PROFILE
1997年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。大学在学時に結成した8人組・ダウ90000主宰。演劇やコントで作・演出・出演まで担当し、近年はドラマや映画の脚本も手掛けている。JFN系列のラジオ番組「Audee CONNECT」で水曜日レギュラーパーソナリティも担当。
PROFILE
1996年生まれ、東京都出身。作家。2022年に自費出版したエッセイ集『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』で作家デビュー。2023年9月には初の商業出版書『これが生活なのかしらん』(大和書房)を、翌年12月には17編を新たに書き下ろした全40編からなる商業版『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』(実業之日本社)を上梓した。
本人よりも作品が先。
ー今回は視点がテーマの企画です。お二人とも以前よく来られていたという公園で、「instax mini 99™」を使って写真を撮影いただきながら、視点についてお話を伺います。普段から写真は撮りますか?
蓮見: iPhoneで撮りますね。でも、自分よりも周りのメンバーがたくさん撮ってくれてるんです。ネタを書くときに、何か面白いことあったかな?とカメラロールを見返すことがよくあるんで、本当は自分でももっと撮りたいんですけどね。

使ってもらう「instax mini 99™」は、instax™“チェキ”シリーズのアナログインスタントカメラの最上位モデル。
ーどんなときに写真を撮ることが多いですか?
蓮見: 特に「面白くなりそうだから撮る」という意識はないですね。単純に、その日のできごとを思い出すために撮ることが多いです。あとは、おいしかったごはんを記録するくらいかな。
小原: 私はフィルムカメラとデジカメを1台ずつ持っていますが、一番よく使うのは結局iPhoneですね。撮るのはほとんどごはんの写真です(笑)。あとは、ちょっと恥ずかしいんですが、綺麗な空を撮ることもあります。
蓮見: (笑)。別にいいんじゃない?
小原: 誰にもバレたくないんですけど、こっそり撮って、いい天気だったなと思い返したりします。フィルムカメラに関しては、年に1回くらいの頻度でフィルムカメラへの憧れが湧いてきて、フィルムを買って少しずつ撮って、ある程度溜まったら現像する感じです。(唐突に)「写真は好きです」。
ーそんなに気を遣ってコメントいただかなくても大丈夫ですよ(笑)。では、お二人の出会いについて教えてください。
蓮見: もともと、ぼくが本を何冊かまとめて買ったときに、『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』(小原さんの著書)が紛れていたんです。ただ、買ったまま読まずに積んでいて、引越しのタイミングで読んでみたら、「うわ、すごい! 面白い」と思って、一気に最後まで読みました。それで、自分のラジオや佐久間(宣行)さんのYouTubeで話したんです。そしたら、小原さんがそれを聴いてくれていて、その流れで「初めまして」という感じになりました。
小原: 『ここで唐揚げ弁当を食べないでください 』は、最初は自費出版で、発行部数が5,000~6,000部くらいだったんです。それが、「あの蓮見翔が…」で、一気に1万部を超えました。
蓮見: いや、それは完全に佐久間さんの影響ですね(笑)。佐久間さんのファンの方が買ってくれたおかげです。でも、本屋さんのポップに自分の名前が載っているのを初めて見て、すごく嬉しかったですけどね。


カメラ本体はハンマートーン塗装によるマット感のあるレザー調で、クラシックなデザイン。肩にかけて持ち運びたくなる。
ーそのとき、ダウ90000のことはご存じでしたか?
小原: はい。『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の単行本の担当編集さんが、ダウ90000の大ファンだったんです。その編集さんとお笑いの話になって、「ダウ90000って知ってますか?」と聞かれたんですが、そのときは名前だけ聞いたことがある程度でした。それで動画を見せてもらって、「面白い!」ってなってたんです。そのタイミングでラジオで蓮見さんが話してくれて、「蓮見さんが言ってますよ!」と編集さんから教えてもらって、びっくりしました。
ーご本人を目の前にして言いづらい部分もあると思うんですけど、あらためてお互いについてどう見ているのか教えていただければと。
蓮見: こんなに地に足がついているひとって、なかなかいないんじゃないかと思うんです。しかも、そのうえでゆっくり歩いている印象があります。「誰もそんなこと思ってないよ」みたいなことを書かないんですよね。それってすごく大事なことで、ひとつでもズレたことを書いてしまうと、「いままで共感していたのに、急に別の視点から語り出した?」と読者が違和感を覚えてしまうこともあると思うんです。だから、書き続けるのは難しくて、リスキーなことだけど、それを間違えない。才能という言葉で片付けるのは簡単なんですが、それだけじゃなくて…。なんというか、人生とか生活を「きちんと上手に生きているひと」というイメージですね。
小原: ダウ90000の作品は、ディテールの積み重ねででき上がっているところが好きですね。細かい部分を飛ばさず、そこに重点を置いているのが特に魅力的だし、ディテールが物語を動かしているというか。「こういうキャラクターにしよう」と最初に決めるのではなく、何気なく引っかかったディテールから物語が始まって、それに執着していく感じがすごくいいなと。あとは純粋に、すごく面白いです。
蓮見: たしかにそれはありますね。映画学科の授業では、すべての設定を順序通り書かされてたんですけど、卒業して好きに書くようになってから、ディテールが先にあって、一番細かいところから広げていくようになったなと。ネタ帳のメモがすべてそこなので。
ー小原さんもネタ帳でメモを取ったりされてますか?
小原: ネタ帳ないです。
蓮見: あ、ないんだ。
小原: 短い言葉はあるんですけど、できごとを積極的にメモする方ではないんです。どちらかと言うと、忘れたあとに残っているものが好きだったりします。細かいところの方が記憶に残るタイプで、別れ際に朝日でメガネのフチが光っていたなとか。別れ際の一言は覚えてなかったりするんですけど。
蓮見: 話聞いてないんだよ(笑)。



カメラ側面には、「instax mini 99™」の特長的な機能を操作する2つのダイヤルがある。ひとつめの機能は、カメラ内部に搭載している4つのLEDで、フィルムに直接光を照射することで6種類の色表現ができる「カラーエフェクトコントロール」。もうひとつは、5段階で明るさを調整できる「濃淡調整」で、どちらのダイヤル操作もクリック感が心地いい。