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#06 長嶋太陽(編集部)

夏の決心。
夏のシチュエーションを4通り想定して、そこで身に付けたい物を選んでみました。オリジナルでカセット作って、短い夏をエンジョイしましょう。

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01
tac:tac
タクタクのショートスリーブT

東京散歩。 流行というのはおもしろいもので、価値基準は固定せず、消費され流動し続けるのがこの世のさだめ。個人的にも、「日本製で、質がよく、シンプル。」というだけじゃ物足りなく感じつつある今日この頃です。そんな折にグッときたのが、「時計」をモチーフに据えた〈タクタク〉のコンセプチュアルなルック。多くを語るのは野暮ってなもんで、こちらで一度ご覧いただければと思うのですが、押し付けがましくなく、されど伝える努力を惜しまない真摯な姿勢に感銘を受けました。魅力はその世界観だけにあらず、絶妙な高さとフィット感のネックや、特殊な加工を施したやわらかなシャンブレー地など、細かなところまで計算され、きっちりと作り込まれています。ちなみに、高円寺に位置する直営ショップは、ダンススクールとして利用されていた建物を居抜きで用いており、一見して服屋とはわからない妖しさを放ちます。東京が育む新しい文化、その底知れない懐の深さに改めて舌を巻く次第。盛夏の東京を背景にして、一層際立つ一着です。
各¥18,000+TAX

tac:tac 03-6701-0575

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02
TEÄTORA
テアトラのシャツとパンツ

花火。 夏といえば、ベタなシチュエーションの宝庫。さまざまな物語にインスパイヤされた十人十色の「ベタ像」があふれる世の中ですが、個人的には花火大会を推したいものです。本来であれば浴衣着用がマスト。されど実際のところ、花火大会というのは暑い上に大混雑が常套で、なかなかにタフな環境なわけです。そんな中で最適なのが、〈テアトラ〉のセットアップ。上品・イージー・便利と三拍子揃っているのは言わずもがな。シャツ・パンツともに、「ポケットの構造改革」が施されています。多くは語りません。まさに同ブランドの矜持とも言えるディテール、ぜひ実物に触れて、確かめてみてください。また、機能にフォーカスされることの多い同ブランドですが、軽く透け感のある上品な素材は、「風情」さえも備えているというのだから、もう言うことはないでしょう。ダークトーンのネイビーは、どことなく浴衣っぽいニュアンスをも併せ持ちます。足元はサンダル、頭には適当なキャップかハットで、土手に腰を下ろして花火でも見たいですね。
シャツ ¥28,000+TAX、パンツ ¥30,000+TAX

ROTHCOinfo@teatora.jp

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03
ART’S & CRAFTS
アーツ&クラフツのサコッシュ

フェスティバル! 現代日本の夏の風物詩といえば?そう、フェスです。大根監督が映画モテキの中で描き切った「遅れてきた思春期物語」に感化され、今日も東京のアラウンドサーティは「フェス」というフレーズをイージーに繰り出し、夏を翻弄するイベントに思いを馳せます。キャンプフェスから都市型まで、ラインナップの多様性は年々拡大するばかり。フェスシーンにおける必需品は多々ありますが、中でも特に重要だと思うのは「サコッシュ」です。アウトドアブランドがリリースするそれは機能性にもデザインにも申し分ないのですが、〈アーツ&クラフツ〉のこちらは、そのオーセンティックな手触りと、ミリタリー然とした色合いがドンピシャにグッときました。防水機能は合羽に託して、なじみのいいコットンのアイテムをさりげなく身につけたいなと。常でも使用できます。ちなみに、今年は「グリーンルームフェスティバル」にフイナム・ブースを出店します。間違いなく超お得な内容になっておりますので、ぜひご期待を。
S ¥9,000+TAX、L ¥12,000+TAX

evergreen works 03-5797-2335

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04
ARPENTAUR
アーペントルのフーデッドコート

キャンプファイヤー。 焚き火には癒しの効果があるそうです。ゆらぐ炎とパチパチ爆ぜる薪のサウンドは、たしかに心地よいもの。太古の昔から火は人の生活を支え続けてきたわけで、それゆえに安心感と直結しているのかもしれません。キャンプで焚き火を囲む時間は、実にぜいたくだな〜と思います。そこで注意すべきは、ウェアの素材。雨にはめっぽう強い化繊も炎には弱く、焚き火の際は着用厳禁。これ、なめてかかると本当に危ないです。火の粉がふりかかっただけで、たやすく穴が空いてしまうことも。そこで選びたいのが〈アーペントル〉のこの一着。高密度で織られたコットンベンタイルは、多少の雨にも風にも負けず、着用し続ける中で味わいを深めてゆきます。裏地の白いパイピングが清潔感のあるアクセントになっているのもグッド。キャンプっぽさ全開ではないけれど、しっくりくる、という絶妙のラインが良いなと。想像以上に冷えるキャンプ場の夜でも、このウェアがあれば安心して炎のゆらめきにうっとりできますよ。
¥59,000+TAX

MAIDENS SHOP 03-5410-6686