PROFILE
1987年生まれ、熊本県出身。2005年にテレビドラマ「ごくせん」で俳優としてのキャリアをスタートさせ、2006年に『ハリヨの夏』で映画デビュー。2013年には主演を務めた映画『横道世之介』で、第56回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞した。その後もさまざまな映画やドラマに出演し、2024年には芸能活動20周年を迎えた。

〈ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉65/35ベイヘッドクロス素材のマウンテンパーカ ¥49,500(ナナミカ マウンテン)、〈グッドイナフ〉ユーズドのプルオーバーパーカ ¥22,000、〈ダブルタップス × リーコン〉ユーズドのカーゴパンツ ¥35,200(ともにBlue room)、その他スタイリスト私物



















東京にいても、探そうと思えば自然はある。
都会にはビルやコンクリートの印象があるけれど、意識して目を向けてみると、道端に咲く花木や公園、ビル風など、実はそこかしこに自然があることに気づきます。そんな“都会の中の自然”は、〈ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉の街に溶け込むアウトドアウェアと通じるものがあります。
その中でも、ブランド誕生から続く定番アイテムが、マウンテンパーカ。生地には、リサイクルポリエステルとオーガニックコットンを65対35で混紡し、高密度に織りあげた「65/35ベイヘッドクロス」を採用しています。丈夫で機能的、でも肌触りがコットンライクなのはこの生地によるところ。そして、ポケットを4つも備えているから、散歩するときでもかばんいらずです。
そんなブランドの顔とも言える服とともに、高良健吾さんが二子玉川へ。〈ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉が大事にする“都会の中の自然を記録する”というキーワードに紐付けて、高良さんにも二子玉川の風景とそこにある自然を写真に記録してもらいました。
ー今日は二子玉川の河川敷で自転車に乗りながらの撮影でしたが、いかがでしたか?
高良: 普段、純粋に好きで自転車に乗っているんですけど、それがそのまま仕事になったような感じで、ご褒美みたいな撮影でした。スタッフの皆さんと一緒に自転車に乗って、これがグループライドかと(笑)。
ー普段からこの河川敷に自転車でよく来られるそうですね。
高良: 二子玉は自然も川も近くにあって、建物も低いので景色も開けているし、気分転換したいときに来る場所ですね。舗装された道もあれば、攻めれそうなジャリ道もあったり、いろいろな道があるのも面白いんです。
ーいつもどれぐらいの距離を走るんですか?
高良: ぼくのなかでは調布側と羽田側っていう2つのルートがあって。どっちに行くにしても、往復で30〜40kmぐらいですね。夕日を見たいときは太陽が落ちていく調布側に走るんです。そういうときは大体、エモい気持ちになりたいときですね(笑)。朝とか日中だったら羽田側。羽田の方までいけば海もあって、全然景色も違いますし。
ー都心に比べると、自然もたくさんありますよね。
高良: 東京にいても、探そうと思えば意外と自然ってあると思うんです。例えば、公園だったり。ただ、二子玉は河川敷が長いのでずっと緑があるので、都会とかコンクリートから離れたいときは二子玉を自転車で走ってます。
ー高良さんの中で自転車に乗ることは、息抜きやリラックスの意味合いの方が強いんですね。
高良: ぼくのなかでは瞑走って言ってて。なぜかというと、自転車に乗ることはすごく単純なんです。複雑な動きはないし、ただペダルを漕ぐだけ。ひとがいたり、車も走っているから、余計なことを考えずに走ることに集中するじゃないですか。そういう意味で瞑走なんですよ。
ーかなりの自転車好きということですが、高校生の頃からBMXに乗っていたと伺いました。
高良: BMXで通学するのがおしゃれだと思って、高一から乗ってましたね。その頃から自分の中で自転車は完全にファッションでした。競技とかスポーツではなく。だから、なんのトリックもできません(笑)。
ー高良さんはストリートブランドを着られているイメージがありますが、BMXを選ぶということは当時からファッションの好みもそうした系統だったのでしょうか?
