ヴィンテージ加工が織りなす褪せたような色合いがたまらない。ベースは細やかな畝を特徴とするレップ織りのコットン。素材開発に定評があるメゾンとはいえ、このつくり込みにはいまさらながら舌を巻いた。トライアングルロゴさえ同色でカモフラージュしてワントーンでまとめたジャケットは、素材の魅力が存分に味わえる。
際立ったもうひとつがこれぞフィールドウェアなデザインワークだった。前身頃に大きなフラップポケットを4つ、後ろ身頃にはハンティングジャケットのアイコンであるゲームポケットをあしらった。
背面にあしらわれたゲームポケット。
〈プラダ(PRADA)〉の2026年春夏メンズコレクションのショーはブルマを穿いた男で幕を開けた。幼少期の記憶を想起させるそれはピースフルな世界のメタファーだったのではないか。シーズンリリースに列挙されたワードを眺めていると、“力の解体” と “新しい動き” というふたつのフレーズが浮かび上がってきた。それは不透明感増す世の中の動きに対する抵抗のようにも思える。
そうであれば、ミリタリーではなく、フィールドにデザインのソースを求めたのもうなずける。
仕上げにはランウェイでも名バイプレイヤーっぷりを披露したピンバッジを。
“Lover’s Lake”、“Peak’s End”、“The Last Swim”。一夏の恋の終わりを予感させるようなそれらレタリングロゴは、恋人たちの別れを装った〈プラダ〉特有のアイロニーだったのかも知れないといったら考え過ぎか。しかし、シンプルなアウターにもってこいのアクセントだ。
ジャケット ¥594,000(予価)
ピンバッジ ¥69,300(2個セット、予価)
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

