FEATURE | TIE UP
エバーラストをまとう人、その強さと美意識。
EVERLASTING BEAUTY & POWER

エバーラストをまとう人、その強さと美意識。

1910年、アメリカはブロンクスで設立された〈エバーラスト(EVERLAST)〉。ボクシング、フィットネスギアにおけるトップを走りながら、現在はライフスタイルウェアとしても世界中から厚い指示を得ています。そんな〈エバーラスト〉が、”強く、美しく”をコンセプトに掲げてリニューアル。このふたつの言葉は、異なる概念のようで、本質的な部分では深く繋がっているようにも思えます。永遠を意味する” EVERLAST”のブランド名が象徴するように、いつの時代もアスリートの向上心や、トレーニーたちの自己研鑽は周囲をインスパイアし、その精神は絶えず受け継がれていくものです。スポーツを通して、日々、自分自身の心と身体と向き合う4名の日常着から、強さと美しさを哲学してみます。

  • Photo_Kazuki Miyamae
  • Text_Shu Nissen
  • Edit_Seiya Kato

STYLE 02_Keiji Kaneko 僕らが求めているのは機能だけではない。

PROFILE

金子恵治

セレクトショップでバイヤーを務めた後に「レショップ」を立ち上げる。2023年には洋品店「ブティック」を外苑前にオープン。
@keijikaneko

ー金子さんはシクロクロス(オフロード自転車競技)の選手として大会にも出られていましたよね。

金子: いちばん熱中していた頃は、ロードバイクで月に1,000kmぐらい走っていましたね。肺気胸を患ってレースからは離れてしまったのですが、最近また徐々に再開し始めました。

ーさまざまなブランドやレーベルの監修も行いながら、キャリアとトレーニングをどうやって両立されていたんですか?

金子: メリハリを大切にしていました。平日の練習は朝の1時間30分以内に収めて、家族や仕事に迷惑のかからない早朝に終わらせたり。むしろ運動することで仕事にもいい影響があったと思います。長時間ダラダラ仕事しているだけでは、飛び抜けた発想ってなかなか出ない気がして。トレーニングで追い込むことで頭がリセットされて、それが心地よかったですね。

ー〈エバーラスト〉にはどんな印象を持っていますか?

金子: やっぱりアメリカらしさを感じるブランドですよね。もともと僕自身はヨーロッパのファッションに影響を受けてきたので、若い頃は通ってこなかった流派でした。でも大人になると変なこだわりが抜けて、アメリカのムードがいますごく面白いです。

ー今日のスタイリングのポイントを教えてください。

金子: UKファッションのモッズやスキンズがやっていた、タイトなシルエットでロゴものを着るスタイルをアメリカに置き換えたイメージです。ヴィンテージの〈リー〉のスリムパンツを合わせたり、どこにでもあるような親しみやすいアイテムでまとめました。

ーファッション好きならではのスポーツブランドへのアプローチですね。

金子: 僕自身、トレーニングする時もあえてコットンのTシャツを着て、汗でびちょびちょになるのがいいってタイプなんです。映画の『ロッキー』でも、シルヴェスター・スタローンがスエットを着て〈コンバース〉で走ってて、汗が染みちゃってるみたいな。そういう姿にかっこよさを感じるんですよね。あれが普通に化学繊維のジャージを着ていたら、あまり記憶に残ってないと思うんです。

ー確かに、あの姿はアイコニックですよね。

金子: 快適さを求めるかスタイルを求めるかの違いだと思うんです。僕らが求めているのは機能だけじゃないし、多少不便でもかっこよさって大事にしたいんですよね。古い車が好きとか古いジーンズが好きとか、そういう感覚に近いのかもしれません。そういった意味で、〈エバーラスト〉の洋服は、アクティブとライフスタイルのバランスが絶妙に取れているように思いました。

ーブランドのテーマ、”強さ”と”美しさ”とは、ご自身にとってどんなものですか?

金子: トレーニングで得られるのって、表面的な力の強さや身体の美しさだけじゃなくて、それ以上の価値あるものだと思うんですよね。疲れを見せない精神的な強さがあって、いつでも凛としてられる姿は美しくもあるだろうし。シンプルな洋服を着ていても、そういう魅力は佇まいに滲み出ててくると思います。

INFORMATION