お金は天下に回さない。
ジェリーさんの八ヶ岳の家には、彼のものづくりに対する価値観が隅々まで反映されています。電化製品は必要最低限にとどめ、デザインや見た目を大切にする彼らしく、空間は厳選されたアイテムで彩られています。

〈コロンビア〉スエットシャツ ¥7,700、シューズ ¥13,970(コロンビアスポーツウェアジャパン)、その他本人私物
そんな彼のモノ選びで特に印象的なのが「お金は天下に回さない」という哲学です。
「ヴィンテージのイームズやコルビジエの家具に50万円払ったとしても、そのお金って誰のお金になるのか、よくわからないじゃない。この家にはブリ(〈モビリティワークス(MOBLEY WORKS)〉主宰の鰤岡さん)につくってもらった家具がたくさんあるんだけど、彼に50万円出せば、それは全部、ブリのお金になる。だから、お金は天下に回さないの」
この言葉は、公私ともに親交があり〈ウルトラヘビー(ULTRA HEAVY)〉で一緒に活動していた故・石川顕さんから受け継いだもの。「天下に回さず、なるべく自分の周りにお金を回した方が、みんながハッピーになる」という考え方が、ジェリーさんの消費行動の基盤になっています。
だからこそ、家具なら現役作家のものを選び、身につけるものなら関係性のあるひとやブランドのものを選ぶというこだわりがあるのです。


〈コロンビア〉も例外ではなく、ジェリーさんとは長い付き合いのあるブランド。イラストの提供をしていたり、釣り好きでもあるから〈コロンビア PFG〉のフィッシングベストも愛用しています。また、アウトドアに目覚めた約15年前、最初に購入したシューズは〈コロンビア〉傘下にあった〈モントレイル(Montrail)〉の一足でした。
「当時は、網上げの重い靴を履かないと登山はダメですよ、という人が多くてね。スニーカーで行ったら『山をなめるな』と怒られることもあったから。でも、一部のハイカーに定評があった寺澤さんのブログ『山より道具』の中でトレランシューズで登山してもいいという記事に出会って、それで買ったのが〈モントレイル〉の靴だったんですよ」 」

いま彼が履いているのは、そんな〈コロンビア モントレイル〉(2017年にブランド名変更)のDNAがソールに組み込まれた、〈コロンビア〉の「スライブ リバイブ シャンダル」。トレランシューズ用に開発されたモコモコとした独特のミッドソールは、〈コロンビア〉史上最高峰のクッショニングを実現し、一日中履いていても疲れ知らず。もちろん、今日のようにリラックスした時間にもしっくりきます。
家の周辺は傾斜がきつく、その登り降りをすることも多いし、庭で薪を準備したりもするそう。そんなときにもグリップの効く「シャンダル」は、ジェリーさんの生活を支える大事なツールのひとつとなるのです。