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TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.初のランウェイショーで完成した、“永遠の人”の姿。

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10月16日(月)の秩父宮ラグビー場。宮下貴裕氏が見据える〈タカヒロミヤシタザソロイスト.(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)〉というブランドの出発の号令が響いた特別な空間となりました。

2018SSのテーマである “femme fatale fellow” は宮下氏にとっての憧れの女性にあたる “永遠の人” に視点を重ねて創造したコレクション。性差という概念における感情と感覚のわずかなる違いを取り払い、フラットな姿勢で服づくりに向きあったことで、メンズ服の限界に対する可能性とドラマティックな物語性が表現されています。

上記は、あくまで先に公開されたルックで発表されていたコンセプト。永遠の人(女性)という概念が軸にあるこのコレクションは、Suzanne Vegaの「Tom’s Diner」やAbi Reimondoの「Morning」といった女性シンガーの唄を背に、モデルたちが闊歩する光景が人の目に触れて初めて完成したと言えるかもしれません。実際に女性モデルをランウェイに登場させ目に見える形でコンセプトを具現化することが、説得力のあるひとときを創り出しました。

女性の視点に立ち、その女性が持つバランスでのスーツやパンツスタイルをメンズのフィールドに落とし込む。その行為こそが宮下氏が考えるセクシーさ、エレガンスを演出する理想のシルエットを具現化させています。

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ヨークやポケット、リーフ刺繍にも落とし込まれる稲妻のシェイプ、楽譜とギターの刺繍など、音楽からインスパイアを受けたウエスタンライクなディテールは〈タカヒロミヤシタザソロイスト.〉の基盤であり真骨頂。コンセプトテーマと調和するようにレースのシャツやリボンのモチーフ、ぬいぐるみなど、女性的なフェミニンなアイテムと絡み合う様は一興です。

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ジェンダーレスというと男女の差を意識させないシンプルなクリエーションを想像しがちですが、性差を超越しながら、それが見事に混じり合う様を表現した宮下氏の手腕に脱帽です。

次のシーズンは如何なるクリエイションを用意しているのでしょうか。今回とは全く違う、あっと驚くような変幻自在のアプローチが飛び出るかもしれません。

Text_Rei Kawahara


TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.
the-soloist.net

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