ラフであっても、品よくいたい。
ー今日はダークなトーンから明るい色まで、いろいろ着ていただいていますが、普段はどんな色の服が多いですか?
芝:白が多いですかね。年をとってから特に、黒よりも明るい色を選ぶようになってきたかもしれないです。それと俺、子供のときから白いパンツを穿く子だったんですよ。
ー珍しいですね。汚れてしまうから、黒っぽい色を穿く子が多い気がしますが。
芝:母ちゃんが選ぶのが白だったんですよ。
ーお母様も、服がお好きだったんですか?
芝:だと思います。あと、母ちゃんだけじゃなく親父も服が好きで。東京に住んでいたこともあるんですけど、そこから家業を継ぐっていうんで田舎に帰ってきたときはロン毛にロングコートだったみたいで。町がちょっとザワついたらしいっす(笑)。
ーご両親の影響は受けていそうですね。
芝:親父が「品と家柄は金じゃ買えない」みたいなことをずっと言う人だったんですよ。子供のときは煩わしかったですけどね、いまはなんかわかる気がするというか。
ーいまも服を選ぶときに「品」を気にしてるってことですかね?
芝:あるかもしれないですね。ラクでも、だらしなくは見えないようにとか。〈ニコアンド〉の服も、まさにそんな感じですよね。着心地がいいのに品もあるし、丈だったりサイズ感も好きな感じです。俺、どうしてもヨレヨレに見えちゃいがちな体系なんで、ありがたいですよ。あと、スラックスをめちゃくちゃ持っていて、それもそんな理由からで。
ー品と着心地、どちらも兼ね備えていると。
芝:そうっすね。それに大人っぽいじゃないですか。俺、昔から大人への憧れも強くて。
ーなるほど。
芝:昔から、早く年を取りたいタイプだったんです。去年40歳になったんですけど、周りの先輩方は「40歳になるときは精神的に食らったね」みたいに言ってたんです。だけど、俺は全然それがなくて。言ってることだったり見た目も、若いときから変わらないんで、昔は身の丈に合ってないようなこと言ってたりしたんです。
ーそれがいま、追いついてきたわけですね。
芝:そんな感じはしますね。だから、お笑いをはじめた最初の頃は全然ウケなかったのが、30ぐらいになってきてから、だんだんウケ出してきて。だから服も、昔より似合いはじめてきたのかな、という感じです。