世田谷のどこかにある、アポイント制のショップ。
ラッパー、タトゥーアーティスト、植木職人として活動するTETTAさんと、理容師の群立さん、古着屋「Downtwin」オーナーの幸村さん。この20代半ばの3人で構成されるのが、今回の主役「LO-vacation」です。
自身のイラストをシルクスクリーンプリントでウエアに落とし込んでいたTETTAさんと群立さんの2人が8年前に出会い結成。その後、古着屋を立ち上げようとしていた幸村さんが加わり、いまのメンバーに。2022年には古着屋「Downtwin」とタトゥースタジオが一緒になったスペースを世田谷区某所にオープンしました。
そんな「LO-vacation」の拠点は、世田谷区内のとある駅から歩いて5分ほど。マンションの一室にひっそりと看板を掲げます。ここは住所非公開でアポイント制。気軽に立ち寄れないショップでありながらSNSや口コミで噂が拡散した、知る人ぞ知る隠れ家です。エントランスを入るとソファーとテーブルが設置されたリラックスできる空間が広がり、その奥の部屋にタトゥースタジオと「Downtwin」がそれぞれ構えます。
「Downtwin」は、アウトドアブランドの古着を中心に、定番モデルから一風変わったデザインまでをラインナップ。決して広くはないスペースですが、所狭しとアイテムが並び、見応えのある品揃えです。
幸村: オープン当初と比べると取り扱うアイテムが少しずつ変わってきて、いまはギミックが効いていたりテクニカルなものだったり、そういったアイテムがメインになっています。アポイント制だから気軽に来づらいと思いますけど、来てもらえたら精一杯のおもてなしをしたいですね。
TETTAさんは、ヒップホップクルー「8mileAliens」に所属し、MCやバックDJ、デザイナーとしても活動中。そんなTETTAさんが手がけるタトゥーは、ゆるいデザインが魅力。それを求めて足を運ぶひとが多いなか、自身のタトゥーにこんな思いを込めています。
TETTA: プライベートな空間なので、お客さんから恋愛や友人関係の相談を受けることが多いんです。それについて話していると、来たときよりもいい顔して帰ってもらえるんですよね。でも、しばらくするとそれを忘れちゃうから、タトゥーを見て、前向きに話していたことを思い出してもらえたらいいなって思っていて。古着屋と併設しているから、タトゥーが目的じゃなくても遊びに来てもらいたいですね。
10代のころからシルクスクリーンプリントでウエアを製作していたTETTAさんと群立さんの手によって、「LO-vacation」のオリジナルウエアもここでつくられています。来年には、名の知れたセレクトショップでの展開も予定しているんだとか。
そして、3人は毎週必ず集まり、ポッドキャスト番組『LO-vacation Radio』を収録するのも日々のルーティーンのひとつ。大人のための教養番組と称し、毎週月曜に配信しています。
群立: 世間ではあまり話せないことも話しているので広告がつかないんですよね。でも、「LO-vacation」としてつくっているものがかっこよければ、それでいいかなって思っています。