Case02_濱本愛弓さん 綺麗に使いすぎるよりもラフに使いたい。

PROFILE
大阪の美容学校を卒業後、アパレルスタッフとして勤務。スタイリストを志して上京し、スタイリストアシスタントを経て、2018年に独立。現在モード誌をメインフィールドに幅広く活躍中。 Instagram:@ayumi6316

DRUCKER ¥132,000
ーどんな視点で服や小物を選ばれているのか、お伺いできればと。濱本さんはモード系のスタイリングが得意な印象がありますが、ご自身もそういうスタイルがお好きですか?
そうですね、モードな服も結構着ますし、ドレスなどピタッとした服も着ます。でもこのバッグにはデニムのほうが合うと思い、今日はカジュアルなスタイルにしました。
ー自身にとっての定番アイテムは、どう選んでいますか?
昔から憧れているブランドのアイテムを少しずつ集めています。例えば、〈サンローラン〉のスモーキングジャケットや〈シャネル〉のスーツとか。中でも歴史あるブランドや、女性の服装をガラリと変えたブランドにすごく魅力を感じますね。そういう定番ものは、自分も「やっぱりいいものだな」と思うことが多いです。

ーレザーアイテムを取り入れるポイントはありますか?
レザーはカチッとした印象がありますが、あえてラフなアイテムと合わせるのが好きです。たとえば、今日のようなグレーのニットやレースのアイテムと組み合わせると、レザーがスタイルを締めてくれてバランスが取れます。意外と甘めのスタイルとも相性がいいので、女性でも取り入れやすいんです。

ーこのバッグは耐久性を重視していて、長く使えるようにつくられています。特に角の部分を強化していて、使うほどに表情の変化を楽しめるし、端を折り曲げるこの表情も面白いですよね。
そういうこだわり、いいですよね。私はジャケットなどもそうですが、いいアイテムを大切にしながらも、生活の中で使い込んで味を出していくのを楽しみます。綺麗に使いすぎるよりもラフに使いたい。このバッグはそういう扱いができるバッグだと感じます。かっちりしたデザインなので、洗練された印象を与えてくれるのがいいなと。

ー服は大したことなくても、靴やバッグをちゃんとしたものにするといい、という説もありますが、どう思いますか?
そうですね。でもそれはやっぱり若いうちの考えかなと思います。長年いろいろな服に袖を通してきた経験からすると、何十万もするようなジャケットを、がんばって買う。で、着てみると、やはりその価値を感じます。それに仕事柄、このアイテムひとつつくるのに、デザイナーがどれだけ時間をかけているかを知っているのでリスペクトせざるを得ないんです。スタイリストは、自分ではつくれなくて、あるものから選ぶという仕事なので、つくることにこだわりがある方々は、かっこいいなと思います。
ーそうした経験から、質の高いものに対してはちゃんとお金をペイするという認識なんですね。
そうですね。年齢を重ねるにつれ、しっかりと価値のある、良質なものを選びたいという思いはより強くなりました。

