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サンシャイン+クラウドに見るコミュニティ・ストアの現在点。
Place in Life

サンシャイン+クラウドに見るコミュニティ・ストアの現在点。

緑あふれる豊かな自然と美しい海、そして、そこに漂うスロウな空気の心地よさに魅了され、たくさんのひとが暖かい気持ちになれる場所。葉山には、そんな魔法にかけられたような気分にさせる“なにか”が確実に存在しています。そこで根を張りつづけて30年近くになる「サンシャイン+クラウド(SUNSHINE+CLOUD)」というお店をご存知でしょうか?カフェやお花コーナーもあるセレクトショップとして唯一無二の存在感を放つこのお店をめがけて、各地から人々が訪れるのはもちろん、地元に住むローカルたちのコミュニケーションの場としても機能する同店。商業地域では決して生まれることのないその“ゆとり”には、情報過多ないまの時代に忘れてはならない大切な心があります。このお店の代表である高須勇人さんに、ローカルに根ざしたコミュニティ・ストアの在り方について話を伺いました。

PROFILE

高須勇人

1964年生まれ。アメリカ・カリフォルニア州にあるウエストモント大学を卒業後、帰国。1992年に代官山に「G.O.D.」をオープン。その後、95年に葉山の「SUNSHINE+CLOUD」、2009年には「PARADISE STORE」を奄美大島でスタート。自身のショップのディレクションのほか、「HONOLULU DESIGNS」というチームでは、店舗内装や住宅リフォームのデザインなどもおこなっている。

「ひとと同じじゃなくていいんじゃない?」というのは根底にあった。

ー高須さんがこの辺りに住まわれて、どれくらいになるんですか?

高須:ぼくは逗子に住んでいて、今年で32年ですね。

ーもともとは東京の出身なんですよね。どうして逗子に住もうと思ったんですか?

高須:アメリカの大学を卒業して帰ってきたときに、とにかくひとが多くてごちゃごちゃしてたから、東京には住めないと思ったんですよ。それでどこに住もうか考えたときに、海の近くがいいなと思って。候補としては逗子のほかに、大磯と湯河原があったんだけど、当時は東京にまだ通っていたから、現実的なことを考えて逗子かなと。

ーむかしから海は好きだったんですか?

高須:好きですね。サーフィンをするのが楽しかったっていうのもあるんだけど、それ以前になんだか海に惹かれていたんです。なんか許してくれそうなところがあるじゃないですか。

ー実際に海の近くに住んでみて、どんなことを感じましたか?

高須:本当によかったですよ。夜になれば星がすごくきれいだし、朝に早起きすればすぐに海に行ける。何にも変えられない生活がここではできるんですよね。

ー1995年に葉山の「サンシャイン+クラウド」をオープンさせたのも、そうした環境に魅せられたからなのでしょうか。

高須:いちばんの理由は東京に行かなくていいようにしたかったから(笑)。寝て起きて、そのままの格好で立てるお店が欲しかったんです。

ー当時の葉山や逗子は、どんな雰囲気だったんですか?

高須:まったくなにもなかったから、ひとが来るなんて思ってなかった。だから通販のカタログをつくったんです。その頃のアメリカは通販のカタログが進んでて、〈J.CREW〉とか「SEARS」がつくってたんですよ。そういう文化を習って、自分でもやってみようと思って。

ーそしたらお客さんが来るようになったんですか?

高須:全然来ないですね(笑)。だけど、ぼくたちがつくったカタログはメッセージ性のあるものだったから、響くひとには響くわけです。それで遠くからわざわざ来てくれるひとは、少しずつ増えました。

ーそうした時代を経て、いまは葉山にたくさんのひとが注目しています。

高須:商業地域じゃなくてもいいんだということに、いろんなひとが気づいたんでしょうね。そういうのは感じます。

ー高須さんも、もともとそうしたアイデアをお持ちだったんですか?

高須:そんなに大それたものじゃないですけどね。ただ、「ひとと同じじゃなくていいんじゃない?」っていうのは根底にありました。

INFORMATION

SUNSHINE+CLOUD

住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2151-1
電話:046-876-0746
時間:11:00〜18:00
定休日:月曜(祝日は営業)
Instagram:@sunshine_cloud_hayama
https://sunshine-cloud.com/
https://aurorashoe.jp

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