長年かけて築き上げた関係と、実感する変化。
ー大阪と東京では、客層なども異なるように感じますが、その点はいかがですか?
加藤: ここは関西だけでなく、名古屋からも近いですし、四国や中国地方からもよくお客様がいらっしゃいます。年齢も幅広いです。また、大阪はもともと「ネペンテス」を取り扱う店舗が多いので、そうしたところで知っていただいて、こちらに来店してくれる方も多いですね。
ZIPPED WORK HOODY ¥64,900
15周年を記念して作られた〈REBUILD by
NEEDLES〉のフーディー。以下に続くアイテムも同様なのだが、すべてユーズドのデニムを再構築し、パープルとピンクのハンドペイント、後染め、ブリーチと多くの工数を経て作られている逸品。
H.D. PANT – PAINTER ¥44,000、Strap Back Cap ¥16,500
〈ニードルズ〉のロングセラーアイテム「H.D. PANT」と初となるキャップも15周年を記念し〈REBUILD by NEEDLES〉から登場。ニュアンスはすべて異なり、ひとつとして同じものはない。
ー15年前も、「ネペンテス」を扱う店は大阪に多くあったように思います。その中で難しさを感じることはあったのでしょうか?
加藤: 当初はたしかに難しさを感じることがありました。おっしゃる通り、大阪でもいくつも取引先がありますし、それぞれのショップとお客様の結びつきはすごく強いものでした。一方で、「NEPENTHES OSAKA」ではバリエーション豊かなラインナップと、ブランドの世界観を直に感じていただける環境が整っています。スタッフも服に関する知識が豊富で、ブランドへの理解も深い。だからこそ、お互いの強みを活かしながら、一緒に大阪のファッションシーンを盛り上げていきたい。そんな想いを持って取り組んできました。
ー15年前、大阪で「ネペンテス」の知名度や立場は確立されていたのでしょうか?
加藤: オープン当時は東京ほどではなかったように思います。当時〈エンジニアド ガーメンツ〉の人気に火がついたタイミングでそれを目当てに来る方は多かったですが、まだ、「『NEPENTHES OSAKA』で購入したい」というお客様はそれほどいませんでした。地道に積み上げいまに至るという感じですね。

ー「NEPENTHES OSAKA」の魅力を広めていくために行なったことなどがあれば、教えてください。
加藤: お客様とのコミュニケーションを日々丁寧に積み重ねることに尽きるのですが、シーズンが始まる前に商品を見ていただける先行予約会を開催したり、直営店ならではのイベントを定期的に行いました。ほかにも、繋がりのあるブランドさんの力を借りて、ポップアップなども開催しました。一歩ずつではありますが、そうしてお客様との関係性を深めていった結果だと思います。
ー15年も続けていると、いろんな瞬間が訪れたと思います。そのなかで、印象的だった出来事があれば教えてください。
加藤: 「NEPENTHES OSAKA」のオープンから10年が経った2020年2月に「NEPENTHES WOMAN OSAKA」が開店したのですが、ちょうどコロナ禍のタイミングと重なってしまいました。街に人がいなくなり、この先どうなるのだろうと心配したのを憶えています。


「NEPENTHES WOMAN OSAKA」を支える3名のスタッフ。左から蒔田理子さん、店長の富山由貴さん、藤井さくらさん。
DIVIDED JEAN SKIRT ¥37,400
「NEPENTHES WOMAN OSAKA」の5周年を記念して作られた〈REBUILD by NEEDLES〉のスカート。 重量感があり、かつワイドなシルエットは、普段のアウトフィットにメリハリをつけてくれる。
ーそこから月日を重ね、現在は大阪に根付いてきた実感はありますか?
加藤: そうですね。「NEPENTHES WOMAN OSAKA」もですが、ここを目指してやってこられるお客様も増えましたし、〈ロドリリオン〉のお客様も着実に増えてきています。お客様が数珠繋ぎで広がっていってることは、ここ1、2年ですごく実感していますね。それに、いままでは男性のお客様がパートナーを連れてくることが多かったのですが、いまは女性の方がパートナーを連れてきてくれることも多くなりました。
ーステレオタイプな意見かもしれませんが、大阪は派手な方が多いイメージがあります。一方で、「ネペンテス」のアイテムもアクが強いものが多い。その親和性を感じたりするのでしょうか?
加藤: トラックパンツはどこの店舗でも人気ですが「NEPENTHES OSAKA」ではジャカードのものが特に人気です。少し癖のある柄やデザインに興味を持たれるお客様は多いかもしれません。また、私たちからの提案も快く試してくれる方が多い印象です。

大阪を特集した「ネペンテス」発行のバイリンガル雑誌『NEPENTHES In Print』の最新号。ローカルならではの視点で編集したシティガイドや、「ネペンテス」らしいスタイルサンプルなど細部まで見どころ満載。
ー東京は保守的で、大阪はチャレンジ精神があるイメージがあります。
加藤: そうかもしれませんね。シャツなども、プレーンなものよりも、柄物がよく売れますしね。もうひとつ感じるのが、ルールに縛られないということです。ほかの街だとひとつのブランドで全身を固める人が多いですが、大阪はミックスする人がたくさんいらっしゃいます。
ー純粋に服を楽しむ文化が根付いているんですね。
加藤: 独自性を大切にしていて、ほかと同じであることを嫌う人も相対的に多いです。ファッションへの探求心があるとも言い換えられるかもしれません。
T-SHIRT ¥7,150、L/S T-SHIRT ¥8,250、SOCKS ¥2,750、BASEBALL CAP ¥7,700、ONE SHOULDER BAG ¥8,800
中田慎介さんによるブランド 〈Unlikely〉と「ネペンテス」のコラボレーションは全5型。 昨年「NEPENTHES NEW YORK」 でポップアップストアを開催した際に “Nロゴ”
を逆さまにしたアイテムがリリースされたが、その周年記念カラー。「スーベニア」をテーマに作られたアイテムたちは、自分や、大切な人へのお土産としても最適。
NARROW ROPE ¥9,900、ROPE – 6inch ¥6,600、ROPE – 6inch / Leather Mix ¥8,800
“無限のワンオフ” をコンセプトにアクセサリーを生み出すブランド〈B:TOGETHER〉から、スライダーパーツで長さを自在に調節できる「NARROW ROPE」と「ROPE – 6 inch」、「ROPE – 6 inch
/ Leather Mix」を周年記念カラーで別注。「NEPENTHES OSAKA」はブラックと、「NEPENTHES WOMAN OSAKA」はピンクを用意した。