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501®と次世代のセンス。
STANDARD meets NEW SENSE

501®と次世代のセンス。

今年で生誕150周年を迎える〈リーバイス®(Levi’s®)〉の「501®」。その定番たる由縁は、築き上げてきた長い歴史が物語っています。時代に合わせて適合し、アップデートを繰り返してきたジーンズの王道。このアイテムを、さまざまなシーンで活躍する若い世代のクリエイターたちはどのように穿きこなすのか? 新しい価値観をもってスタンダードと接する彼らのセンスをご覧ください。

  • Photo_Kazuki Iwabuchi
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Yosuke Ishii
501®︎ PORTRAITS
渡邉太地
相川茉穂
佐川海斗&西宮ジョシュア
UDAI
  • 渡邉太地
  • 相川茉穂
  • 佐川海斗&西宮ジョシュア
  • UDAI

Taichi Watanabe × Levi’s® Made & Crafted® LMC 80’s 501® 自分の絵も長く残したいから、501®から学ぶことは多そう。

PROFILE

渡邉太地

1997年生まれ、東京都出身。プリント・デザインスタジオ「PAJA STUDIO」で活動しつつ、東京藝術大学大学院油画第一研究室に在籍。これまでにシルクスクリーンを用いた版画作品や油画作品を制作してきた。21年7月には版画作品の個展「Footprints」を「BEAMS T」にて開催。現在は「可動型の窓」をコンセプトに、油画作品を制作している。
Instagram:@1899_tw

ーこのアトリエはもともとお祖母さんが住んでいたそうですね。

渡邉:そうですね。学校が春休みで使えなくて、それで描く場所を探してて。そういえばこの家使ってないなって思って、おじいちゃんに相談したら「いいよ」って言ってくれて。やっぱり居心地がすごくいいです。むかしからここにいるから、街の空気もやっぱりなじみがありますし。

ー制作している作品は「可動型の窓」がコンセプトにあるんですよね。

渡邉:簡単にいうと、どこでもドアみたいな(笑)。普通の窓って動かせないし景色が固定されているんですけど、それが絵になってしまえば、その先に映るものをコントロールできるし、なおかつ動かせるっていう。

ー作品を眺めていて、あえて抽象的に描いているのかなと思いました。

渡邉:作品のタイトルもずっとつけてなくて。その景色にはまるタイトルが思いつかないし、それをつけることによって見えてくるものを限定したくないんです。

ー抽象的になればなるほど、作品の完成を見極めるのがすごく難しいですよね。

渡邉:学校の教授に、「お前はまだなにも知らない」って入ったときに言われたんですよ。だけどこの1年間、自分の作品と向き合うことで、絵というものがだんだん理解できてきたような気がするんです。最近は感覚的に「ここでやめたほうがいいな」というタイミングがわかるようになってきて。

ー1年前の自分と比べて、全然ちがいますか?

渡邉:厚みがちがいますね。更新の繰り返しです。いまは絵がないとダメというか、むかしはどこかカッコつけたりとか、肩書きばかり気にして周りと背比べをしていた時代もあったんですけど、そうじゃなくなりましたね。当たり前のことかもしれませんが、いまはそんなことは無意味だと思うし、自分との闘いだと思ってます。そのおかげで色々な人や出来事に対して広い見方で向き合えるようになりました。

そういう意味でファッションもいい意味で力が抜けました。前ほど気にしなくなったというか、ジャンルとかそういうものにこだわりがなくなりましたね。

ーデニムはよく穿くんですか?

渡邉:結構いっぱいもってますね。ジーンズじゃないんですけど、お気に入りのデニムジャケットが〈リーバイス®〉のアイテムなんですよ。イギリスに行ったときに古着屋でお姉さんに薦められて買ったやつ。なんか思い出もあって、手放せないというか。「501®」も古着屋で買ったやつを1本だけ持ってますね。

ー今回穿いている「501®」はリペア痕を活かしたデザインがユニークです。

渡邉:ピート・モンドリアンっていうアーティストがいて、彼の作風となんとなくリンクしたんです。「リーバイス®ストア」に行ったときにたまたまこれを見つけて。すごい手が込んでるなと思って、自分が穿くならこういうデニムがいいなって思ったんですよ。

ーサイズもジャストですね。

渡邉:34インチでウェストは少し緩めなんですけど、細さはちょうどいいですね。こういう太すぎず細すぎないフィット感が大人っぽい。ぼくは革靴が好きなので、そうゆうシューズとも合わせやすいですし。

