PROFILE
男性誌の編集者を経たのち、ドメスティックブランドのデザイナーやセレクトショップの企画などとして活動。2013年には自身のブランドである〈KAPTAIN SUNSHINE〉を始動。トラディショナルなデザインをベースに、生地や細かなディテールに至るまで、妥協のないこだわりのものづくりを行う。
ブランドで表現したいことをダイレクトに伝えたい。

ーブランド初の旗艦店のオープン、おめでとうございます。いつ頃からお店をつくろうと思っていたんですか?
児島: ありがとうございます。今年で〈キャプテンサンシャイン〉がスタートして12年になるのですが、本当は10周年の節目でオープンしようと準備をしていました。だから3年以上ずっと物件を探していたんです。でもなかなか良い出会いに巡り会えず、結果的にこのタイミングになってしまいました。
ーずっと青山で探していたんですか?
児島: いえ、東東京のほうまで範囲を広げて探していました。だから結構な数の物件を見たんです。条件としては大通りの一本裏というか、賑やかさよりも落ち着いた雰囲気のある場所にお店を開きたかったんです。というのも、お客さまにゆっくりと服を見ていただけるお店にしたかったので。


ー青山の骨董通りは落ち着いた印象がありますが、さらにその一本裏になると人やクルマの交通量も減って、より穏やかなムードが漂っていますね。
児島: それが自分の求めていたものなんです。ゆるやかで優雅な時間が流れる場所がいいなと思っていて、それで隅田川の周りや台東区などのクラシックなエリアなども視野に入れていました。あの辺りは古い建物も多くムードがいい、そして空が抜けている。だから自分の思い描いた世界観もつくりやすいと考えていました。だけど結果的にこの物件と出会えて、ここなら自分の納得のいくお店がつくれそうだなと思ったんです。
ーお店は天井が高く、広々とした空間も特徴ですよね。この広さも条件に含まれていたんですか?


児島: それなりに広いところを探していました。ありがたいことに最近は海外のお客さまも多いんです。だから〈キャプテンサンシャイン〉のフルラインナップを見せたかったし、それによってブランドで表現したいことをダイレクトに伝えたかったんです。
この物件はもともと他のブランドの旗艦店があった場所で、建物も古くてムードがあるし、複雑な構造なんだけど躯体がしっかりしているという利点もある。本当にいい場所に巡り会えましたね。
