シンプル、ベーシックをテーマとし、シーズンごとのコンセプトを定めないものづくりをするブランドが増えている中、毎シーズンコンセプチュアルなコレクションを生み出している、〈ヒューミス（HUMIS）〉。

今季は「poetry」と題し、キューバ出身の小説家・詩人であるREYNALDO ARENAS（レイナルド・アレナス）のクリエイションにインスパイアされたコレクションとなっています。

あまりにも純粋で自由な、レイナルド・アレナス。その一生は壮絶なものでした。20歳に初めての小説を発表したが、当時のカストロ政権（独裁政権）の元で同性愛者であること、また反政府的な言動があるとされ国内での出版は認められず、フランスからの旅行客に原稿を渡し、匿名でのヨーロッパにて出版。

のちに彼の作品は海外にて急速に評価が高まり、賞を総なめとするが匿名のため、一切の収入、レイナルド自身の評価は何もなかったといいます。

その後、一度投獄されるが脱獄、そして難民の一人としてアメリカに亡命し、ニューヨークにて執筆活動を続けたが、87年にエイズであることが判り、90年に睡眠薬を多量に摂取し自殺に至りました。

壮絶な自身の一生を描いた自伝「夜になるまえに」が彼の代表作として、世に残っています。

〈ヒューミス〉ではレイナルドのこのようなpoetry（作詩、詩情）にフォーカスをあて、そこから受け取ったメッセージを洋服に落とし込んでいます。今回、掲載したビジュアルは、どこか危うげで儚げな印象を与えながも、意思の強いまなざしが印象的。ブランドの世界観を理解する一助となってくれるだろう、精度の高い写真群となっています。

また、今回ブランドのホームページがオープンいたしました。こちらも合わせてご覧ください。