をつなぎ、時代をつくる街のカルチャーはここにあります。

  • Edit_Yusuke Suzuki、Yuri Sudo、Soma Takeda

あの人が気になるヒト・モノ・コト

まずはフイナムとゆかりのある3名に、2023年に気になるヒト・モノ・コトを教えてもらいに行ってきました。それぞれの視点やその裏側にある考え方など、いろいろと想像しながらご覧ください。

PROFILE

山下丸郎(stacks bookstore)

本を媒介に、アート・ファッション・音楽・食などを自由に横断し、展示やものづくりなどを行う奥渋谷の「スタックス ブックストア(stacks bookstore)」を主宰。2023年もあんな場所でのポップアップや、ものづくりなどを仕込み中。ポジティブな表現が好みで、それは今回のピックアップにも反映されています。
Instagram @maruroyamashita

select① 「うみべのストーブ」 大白小蟹

「大白小蟹さんの初の単行本で短編集なのですが、余りの良さに驚きました。表現の一つ一つがすごくリリカルで素晴らしいんです。”自分たちの毎日のなかにも、悪くないよなって思える良い瞬間が実は存在しているんだな“、みたいなことを感じさせてくれるんですよね。表題作も最高なんですが、雪女の話と書くということと向き合う女性の話も大好きです。山本美希さんという漫画家の方も自分は好きなんですが、大白小蟹さんはその方の教え子みたいな感じらしく。自分が好きだった作家とのつながりを感じるのも嬉しかったですね」

1994年生まれの漫画家/イラストレーターとして活躍する大白小蟹による単行本デビュー作であり、2022年11月25日にリイド社より発刊。『アトロク漫画部』の「この漫画がすごく面白い」で取り上げられ話題となるなど、珠玉の7編を収録。装丁は名久井直子が担当しています。ISBN:978-4845861439 ¥880 B6/232ページ

select② Le Makeup ル メイクアップ

「いろんな要素が入っているんだけど、素晴らしいバランスでいまの時代を表現しているアルバムだなと思いました。すごくポップスとして完成されているというか。トラックメイカーの 印象が強かったんですけど、今回の『Odorata』を聴いて、”こんなに歌えるんだ”って驚きました。 リリックをしっかり追わずに聴いていると、途中途中で“いまのライン、すごく良かったな”っていう印象が残っていくんですよね。呑んだ後、ほろ酔いで散歩しながらよく聴いてます」

自主レーベルのPure Voyageを運営する、大阪在住のシンガーソングライター/プロデューサーの井入 啓介によるソロ・プロジェクト。2020年に1stアルバムの『微熱』をリリースし、2022年には韓国・オランダ・デンマーク・ドイツでのパフォーマンスを行い話題に。そして2月15日には、Tohji・gummyboy・JUMADIBA・Dove・環ROYが参加した完全セルフプロデュースのアルバム『Odorata』を発表。

select③ 食べることや呑むこと

「sioの鳥羽さんと、“人生最後の日になに食べる?”っていう話はよくあるけど、“人生最後の日になに着たい?”っていう話はあまりないよねという話を先日したんですが、それくらい食事って人生において大切なことだし、それ自体が文化ですよね。大切な人たちと美味しいものを食べて、美味しいお酒を呑んだら幸せになれるじゃないですか。そういう時間があるから、人生って豊かになると思うんですよね。そういう当たり前なことを、最近ことさら意識して過ごしてます(笑)」

食べることや呑むことに対し、人一倍アンテナを張っている山下さん。ただ、自炊に関して質問すると「まったくしないしできません…(苦笑)」とのこと。ここ数年でワインにハマり、最近は事務所にワインセラーを導入するほど。そのディグり方は本や音楽などのカルチャーと同じように、どんどんディープになっている模様です。

PROFILE

シャラ ラジマ

バングラデシュをルーツに持ち、東京で育つ。国籍や人種の区別にとらわれない存在感で、モデルとして、雑誌や広告、ランウェイなどに登場。現在は、唯一無二なキャラクターを活かし、バラエティー番組や報道番組など、活躍の幅を広げている。
Instagram:@lalazima_

select① ZECIN

「ZECINくんは代々木公園での何かの打ち上げで初めて会って、大学の卒展で初めてアニメーションの作品を観て大ファンになりました!神秘的かつ野生的なビジュアルはかなり型破りで、偏差値では測れないアウトローな魅力がわたしの美意識にドストライクです。とにかくいつでもどこでも絵を描いている姿も印象的で、ネクストブレイク間違いなしだと思います!」

