描く絵は、食事を選ぶように自然に変わる。

―Leeさんといえば、「ピルグリム サーフ+サプライ(Pirglim Surf + Supply)」のウインドウのイメージが個人的には強くて。
Lee: ありがとうございます。オープン当時から描かせてもらっているので、かれこれ10年くらいになりますね。シーズンの切り替わりごとなので、年4回くらいはここに来て、作業しています。思い入れのある場所のウィンドウに、いまだに描かせてもらえることがとてもうれしい。
―鮮やかな植物を描かれている印象も強いです。
Lee: お仕事で描くときは、たしかに多いかもしれないです。でも、プライベートでは最近、食べ物を描くことが多いかも。こんなのとか。

―たしかに、勝手に抱いてたLeeさんのイメージとは異なります。
Lee: これは北海道に戻ってから描いたものなんですけど、雪景色に近い色が増えてきた感覚はありますね。まだ3ヶ月くらいしか経っていなくてここまで変化してきたから、この先どうなるか、楽しみのひとつです。
―環境で作風が変わるというのはおもしろいですよね。
Lee: 絵を描くことは、多くの人にとっては特別なことかもしれないけど、私にとっては日常のこと。みなさんも「ご飯何食べよう?」となったら「今日は寒いから鍋にしよう」となるじゃないですか。気温とか場所で食べ物が変わるくらい、場所によって描く絵が変わることは自然なんです。
―ちなみに、今回「ピルグリム サーフ+サプライ」のウインドウにはどのような絵を?



Lee: シーズンのテーマに沿ったものを毎回描いているんですけど、説明するとかなり長くなっちゃうんで割愛します(笑)。ただ、シーズンカラーは決まっていて、それに沿って描いていく感じです。いつも1時間ぐらいで描き上げてます。
―「想像力や発想力は移動距離に比例する」とも一部では言われています。Leeさんが移動する理由も、そうした点にあるんでしょうか?
Lee: 単純に見たものを描いたりすることが多いので意識はしていないですけど、もしかすると関係あるかもしれないですね。先ほども話したように旅は好きで、昨年も国内と、国外だとスイス、ドイツ、デンマーク、パリ、ロサンゼルス、ベトナムなどいろいろ行きました。移動距離は相当だったと思います。比例してくれていたらうれしいですね(笑)。
―今年も旅の計画はありますか?
Lee: 計画的に動けるタイプではなくて、思い立ったらパッと行くとか、お仕事のお話をいただいたりしてから決めるタイプです。だから何日滞在するとかも、事前に細かいルールは決めないことが多いんです。事前に決めてしまうとタスクになっちゃうので、そうなると私の性格上向いていないと思っていて。ただ今年も〈ブロンプトン〉と一緒に、どこかへ行きたいです。ハードルは高いですけど、海外とかに持っていけたら最高だなって。
―本日はお忙しいなか、ありがとうございました。それでは最後に今後の活動予定も教えてください。
Lee: まだ詳細はお伝えできないんですけど、個展の予定はありますので、ぜひ多くの人に足を運んでいただけるとうれしいです。
〈ブロンプトン〉は、3月29日(土)に東京・神宮前に旗艦店をオープンするそう。オープン後は、アーティストによる作品の展示や、グループライドも行う予定。店内の建築家・吉田愛さん、谷尻誠さんが手がける内装も見どころです。生活を彩ってくれる、お気に入りの一台が必ず見つかります。