ー裾は折り返して、ワンクッションさせているのもポイントになっています。

渡邉:なんか、この感じがいまはいいなぁと思ってて。でも、飽きたら裾上げしてもいいかもしれません。そこは気分ですね。

ーむかしはデニムは育てるものという考え方が浸透しすぎていて、デザイン性の高いものや加工してあるアイテムを手に取らないというこだわり派の人も多かったんです。渡邉さんの場合、そうした固定概念はなさそうですね。

渡邉:そうですね。ひとつの面だけを見ててもしょうがないというか。ストリートだからこのブランドしか着ないとか、そういう暗黙の了解みたいな考え方が合わないんだと思います。見方を変えればかっこいいものってたくさんあるから、もっと広い視野でいろんなものと接したいんですよ。

ー「501®」は今年で生誕150周年を迎えますが、そうした長い歴史に対して感じることはありますか?

渡邉:自分の絵もずっと長く残るものにしたいので、「501®」から学ぶことは多そうですね。時代に合わせて少しづつ形を変えているっていう話を聞いたことがあって、だから古着屋で見る「501®」ってそれぞれ見え方が違うんだと納得したんですよ。ぼくの絵もそうでありたいんですよね。軸の部分は変わらないけど、変化はしていたい。長く残るものにはちゃんと理由があるというか、そうやって変化に対して柔軟だったから生き残れたんだなと。やっぱり〈リーバイス®〉ってすげぇなぁって思いますね。

ミュージシャンやセレブなど、スタイルアイコンが愛したアーカイブデザインをベースにした〈Levi’s® Made & Crafted®〉の「1980s 501® Jean」。最高品質のオーガニックコットンでつくったセルビッチデニムを使用し、ゆったりとしたジェンダーフリーなフィット感に仕立てている。

Maho Aikawa × Levi’s® 501® JEANS FOR WOMEN デニムは穿く人のキャラクターが出るところがおもしろい。

PROFILE

相川茉穂

1999年生まれ、神奈川県出身。アイドル活動を経てから美術大学へ進学し、写真学科を専攻。在学中に約1年間、『ガールフイナム』にアルバイトとして在籍。2020年10月より芸能活動を再開し、モデルとして活動をおこない、広告や雑誌、WEB、ラジオ出演など、多くの媒体でマルチに活躍している。
Instagram:@mahoaikawa3

ーモデルとして活動をスタートしてから2年が経過して、いまどんな気持ちで仕事に向き合ってますか?

相川:モデル事務所に入るまえに、『ガールフイナム』の編集部でアルバイトをさせてもらったんです。そこで裏方の仕事を経験できたのがいまの仕事ですごく役に立っていて、すごく視野が広がったなって思いますね。それがすごく楽しくて。

ーどういうときが楽しいですか?

相川:やっぱり私はファッションが好きで、服に関わる仕事としてモデルという選択肢を選んだので、たくさんの服に囲まれているのがシンプルにうれしいし、楽しいんです。

ーそもそもファッションを好きになったのは、お母さんがきっかけだったんですよね。

相川:そうですね。母が若いころにファッションの仕事をしていて、いろいろと服を着せてもらううちに好きになっていって。小さな頃から母のお友達とも仲良くさせてもらって、気づいたらお母さん抜きでそうした方々と遊びにいったりもしてたんです。そうやって大人の世界に憧れたり、刺激をもらいましたね。

ーいろんな服に袖を通すことで気分に変化は生まれますか?

相川:私、じつはあまり自分に自信がないんです。だけど服を着ることによってようやく自信が持ているというか、やっぱり気分が上向きになるんですよ。

ーデニムは普段穿きますか?

相川:正直な話をすると、これまでジーンズを穿いてこなかったんですよ。外に出るときはピシッとよそゆきの格好をしたいという気持ちがあって、それで気合いを入れるような感覚なんです。だから、今回「501®」を穿かせてもらったのがすごく新鮮なんです。じつは撮影前にお母さんの部屋に行ってヴィンテージの「501®」を引っ張り出して穿いたんですけど、それがジャストサイズだったんですよ。普段あまり触れてこなかったアイテムだけど、鏡の前で自分の格好を見てみたら、「イケる!」って思って、母に「これちょうだい」っておねだりしました(笑)。

ーそうやって譲り受けられるのも、「501®」ならではの魅力ですね。

相川:やっぱりデニムって穿く人のキャラクターが出るから、そうゆうところがおもしろいなぁと思います。

ー今回はダメージの入ったモデルを穿いていますが、どうしてそれを選んだんですか?

