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音も見た目もいい、タグチのスピーカーがあるところ。
Available at BEAMS RECORDS

音も見た目もいい、タグチのスピーカーがあるところ。

1981年創業の老舗スピーカーメーカーが始めたコンシューマ向けブランド〈タグチ(Taguchi)〉。根幹をなすプロオーディオ用スピーカーで培った音質のよさはもちろんのこと、空間にフィットするそのデザイン性も玄人受けしています。つい先日までポップアップを開催していた「ビームス レコーズ(BEAMS RECODS)」を軸に、〈タグチ〉のスピーカーを使用している3つの店舗から、そのよさを探ってきました。

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体験としての銭湯。

ピーク時は東京に2700軒あったらしいけれど、現在では400軒近くまで減ってしまったと言われる銭湯。風呂なし物件の減少から利用者が減ったことが理由のようで、現在は新たな銭湯をつくることは禁止され、現存の浴場のみでの営業となっています。

日本で2番目に面積が小さい市として知られる狛江市で1955年に創業した「狛江湯」は、2023年4月にリニューアルし、インフラとしての役割を終えた銭湯に体験という新たな価値を加えました。

リニューアルを手掛けたのは、長坂 常さん率いる「スキーマ建築計画」。あえて躯体を覗かせた内装は昔ながらの銭湯とは大きく異なり、カフェバーとしての機能も持つ受付カウンターにクラフトビールのサーバーが置いてあるなど、スタイリッシュなモダン銭湯と言える仕上がりです。

その印象を高めているのが、ペンキ絵を入れずに採用した爽やかなグリーンのタイル。これは緑豊かな狛江市にかけてオーダーしたオリジナルで、緻密に計算された3サイズを組み合わせ、タイル割りせずに目地のみで仕上げられています。ロッカーにも使われている一見ビット文字に見えるフォントは、グラフィックデザイナーの長嶋りかこさんが手掛けていて、タイルの目地のみで文字を表現したのだとか。

ベンチには「石巻工房」を使用するなどこだわりが詰まった「狛江湯」ですが、湯船も負けずにいいのです。42℃のあつ湯とジェットバス、38度の炭酸泉、15度の水風呂の4種の湯船に狛江の天然水を使用していて心地よく入れます。42℃と38℃という温度設定が絶妙で、ここの行き来や水風呂との温冷浴でも満足感がありますが、時間に余裕があれば入ってもらいたいのがサウナ。

国産ヒノキと麦飯石でできたサウナ室は、「サヴォー(SAWO)」社のストーブが置かれ87℃あたりの設定。20分おきにオートロウリュが行われる室内でしっかりと汗をかいたら、水温計よりもひんやり感じる水風呂で熱を取り、天井からそよ風が送られてくる内気浴スペースのととのい椅子へ。どれもが街の銭湯クオリティからは頭ひとつ越えた、細かな配慮を感じられます。

「スキーマ建築計画」が細部までこだわり、店内をグレー、グリーン、ブラウンの3色のみで構成しているというこの銭湯に設置されている〈タグチ〉のスピーカーは2種4機。どうしても入れたかったというスケートボードの廃材から家具などをつくる〈コア(core)〉が手掛けたグリーンの「LIGHT」を受付のカウンター上部に。もうひとつは壁の色に合わせたグレーのスピーカーを男湯と女湯で別れる位置にあります。お邪魔した時は、フィッシュマンズやカネコアヤノなどの歌を楽しめる日本語ロックが心地よく鳴っていました。

目指した通り、ここは毎日の習慣だけでなく、新鮮な体験をしにわざわざ行ってみたくなると思える場所。ただ湯船に浸かって体を洗うためではなく、建築、クラフトビール、スピーカーからの音楽を通した暮らしの豊かさを味わえるこの銭湯には、お年寄りからいままで来なかった20代のお客さんも多く訪れているよう。頑なに昔ながらのスタイルを貫くのではなく、よさはそのままにいまのムードを取り入れて、次の時代に文化を残す。そんな場所にひと風呂浴びに行ってみてください。

狛江湯

住所:東京都狛江市東和泉1-12-6 長谷川ビル
営業時間:13:00〜23:00
休日:火曜定休
電話 : 03-3489-3881
オフィシャルサイト

INFORMATION

ビームス レコーズ

オフィシャルサイト
Instagram:@beams_records_official

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