1998年、神奈川県横浜市出身のアニメーションアーティスト、イラストレーター、VJ。アニメーション表現を主軸に作品制作をおこなっていて、ロジカルというよりは直感を頼りに表現に落とし込むスタイル。人間が抗えない自然や宇宙が作品の背景に敷くことが多く、縦横無尽に画面が走っているかのようにほとばしるタッチが魅力。2021年には渋谷パルコで企画されたアート展「P.O.N.D」に参加するほか、2022年にはロックバンド「パスピエ」のアルバム『ukabubaku』に収録の「発色」のMVを制作するなど、活動の裾野は近年じわじわと広がっている。
Instagram:@zecin_001
Twitter:@ZECIN12fps

select② AJAH

「友人が手がけたアートワークが印象的で、AJAHさんを知りこのアルバムで初めて音楽を聴きました。しかもその次の日に行った新宿のイベントで、tamanaramenのはなちゃんに偶然紹介されて縁を感じて早速紹介させていただきました。個人的にポストインターネットの退廃的な雰囲気のサウンドと赤裸々なリリックがめっちゃ女の強さって感じで共感しました!Take careの『ファン抱いて気持ちよくなって』って歌詞まじ熱いです!笑」

福島県いわき市出身のシンガー、ラッパー、作曲家。副都心4区の周辺で主に活動している。R&Bテイストのビートと艶っぽいヴォーカルが魅力で、独特の浮遊感が心地よい。2019年にリリースしたシングル曲「Spotlight」がヒットしたことを皮切りに、ラップシーンからのラブコールも多く、近年ではralphの「D.N.R」やLEXの「ihate pussyboy&badbitch」、Chibichael「TYO City Night Life」などに客演参加するなど、次世代を担うアーティスト。
Instagram:@hhhajahhh

PROFILE

シュンサク(スタイリスト)

1996年生まれ、埼玉県出身。大学在学中の2017年からスタイリストとして活動をスタート。現在はメンズファッション誌を中心に活躍する。大のサッカー好きとして知られ、最近はサッカー関係の仕事も増えているんだとか。
Instagram:@baggiojt

select① カブトムシ

「東京藝大の学祭で初めてライブを見て、衝撃を受けました。4人とも風貌は80年代ぽい雰囲気なんですけど、音楽性やファッションに時代性を感じないのが凄い良くて。今年の1月にリリースされた『忘れないで未知子』というアルバムには、A面・B面でそれぞれ30曲以上収録されているんです。その中にはちゃんと曲になっているものもあれば、ただ話しているだけの曲もあって、アルバム全体としてパンク。そもそもバンド自体が謎めいているから、今後が気になります。スタイリングしたいです。」

東京藝術大学の大学院に在学中の音楽制作チーム。メンバーは画家の堀聖史、作曲家の藤井登生、芸術家の桒原幹治、ピアニストの大野志門の4人。音楽制作チームと謳う理由は「プロジェクトごとに大きく形態やジャンルを変えて制作しているため」と語る。その言葉通り、ラップやテクノ、さらには「カブトムシ」のアルティメット・フィクション・ラジオ『忘れないで未知子』の中で生まれた即興的な音楽まで、バンドという形態にとらわれず音楽制作を行っている。
lit.link/alotofbeetles

select② おこたしゃべりチャンネル

「『おこたしゃべりチャンネル』は、いつもリースに回っているときにラジオ感覚で聞いています。忙しくても、2人のゆるい会話を聞いていると、不思議と心が落ち着くんですよ。内容は今日起きたことを話すような雑談がメイン。やってることはシンプルだけど、ちゃんと面白くて奥行きがあるのがすごいなと。あと、最近人気が出てきていて忙しいとはずなのに、それでもほぼ毎日コツコツと続けているのは、表現者として純粋にかっこいいなと思います。ちなみに、ぼくが一番好きな回は『【#306】深夜なのに昼下がりのティータイムの雰囲気!?生配信SP』」です」

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「トンツカタン」の森本晋太郎とフリーのピン芸人・鳥山大介によるYouTubeチャンネル。2017年12月からインスタライブでスタートし、2019年4月にからYouTubeライブへ移行してからもほぼ毎日1時間のトーク生配信を行っている。何気ない雑談や、芸人ならではのエピソードトークなど、気負わず聴けるカジュアルさが魅力。

このエントリーをはてなブックマークに追加