PROFILE
2017年、ニューヨークを拠点に自身のブランド〈TANAKA〉をスタート。「TANAKA NY TYO LLC」を立ち上げ、ニューヨーク、ヨーロッパ、アジアなどでグローバルにデザイン活動を行う。東京モード学園卒業後、ヨウジヤマモト社にて企画、ニットカットソーデザイナーとして経験を積んだ後、ファーストリテイリング社に入社、〈ユニクロ〉の東京、上海、ニューヨークオフィスにてウィメンズグローバルデザインチームのリーダーを務めた。
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2020年より本格的に〈TANAKA〉のクリエイティブパートナーに。国内外の企画にも携わり、クリエイティブディレクションや空間演出を強みとする。文化服装学院スタイリスト科卒業後、「ファーストリテイリング」にて〈ユニクロ〉の東京、 上海、ニューヨークオフィスでUT、アクティブウェア、ニットウェアを中心に、メンズグローバルデザインチームのリーダーを務めた。
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古着屋、セレクトショップでの販売を経て、二つのショップにてバイヤーを務めたのち、PR職へ。2012年に「ウィズム」の立ち上げに参画。現在は同ショップのコンセプターとして活躍。
いつ何時、誰が穿いてもかっこいいものをつくりたい。
ー 今回は〈TANAKA〉と「ウィズム」が手を組んでスペシャルなアイテムが完成したということで、その裏話を伺えればと思っています。本題に入る前に、まずは、堀家さんと〈TANAKA〉の出合いから教えてもらえますか?
堀家:ニューヨークに田中さんっていう先輩がいて、あるとき、そのひとが〈TANAKA〉のことをインスタにあげていたんです。ぼくはてっきり、彼が自分のブランドを始めたんだと思って連絡してみたら、「ぼくのブランドじゃないんだけど、〈TANAKA〉っていう素敵なブランドがあるんだよね」って教えてもらって。そういうストーリーも含めて、ぼくとしてはすごくいい出合い方をしたと思っているんです。
ーそれをきっかけに、「ウィズム」で〈TANAKA〉の取り扱いが始まったわけですよね。
堀家:そうですね。ブランドのホームページからメールを送ったら、すぐ返信をもらって。その次の展示会に伺わせてもらったところがスタートです。
タナカ:当時はコロナが激しかった時期だったので、私は日本に帰国したけど、横浜のホテルで隔離されていて、堀家さんには会えなかったんですよ。
堀家:そうそう。代わりにクボシタさんが会場に凛と立っていて、「ウィズム、知ってますよ」みたいに言ってもらったのを覚えてます(笑) 。
クボシタ:それが東京でやっていた22AWの展示会のときでしたね。
ー先シーズン、「ウィズム」は〈TANAKA〉に別注してデニムを制作していましたが、堀家さんの中でははじめから、なにか一緒にものづくりすることを目論んでいたんですか?
堀家:初めて展示会に行ったとき、ブランドの美意識みたいなものをすごく感じて。素直に言うと、最初から2人には「ウィズム」のためにスペシャルなものをつくってもらいたいっていう気持ちはありました。ただ、当時はまだ〈TANAKA〉がメンズのお店で本格展開していないこともあって、まずはインラインをしっかり販売するところからだなと。そこから先シーズンは別注をやらせてもらって、段階的に今回の取り組みに至ったっていう感じですね。
ー〈TANAKA〉といえばデニムですが、今回つくったのはチノパンです。これにはどういうきっかけがあったんですか?
堀家:廃れなくて、いつ何時、誰が穿いてもかっこいいものをつくりたいっていう想いが根本にあったんです。ただ、デニムはインラインで十分だし、なにをつくるかすごく迷いました。最終的に、普段自分は手に取らないけど、タナカさんとクボシタさんがつくるものだったら穿いてみたいと思って、それでチノパンに。
ーたしかに堀家さんにチノパンのイメージはあまりないですね。
堀家:ぼくの世代だと、『若者のすべて』のキムタク(木村拓哉)とか、『愛していると言ってくれ』のトヨエツ(豊川悦司)とか、チノパンをかっこよく穿きこなすアイコンがいたんです。ぼくは勝手にその幻想と戦っていたせいで、普遍的なものなのにどうしても手に取れなくて。
だから、今回チノパンをつくるにあたって、キムタク、トヨエツをキーワードとして伝えさせてもらいました。
ータナカさんは堀家さんからのそんなお題に対して、どう思ったんですか?
タナカ:「キムタクね…」っていう感じでした(笑)。もちろん、私は堀家さんと同世代なので、90年代の香りとか、言わんとしているスタイルはなんとなく分かったんですけど。そのイメージと、私が想像するプロダクト像がちょっと違っていたので。だから正直言うと、あまり堀家さんのリクエスト通りにはつくってないんですよね(笑)。
堀家:でも、それでちゃんといいものになったから、これがめちゃくちゃ笑い話として話せるっていう(笑)。