生きている限りどんどん良くなると信じている。

ーセカンドアルバム『PURSUE』は6月末リリースですが、このタイトルは”追求する”という意味ですよね。このタイトルにした意図はなんですか?
のん:私は、生きている限りどんどん良くなると、自分の魅力が積み重なっていくと信じてやっていきたいと思ってます。だから、これから先も自分を追求していくという決意表明でもあるし、“パースー”という言葉の響きがすごくかわいいなって。そうやってすごく力強い意味合いを持ちつつ、聞いた感じや見た感じは軽やかというのが、すごく自分に合っていると思ってつけたタイトルです。
ーなるほど。そんな意味では、先ほどの表現に対するバランスとも通ずるのかもしれませんね。
のん:そうですね。大変なことや挫けそうなこともあるし、本当は弱い部分もあるんだけど、そういうのをポジティブに表現してきたので、そういった自分自身の物語とも引きつけて、『PURSUE』という言葉がすごくしっくり来たんですよね。
ーひとつ前の発言で、もっと良くなっていくと“信じている”とおっしゃいましたが、それには精神力やガッツが必要ですよね。現実の壁にぶつかって挫ける方が、簡単なことですから。
のん:そうですね、羞恥心を乗り越えられると意外と簡単なのかなって。私は何者でもない時から、わりと自分に自信があるタイプなんですよ。今ならあれはなんだったんだろう? と思うんですけど、人に認められている・いないは関係なしで、自分がすごいやつになると信じてました。その下地のようなものがあるのかなって。

―では、そのセカンドアルバムもファーストアルバムに続いて、さまざまなアーティストが制作として参加していますが、そういう作り手から刺激を受けたところについて教えてください。
のん:『この日々よ歌になれ』(収録曲)でいえば、レコーディングの時に、演奏と歌入れを一緒にしたんです。その時に柴田さんが、バンドの皆さんに、「高校の軽音部の部活紹介で、新入生のみんなにかっこいいと思ってもらえるように頑張って演奏しているって感じでお願いします」とおっしゃっていたんです。そういう考え方でやったことはなかったからすごく新鮮だったし、柴田さんの曲やパフォーマンスはそういう十代の青春時代の熱い記憶を頼りに作っているんだなとか、そこが好きで音楽をやっているんだなというのが、すごく伝わってきました。
年を重ねて大人になっても、その時の憧れや自分の大切なもの、記憶を大事にしていくって素敵だなと思っていたし、自分もそうでありたいと思ってきてたので、すごくいいなって。