相川:お店に行って選んだんですけど、「『501®』ってこんなに種類があるんだ!」ってまず驚いて(笑)。お母さんの持っていたやつもシンプルだったから、そうゆうアイテムしかないと思ってたんです。だけど、すごくデザインされたモデルもあったりして、いろいろ目移りしました。それで悩んだ結果、シンプルだけどちょっとしたデザインが入っているものとして、このアイテムを選んだんです。控えめすぎず、主張しすぎていない感じがいいかなって。サイズも少し細身のを選んで、だらしなくならないようにしてますね(笑)。

ー青いニットとコーディネートが、デニムの色合いとすごくマッチしてますね。

相川:これは高校生のときに買った古着なんですけど、一回しか着たことなくて。サイクリング用のデザインがおもしろいなって思って手に取ったのに、全然登場機会がなかったから、「501®」に合わせるアイテムとしていいかなと思って。着なかったアイテムも、デニムと合わせれば蘇りますね。

ー「501®」というアイテムがいつの時代も普遍的であるからこそ、古着をはじめ、たくさんの服と合わせやすいのかもしれません。

相川:〈リーバイス®〉って聞くと、やっぱりデニムや「501®」が思い浮かぶし、それだけ世界に浸透しているアイテムなんだなと思います。それに150年という歴史の中で、いろんな人に穿かれて、愛されてきたんだなと思うと、すごく感動します。今回こうして穿く機会をもらって、きれい目な服にも合うっていうことがわかったし、私も自分の「501®」を将来のヴィンテージとして育てていきたいなって思いました。

クラシックなストレートレッグの「501®」。ももから膝にかけて強いウォッシュをかけたデザインが、脚のラインを美しく引き立てる。150周年を記念してつくられたモデルで、パッチやレッドタブ、リベット裏には「150」の刻印が入れられており、さりげない遊び心を感じる。

Kaito Sagawa × Levi’s® Vintage Clothing 1955 501® RINSE
Joshua Nishimiya × 501® ORIGINAL CRYSPY RINSE
リーバイス®は絶対的な価値観のあるかっこいいブランド。

PROFILE

佐川海斗

1998年生まれ、東京都出身。小学校1年生のときに、サーフィンをやっていた父親のすすめでスケートボードをはじめる。その後さまざまなコンテンストで好成績を収め、たくさんのブランドとスポンサー契約を結ぶ。現在はストリートに舞台を移し活躍する。
Instagram:@kaito5agawa

PROFILE

西宮ジョシュア

2000年生まれ。日本とガーナをルーツに持つスケートボーダー。さまざまなブランドからスポンサードを受け、佐川も所属するスケートクルー「Ferris Tokyo」に在籍し、〈リーバイス®〉と共にスケートビデオ「MEADOWS」を制作した。
Instagram:@joshuanishimiya

ーふたりはお互いのスケートスタイルのどんなところに特徴があると思いますか?

海斗:ジョシュアはすごくバネがありますね。技に高さがあったり、ダイナミックさがあったりとか。

ジョシュア:海斗はめちゃくちゃテクニックがすごい。結構オールラウンダーだよね。

海斗:細かいのが得意ですね。その地形にあったスケートをしたいと思っているから。

ーふたりともいろんなブランドからスポンサードされていますが、それによってスケートスタイルや意識に変化は生まれますか?

ジョシュア:動き自体はあんまり変わってないですね。そこらへんはあまり意識してないというか。

海斗:ぼくは国内ブランドから自分の名前が入ったプロデッキをだしてもらってました。

ジョシュア:スポンサードを受けるとプロっていう考え方もあるんですけど、ぼくらは「プロモデルを出したらプロ」っていう意識なんですよ。だからそういうのが出るまでは「自分はプロです」って名乗る人はあんまりいないというか。

ーなるほど。

海斗:それで自分のデッキを使ったときに、やっぱり見せたかったし、逆にそれで滑っている人をみるとテンションが上がるっていうか、頑張らなきゃっていう気持ちにもなりますね。

ジョシュア:そうだよね。俺は自分のモデルとかないけど、スポンサード受けているブランドのステッカーを見かけたりすると、気持ちが引き締まるよ(笑)。

ー〈リーバイス®〉との繋がりはどうやって生まれたんですか?

