― そういえば、今回のトリプルコラボはどういった経緯から実現したんですか?
宮尾:元々、ぼくが小学校の頃から瀧さんの大ファンだったんです。当時は、人生っていうバンドで活動されていたんですが、いまと違って情報が少ない中でも、すごく話題になっていたんですよね。ぼくも載っている雑誌をチェックしていたし、自主制作のインディーズレコードも買ったりして。とにかくすごく衝撃を受けちゃって。
ピエール:小学生で人生を聴いていたの!? さすが。情報通だね(笑)。
宮尾:で、20年くらい前に共通の知人を通じて紹介してもらったんですよね。
ピエール:その時に、宮尾くんが「これ、うちの服なんです」ってプレゼントしてくれたのが、いわゆるマンガ肉のワンポイントがデザインされたポロシャツとかシャツで。「これ、超いいね!」って気に入って愛用するようになって以来の付き合いだよね。
宮尾:以降は展示会にも来ていただき、色んなメディアに出る際も着ていただいて。コラボに関しても以前から、いつかやりたいとは考えていました。
― なるほど。一方「タマニワ(TAMANIWA)」とのコラボは、去年に続き2度目です。
宮尾:ですね。なので今年もコラボをしようとなった際に、瀧さんがやっているピエール学園を絡めたらどうかと話していたところ、ちょうど瀧さんから「なんかやろうか」と連絡をいただいて。
ピエール:毎度、展示会に行くたびに「マンガ肉の服はないの?」って探すんだけどなくってさ(笑)。で、色々と見ていると、基本がヒップホップな感じでしょ。ちょっと自分には着る資格がないかなと思っていたら、野球ネタでオールドスクールっぽいのもあるじゃんって。だったらピエール学園のグッズとかイイんじゃないって話をしたら、「ちょうどやろうと思っていたんです!」って。
― まさにグッドタイミング! そのコラボの提案に対して、井口さんの反応は?
井口:もちろん嬉しかったですし、テンション上がりました!
― ラインアップは、Tシャツ3型、トートバッグ、ジクレーアートとなっています。
宮尾:メインとなるTシャツは、「タマニワ」さんとやるなら! ってことで、井口さん所有のメジャーリーグの古いTシャツをサンプリングしています。中でもスイングしているグラフィックは、ウチらしくラップTシャツのイメージも掛け合わせつつ、しかもそれを瀧さんの写真でやったら面白いんじゃないかって。
ピエール:使っている写真はすべて撮り下ろしだからね。
宮尾:スイングの写真なんかも実際の試合中に撮影していますからね。丸々一試合でセレクトも300枚以上(笑)。しかもその日は残念ながらヒットが出なかったので、写っているボールは全部消しました。
― で、それをイラストレーターの濱口健さんが、肖像画タッチでイラストに起こしたものをプリント。ボディは、柔らかく肌触りの良さを感じつつも適度な厚みがあり耐久性も兼ね揃えた7.4オンスの天竺生地を使用。襟元はダブルステッチで伸びにくく、身幅とアームホールに余裕を持たせたゆとりのあるシルエットが楽しめます。どのアイテムも圧倒的存在感を放っていますね。
ピエール瀧 Portrait(ピエール学園 Ver.)T-shirt 各¥7,920
ヴィンテージのメジャーリーグTシャツに見られる、人気選手の顔をプリントしたTシャツをオマージュ。ロゴやアイコンなどにもこだわりが詰まった1着。3色展開。

ピエール瀧 Swing T-shirt ¥7,920
こちらも本コラボのために撮り下ろした写真をコラージュし、90年代のメジャーリーグTシャツとラップTシャツをオマージュ。野球と音楽の融合を表現したユニークな一枚だ。

ピエール:そもそもサンプリングソースになったメジャーリーグのTシャツだって、時代ごとのレジェンド級の選手でなければつくられないモノですからね。今だったら大谷(翔平)くんとか。その意味では、ものすごいバランスで成り立っている超ハイレベルなおふざけであって。それを真面目かつ真剣にやるっていうのが、今回のコラボレーションの肝というか、おもしろい部分。
宮尾:そう、それを適当にやっちゃうと格好良くないですからね。これらのアイテムを見て、「なぜ〈アップルバム〉で瀧さん?」「しかもなぜ野球のユニフォーム姿?」と疑問に感じる方もいらっしゃると思うんですよ。
― 「相撲部屋の親方を演じたと思ったら、次の役は野球の監督?」みたいな(笑)。
ピエール:謎が謎を呼ぶような(笑)。
宮尾:でも、そこに「タマニワ」さんが加わることで“野球”というキーワードにも説得力が生まれる。
ピエール:この奇跡のバランスで成り立っているコラボを、ぼくらと同じ角度で受け取って買ってくれる人はすごく信用出来る(笑)。野球ファンでもあるだろうし、ハイレベルパロディを面白いと思ってもらえる人でもあるだろうし…。
井口:もちろん瀧さんファンでもありますしね。
― ファッションとして見ても洒落ているというか、女性が着たりしてもハマりそうです。
宮尾:SNSや周囲の反応を見ていても、すごく可愛いとは言ってもらえるんですが…果たして実際に着るかといったら…。
一同:(笑)。
ピエール:大丈夫! 井口さんがお持ちの元ネタのTシャツだって、普段着ないですよね?
井口:そうですね、着るのはちょっと…(苦笑)。
ピエール:でしょ!? あくまでコレクターズアイテムというか、着るプロ野球カードみたいなもんでしょ(笑)。

ピエール学園 T-shirt ¥7,920
ロゴの縁部分には発泡プリントが施され、ユニフォームの刺繍を意識した立体感のある仕上がりに。背面には白い背番号ゼッケンをプリントで表現。また、ボディカラーはサンプリング元となった名門校のユニフォームの色を意識。

ピエール学園 Zip Totebag ¥8,580
Tシャツ同様、高校野球の名門校をオマージュしたロゴとユニフォームカラーを落とし込んだキャンバス素材のジップトートバッグ。背面にも3者のロゴをプリント。横幅46cm×高さ35cm×マチ16cmと野球道具一式が収まる大きめサイズ。

【完全受注生産】ピエール瀧 Portrait(ピエール学園 Ver.) Giclee Print(額付き)¥55,000
ピエール瀧の顔写真を、イラストレーターの濱口健が、肖像画タッチで描き下ろしたジクレープリント。重厚感抜群のアンティーク木製額縁付きでお届け。完全受注生産で、すべてにピエール瀧による直筆サイン入り。