高良: そうですね。ファッションの入り口は〈ステューシー〉〈エクストララージ〉でした。その後、雑誌の「CHOKiCHOKi」を見て変わった格好をしてみたり、上京してからハイブランドを着ていた時期もありましたが、やっぱり一貫して好きなのはストリートの服ですね。
ーそれはなにかの影響があったりするんですか?
高良: というより、自分に似合うからですね。シルエットも好きだし、自分の遊び方に一番合うんです。あとはやっぱりラクですよね。ストリートの服ってシワとか細かいことが気にならないし、むしろ着倒して汚れているぐらいのほうがかっこいいじゃないですか。
ー今回着ていただいたマウンテンパーカと通じる部分がありそうですね。
高良: マウンパはやっぱり最高です。いまでも〈ザ・ノース・フェイス〉のものは2着ぐらい持ってますよ。ストリートが好きなひとはみんな、一度は通るブランドじゃないですか。それこそ、〈ザ・ノース・フェイス〉の服は長く着続けて、ちゃんとそのひとの歴史を感じるようなものになった方がかっこいいと思います。
ーでは、〈ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉のマウンテンパーカはいかがでしたか?
高良: このいなたい感じ、やっぱり好きですね。〈ザ・ノース・フェイス〉と比べるものでもないとは思うんですけど、着たときの気分が少し違いますね。普遍的でクラシックなデザインなのに、パープルのマウンテンパーカにはどこか品がありますね。
ー今日はそんなマウンテンパーカにストリートブランドを合わせたコーディネートでした。
高良: 普段の自分のスタイルもこういう感じで、とくに〈ダブルタップス〉と〈リーコン〉のパンツは懐かしくて最高でした。裏原はファッションを好きになったきっかけのひとつなので、いまでもこういうアイテムはたまらないですね。
ー撮影中、街の風景や自然を写真として記録していただきました。普段写真を撮ることはありますか?
高良: 携帯とかでも全く写真を撮らないんですよ。周りのひとが「この写真いいね」って話しているのを聞いたりするんですけど、そういう良し悪しもあんまり分からなくて…。
ーそうなんですね。高良さんには映画『横道世之介』のイメージがあるので、勝手ながらカメラをお持ちだったりするのかなと思ってました。
高良: 『横道世之介』の最後の方に赤ちゃんを撮るシーンがあるんですけど、フォーカスを合わせた後に近づいて撮ってるんです。普通は撮りたい場所でフォーカスを合わせてシャッターを押すじゃないですか。あの映画は世之介がカメラを持ち始めたところで終わるので、監督の沖田さんはおれがそれを狙ってやったと思って褒めてくれたんです。でも、なんのことを言ってるかさっぱりで(笑)。それぐらいカメラのことは分からないんですよ。
ー素敵な裏話、ありがとうございます。2024年に俳優人生20年目を迎えられて、半年間お芝居をお休みされていましたが、その期間はどういう風に過ごされていたんですか?
高良: ずっと自転車乗ってましたね(笑)。ほんとに仕事のことなんて考えてなかったし、映画も本も両手で収まるぐらいしか見てなくて。最高の休みでした。
ー俳優という仕事から距離を置いてみて、なにか変化はありましたか?
高良: 20年間、自分なりのこだわりを持って俳優をやってきたし、なにをするにしてもひとからどう見られるか、どう思われるのかを意識していたんです。だから、誰かに求められても、「俺らしくない」「俺じゃない」って抗うこともあって。そういうこだわりやエゴみたいなものは必要なんですけど、休む前はそれがどんどん大きくなって暴れてたんです。
ただ、休んで、結婚して、子宝に恵まれて、仕事を再開をする。なにかに抗うわけでもなく自然な流れに身を任せてみたら、「それでいいじゃん」って思ったんです。来る波にとりあえず乗ってみて、なにをやったっていいし、ひとからどう思われてもいい。それで自分が持ち続けてきたこだわりがなくなるわけじゃないし、そういうことに気付けた半年でした。だから、これからの仕事への向き合い方が変わる気がしています。