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HYNM FOOTBALL JOURNAL フイナムのフットボール連載企画。

2014.06.19

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「NIKE F.C.」に思いを馳せて。 文:小田明志
音楽好きが初めて買ったCDやレコードを忘れないように、サッカーファンも最初に買ったシューズを決して忘れない。
僕にとって初めてのサッカーシューズ。それがナイキのティエンポだった。
小学校に入学していくらかたった、2000年ころだったと思う。
自由が丘駅南口から徒歩30秒のスポーツ用品店「バギオスポーツ」。
そのシューズ売り場の一角に設けられた、ジュニア向けシューズコーナーで母と一緒に選んだのがティエンポのトレーニングシューズだった。
それからというもの、登下校の時も練習中も、そして夏休み中の旅行の時でさえ、足下はティエンポだった。これまで履いてきた靴で一番かっこう良く見えたし、なにより休み時間も放課後もサッカー漬けだったから、それが一番自然な選択だったのだ。2002年の日韓ワールドカップは僕のサッカー熱にさらなる拍車をかけ、足が大きくなってシューズを買い替えるころには、ソールはすっかり削れてツルツルになった。そんな思い出が関係してかは覚えていないが、小学校の卒業文集には将来サッカーシューズの開発に関わりたいと書いてある。
中学にあがってスパイクを履くようになると、練習以外ではサッカーシューズを履かなくなった。スパイクで街を歩くわけにはいかないし、なによりそれが、おしゃれに気を遣いはじめる時期ともちょうど重なったからだ。その後、高校でサッカーをやめて雑誌の制作をはじめてからは、スパイクを履く機会すらなくなったが、ワールドカップイヤーの今年、僕は新しくサッカー雑誌を作っている。「選手が出ないサッカーマガジン」をコンセプトにした、サッカーカルチャー誌だ。
こうしてサッカーとの付き合いが形を変えて新たに始まったのと時を同じくして、あのティエンポがNIKE F.C.のコレクションの一部として発売された。あのサッカー漬けの日々から数十年、1日中サッカーシューズを履いて生活する日々が再来するとは。
あの時毎日のようにボールを蹴っていた仲間たちは、今年から社会人になった。
彼らと日が暮れるまでサッカーをする機会なんてもうないだろうし、自由が丘の「バギオスポーツ」も数年前のある日突然閉店した。
サッカーシューズの開発なんて夢もいつの間にか忘れて、気付けば周りの環境もがらりと変わっていたが、僕が履いているのはあの時と同じティエンポだ。
目指すのはあの日のティエンポに勝るツルツル具合。
そのために、毎日を本気でプレーしたい。

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ナイキ ティエンポ MID 94 NFC ¥16,200

小田明志
1991年東京生まれ。高校在学中の2009年にカルチャー誌「LIKTEN」を創刊。翌年に発行した第二号はamazon雑誌ベストセラーランキングで2位を獲得し、最新号である第三号では、モデルの水原希子らと共に作品を発表。同年Pharrell Williamsによるドキュメンタリー映画「Tokyo Rising」に出演した。現在は慶応義塾大学環境情報学部に在籍する傍ら、クリエイティブエージェンシーWieden+Kennedy Tokyoにも所属し、坂本龍一を特集した「LIKTEN」の最新号、サッカーカルチャー誌「OFF THE BALL」の制作を行っている。


※NIKE F.C.の詳細はコチラのページに掲載しています。

ナイキコンシューマーサービス
電話:0120-6453-77
NIKE.COM/NIKEFC
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