ジョシュア:『VHSMAG』っていうスケートメディアのキャンペーンで声をかけてもらったんですよ。「ビックカンパニーからきた! やべぇ!」ってなって(笑)。それで担当のスタッフの方もすごく陽気な人で仲良くなったんです。その頃は国内に〈リーバイス®〉のスケートチームがないから、ビデオ撮りましょうって提案したら、すぐにやろうってノッてくれて。

海斗:それで去年つくって試写会したりしましたね。

ーブランドに対してどんなイメージがありますか?

ジョシュア:絶対的な価値があるかっこいいブランド。

海斗:やっぱりオリジンっていう印象はありますね。最初にジーンズをつくったのも〈リーバイス®〉だし。

ジョシュア:そうだよね。そこから他のブランドでもジーンズをつくって、俺もいろいろ試したけど、結局〈リーバイス®〉がいちばんかっけぇってなる。

ースケートと「501®」の相性はどうですか?

海斗:ぼくたちは動きやすさを求めるし、ジョシュアはとくに身長が高いしカラダが大きいから、太いシルエットがやっぱりよくて。はじめて「501®」を穿いたときにちょっと細いかな? っていう印象だったんですけど。新品でウエストをあえて大きめのサイズで穿いたりとかして工夫をしたら、全然滑りやすかったですね。「501®」の中でもいろんなモデルがあって、太いシルエットのやつもあるし。

ジョシュア:そうだね。結構しやすいですよ。

海斗:ぼくはむかしチノパンを穿いてたんですけど、スマホをサイドポケットに入れてスケボーを持っていると、デッキテープで擦れてパンツに穴が空いてくるんですよ。でも、〈リーバイス®〉のデニムは1年以上穿いているけど、そんな風にはならないですね。

ジョシュア:俺も一個も空いてない。

海斗:ぼくがいま穿いてるやつも、もうすぐで1年経つけど。味がでてくるのも、それが自分らしいスタイルになっていいなって思うし。

ジョシュア:俺らは〈リーバイス®〉と繋がって、「501®」の150年の歴史の中に入れたというか、貢献できているのがうれしいよね。今回の写真もそうだし、この前撮ったスケートビデオも残るから。

海斗:そのかっこよさをいろんな人に伝えたいよね。ぼくはいま1955年の復刻モデルを穿いてますけど、やっぱりこれもオリジナルから継承されてきているってことじゃないですか。そうゆう文化を大事にして、次の世代にも繋げていきたいです。

ジョシュア:やっぱりスケーターにも伝えていきたいよね。海斗が言ってたみたいに細身の印象があるかもだけど、俺たちにも合う調子のいい「501®」もあるから。そういうことをこれからも発信していきたいね。

クラシックなストレートシルエットで、〈リーバイス®〉を象徴するモデル。1890年に「501®」というロットナンバーがつけられてから、穿く人の個性を引き出す究極のジーンズとして、世界中の人々に愛され続けてきた。ファッションの定番として1本は持っておきたいアイテム。

1950年代のバイカースタイルを代表したアイテムで、レザーを模した紙製のパッチが導入されたモデル。当時の不良たちがこぞって愛用し、大学で着用禁止令がでたのは有名な逸話。復刻モデルのなかでは最も太く、無骨なジーンズで、スケートとも好相性。

UDAI × Levi’s® Authorized Vintage 501® ORIGINAL 続けることの大切さを、「501®」は教えてくれている。

PROFILE

UDAI

1994年生まれ、東京都出身。日本のユースカルチャーを牽引するクルー「YouthQuake」に所属するフォトグラファー兼ビデオグラファー。ファッションブランドのルックや、ミュージシャンのMVの撮影を手がけるなど、媒体を問わずさまざまなフィールドで活躍。一方で自作のZINEなどの制作もおこなうなど、精力的に活動をおこなっている。
Instagram:@udai65

ー映像はいつ頃から撮っているんですか?

UDAI:はじめたのは4年くらい前ですね。文化服装学院を卒業して、就職しないで旅行いったりしてたんですよ。だけど25歳くらいまでに自分でなにかはじめなきゃなと漠然と考えていたんです。もともとフィルムで写真を撮ったりしてて、周りの先輩にラッパーが多くて撮影現場に行かせてもらうことも多くて。そういうときにハンディカメラを持って撮影をしたりしてたんですよ。そのタイミングで自分の師匠に出会って、基礎から勉強させてもらうことになって。

ーいきなりクリエイターとして活動をする人も多い時代に、珍しい選択をしたんですね。

UDAI:ぼくはやっぱり自分でカラダを動かして学んでいくタイプなんで。そっちのほうが性に合ってるんですよ。師匠につくことで、自分の力では行けない現場にも行かせてもらえたりするので。だからめちゃくちゃ楽しいですね。いろんな体験ができるので。

ー出身は福生なんですよね?

