博多から自分たちのファッションを発信していくという大きな命題。
PROFILE
「NEPENTHES HAKATA」のオープニングスタッフとして、ショップの立ち上げに参画。現在は店長として8名のスタッフを率い、ショップの舵取りをおこなっている。
ーショップオープンから今年で10周年を迎えたということで、おめでとうございます。
松本:ありがとうございます。
ー10周年を迎えたいまの気持ちを教えてください。
松本:まずはこのお店を支えてくださっているお客さまと、一緒にがんばってくれているスタッフに感謝したいですね。この10年で街には大きな変化がありました。このお店がはじまった当初、この辺りは商売をするのにチャレンジングな場所だったんですが、それがいまもこうして営業をできているのは本当にみなさんのおかげとしか言いようがないですね。
ー10年前、「NEPENTHES HAKATA」はどんなミッションを抱えながらオープンしたのでしょうか?
松本:「ネペンテス」としてはじめての九州進出ということで、博多から自分たちのファッションを発信していくという大きな命題がありました。その頃はいまほど人通りの多いエリアではなかったので、自分たちが店頭でパフォーマンスをしながら、九州に浸透していくように地道にがんばってきましたね。
ー街の変化というのは、どのように変わっていったんですか?
松本:もともとは問屋街で、むかしながらのお店は存在していたんですよ。景色もすごく開けていて、ここから大博通りも見えるような状況だったんです。そこから都市開発によって高いビルが増えていって、そこにオフィスが入ったり、勝機を見つけて飲食店ができたりしたんです。それによって、この辺りのひとの多さというのは安定的になってきましたね。
ーその変化はこのお店にとって追い風になったということですね。
松本:なったと思います。やっぱり博多の商圏といえば天神とか大名通りを思い浮かべるひとが多いと思うんですけど、この辺りには飲食店だけじゃなくて服を売るお店も増えましたし、このお店の集客にもいい影響がありました。
ーそもそもどうしてこの場所にお店をオープンさせたんですか?
松本:伝統的なお祭りである博多どんたくが開催されたり、博多祇園山笠ではたくさんの山笠がお店の前を通過していくんです。そういう意味でこの辺りには伝統が息づいている。お店の名前に福岡ではなく“博多”とつけたのは、それが自分たちのアイデンティティの一部として機能しているというのも大きいですね。