30年近くの歴史を経て、いよいよ公式グッズまでリリースされるなんて、本当に感無量。
― さて、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の興奮から3ヶ月が経ち6月半ば。プロ野球も盛り上がっていますし、8月からは夏の甲子園も始まって、1年のうちもっとも野球が盛り上がる時期は目前。お三方は野球を楽しんでいらっしゃいますか?
ピエール:まず言っておきたいのが“高校野球ファン”と“野球ファン”って実はちょっと違うっていうね。
宮尾:前者で言えば、ル―ルが分からないけど若い子たちが頑張っているから応援しているみたいなおばあちゃんとかそうですよね。
ピエール:プロ野球の“クラブチームとしてのおもしろさ”と、野球の“ゲームとしてのおもしろさ”に球児たちのドラマ込みで楽しむ高校野球は、またちょっとカテゴリーが違うんだよね。なので、俺は高校野球のグラウンドまで行っちゃうような人とは、あんま友達になれないもん(笑)。
一同:(笑)
ピエール:うちは静岡の県立校だったからそんなに強くはなかったけど、それでもチームを何世代も見てきたようなオジさんが頻繁に練習を見にきたりしていて。そういうの苦手だったからさ。
宮尾:それで言うと、メジャーリーグファンも日本のプロ野球ファンとはまたちょっと違いますよね。
井口:ですね。今回WBCで日本が優勝したけれど、メジャーリーグ好きは大して喜びませんでしたし。「メジャーはまだ全然本気を出していないぞ」とか言って(笑)。
ピエール:あはは(笑)。洋楽しか聴かない音楽ファンみたいな。

― へぇ、ひと口に野球と言っても各々のファンは全然違うんですね。そういえば皆さんの野球歴ですが、瀧さんは高校まで。5番ファーストで阪神タイガースの入団テストも受けたことも。井口さんは大学までで、内野手としてプレーしていたとか。
ピエール:大学まで続けていたってのは異常ですね(笑)。
井口:いや、本当にそうなんですよね(笑)。ぼく自身、いま考えるとよく続けられたらなって。
宮尾:でも、やろうと思えばもっと上も目指せた感じですよね?
井口:いやいや、“もし社会人までやるなら地方の実業団はギリギリいける”ってくらいのレベルで。
ピエール:じゃあ相当上手いでしょ! 野球というスポーツだけでいえば、情熱があれば続けられると思うんだけど、大学でまた1年生から始めるというのは、かなりの壁の高さがあるのよ。
― 高校1年生の頃の、先輩たちから虐げられてきた日々が再び…。
ピエール:本当に『ゲーム・オブ・スローンズ』みたいなもんだよ。壁の向こう側に行くなんて無理無理って言いたくなるような。
一同:(笑)

井口:うちの高校だと、大学まではなんとなく続けるのが普通みたいな感じはあったんですよ。ぼくたちの代が東東京大会の決勝戦まで進んで、高橋尚成(元メジャーリーガー)のいる修徳高等学校に負けて甲子園には行けず…。
ピエール:ポジションは?
井口:ぼくは1番セカンドでした。
宮尾:相当上手いやつじゃないですか。
井口:いやいや全然(汗)。
ピエール:関東一高の1番セカンドで上手くないわけないでしょ!
― 宮尾さんも野球経験者ですか?
宮尾:ぼくも高校は野球部でしたが、とても甲子園を目指すなんていうレベルではないのでユルくて。平気でサボっていたしシゴキ的なものもないし、なんなら髪だって長かった。なのでお2人とはレベルが全然違います
ピエール:宮尾くんは、なぜ高校から野球を始めたの?
宮尾:中学まではテニス部だったんですが、高校入学前にアニメで『キャプテン』を観ちゃって…。
ピエール:あ~。
井口:なるほど。
宮尾:そこで気付いたんです、やっぱり青春はチームスポーツだなと。やっぱりやって良かったと思いますよ。野球をやっていたからこそ、こういったコラボが実現できたわけですし。
― そのコラボレーションの核となるのが、瀧さんご自身が、オーナー、監督、選手を務める草野球チーム〈ピエール学園〉。所属するTOKYO大リーグには現在6チームがいて、全体の平均選手年齢が40代~50代。そもそもTOKYO大リーグとは?
ピエール:ピエール学園の創立は、1994年頃だから20代半ばかな。そこから十数年も続けていると楽しいけど緊張感はなくなってくるじゃないですか。で、「ちょっとだけピリッと緊張感のある試合をしたいよね」っていうことで、俺が発起人となってスタートしたのが「TOKYO大リーグ」です。サインを出したりバントもやるようなガチの草野球もあるんだけど、そんな感じではなく子供の頃に広場でやっていたようなユルさがイイよねって。そこが草野球の良さですし。その点、ウチなんて全員打席に立たせるんで、ヤバイ時なんて打順も21番ぐらいまであったりして(笑)。
井口:21番!?(笑)。
ピエール:しかも攻撃だけでなく守備も、交代しながらなるべく全員がグラウンドに立てるようにしているので、素人で初めて参加した、野球もやったことない女の子が外野フライをアワアワしながら捕ったりすると、もう超ファインプレー!
宮尾:めちゃくちゃ盛り上がりますね、それ。ANIさん(スチャダラパー)もチームメイトですよね。
ピエール:そうそう。歴史でいえば、楽天(東北楽天ゴールデンイーグルス)よりも長い名門チーム。なので、色々と代変わりもしていたりで、これまでの述べ人数でいったら100人はいるのかな。ただ今はピッチャー不足なのよ。ずっと投げているエースももう60歳超え。水島新司の『ドカベン』にも出てきた人で、大事な試合の時は投げているんだけどね。
井口:お〜、スゴイですね。ぼくもアパレル系の2つのチームに所属しているんですが、どちらもコロナ禍でやらなくなっちゃったので、もう4年間くらいのブランクがあります。
― となるとピエール学園に移籍という手も…。
ピエール:いいですよ! 関東一高でセカンドを守って都大会の決勝までいった選手なら、十分にピッチャー候補ですから。

― 期待の大型新人獲得か!?(笑)。宮尾さんは最近やってますか?
宮尾:ぼくもやっぱり高校のチームメイトたちと草野球チームをつくってやってたんですけど、やらなくなってもう15年くらい。やろうと思えば出来ると思うんですけどね、何歳になっても。そこが野球のいいところですし。
ピエール:前に一度、「おいでよ」って誘ったことなかったっけ?
宮尾:ありましたね。その時は参加できませんでしたが、今回のルック撮影では、瀧さんたちTOKYO大リーグが、よく試合をしている球場を使わせてもらいました。