UDAI:細かくいうと福生の隣なんですけど。ほぼ福生です。アメリカの米軍基地があったり、おもしろいところですよ。

ーやっぱりアメリカのカルチャーが強く根付いているんですか?

UDAI:好きですね。小さい頃から福生のスーパーに行くと、外国の人たちがスポーツブランドのスニーカー履いて、白いソックス合わせてるのを見て、かっこいいなと思ってたし。あとは家にたまたまカートゥーン・ネットワークっていうアメリカのアニメを放送しているチャンネルがあって、ずっとそれを見てました。『トムとジェリー』とか。自分が受けた影響を考えると、アニメはすごく大きいですね。

ーそうした影響と、いま自分でつくる作品はリンクしますか?

UDAI:あると思います。いまも家にVHSのテレビがあって、ちょっと前に知り合いがニューヨークに引っ越すタイミングで大量のVHSをもらったんですよ。それで映画を見たりしてて。スケートビデオもあったんですけど、90年代のそうゆう空気感が好きで、それは自分の作品に超反映されてますね。ノイズの質感とか、フィッシュアイのレンズとか、決めて撮るんじゃなくて、現場のノリで撮っちゃう感じとか。

ーそうしたノリというのは、いまの時代で表現しづらそうですよね。機材もアップグレードされて、なんでもきれいに撮れちゃいますし。

UDAI:去年ちょうどそうした悩みが自分の中にあって。これからもっとスキルアップして、きれいな映像とか撮れるようにならないといけないのかなって思ったんです。最近のMVとか映画みたいじゃないですか。だけど、どこか嘘っぽいなって思う自分もいて。ヒップホップの映像を撮るにしても、やっぱりディレクターとアーティストの距離感ってすごく大事で、そういうのは一緒に遊んだりとか、夜の街に出たりとか、そういうことをして生まれるものだと思うんです。そこを自分は大事にして、きちんと文化を理解してやりたいんですよね。

ーUDAIさんは〈リーバイス®〉ともお仕事をしたことがあるんですよね。

UDAI:師匠の現場に付いて行かせてもらいました。そこでブランドの方々とつながりが生まれて。

ー実際にご自身でもデニムを穿かれると思うんですけど、ブランドに対してどんな印象を持ってますか?

UDAI:デニムといったら〈リーバイス®〉でしょっていうくらい王道。小さいときにお父さんが穿いてて、中学のときに欲しかったけど買えなかったから、お父さんの「501®」をこっそり穿いたりしてました(笑)。

ー今回穿いていた「501®」は、ヴィンテージなんですよね。

UDAI:このデニムに限らず、新品よりも古着で買うもののほうが多いかもしれないですね。今日穿いている「501®」もやっぱり柔らかくて穿き心地がいいんです。もともと「550™」の登場機会が多かったんですけど、このデニムを手に入れてからはずっとこればっかり。「501®」って自分の体型に合わない印象があったんですけど、これはサイズ感がすごく合ったのでめちゃくちゃ気に入りました

ーそんな「501®」も今年で150周年ですが、そうした長い歴史に対して感じることはありますか?

UDAI:めちゃくちゃリスペクトしてますよ。自分はやっぱり、新しいものよりも、歴史が長いものの方に惹かれるんです。やっぱりつくり続けるってすごく大事なことだなって思うし、大切なものを守りながらどんどんステップアップしているのがすごい。自分も映像をやっていて、いろんな現場のプロの人たちに会うと、やめずに続けているから技術が生まれたりするんだなって感じるんです。ぼくもいまの仕事をはじめた頃は編集もできなかったし、レンズすらスムーズにつけられなかったけど、やっぱり続けることによってスキルアップしていったので。続けることっていうのがいかに難しくて大事なことなのか、「501®」はそういうことも教えてくれているような気がします。

1980~1990年代の古着を買い集め、綺麗に穿けるようにウォッシュをして販売している「Levi’s® Authorized Vintage」。環境への配慮とビジネスを両立させた〈リーバイス®〉のサステナブルな取り組みは、これらのアイテムが時代耐久性を兼ね備えた普遍的なデザインだからこそ実現している。

INFORMATION

リーバイ・ストラウス ジャパン

www.levi.jp

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