〈ニューバランス(New Balance)〉には名作がいくつも存在していますが、そのなかでも定番として人気なのが「996」。900番台の3代目として1988年に登場して以来、タイムレスなデザインと最新の履き心地によって時代を超えて愛され続け、あらゆるひとの日常に寄り添ってきました。「ABC-MART」では“My Buddy 996”と題して愛好家の暮らしを訪ねていますが、フイナムでもそのスピンオフとして、前回の松浦弥太郎さんに続き、今回はお笑いコンビ「かが屋」の賀屋壮也さんに話を聞きました。「996」と通じ合う、なにげない毎日のなかにある心地いい瞬間を語ってもらいます。
ABC-MART 特集ページ “My Buddy 996”
- Photo_Kanta Nakamura
- Movie_Kanta Nakamura & Ryo Oguma
- Styling_Akari Takagishi
- Hair & Make-up_Kaco(ADDICT_CASE)
- Text_Shogo Komatsu
- Edit_Kazuki Sakaguchi
PROFILE
1993年生まれ、広島県出身。2013年にアルバイト先で加賀 翔と出会い、かが屋を結成。日常の描写を切り取り、感情の機微や対人関係を繊細な演技で表現し、高い評価を得る。Instagramで自身のなにげない日々を描いた漫画を発信。ファッションと暮らしをテーマにした漫画「かが屋 賀屋の、服と生活のいろいろ。」を「Commune H」で連載中。初の単著となるエッセイ絵本「4匹の犬と、ぼくが大人になるまで」(二見書房)が10月8日(木)に発売。かが屋のレギュラー番組として、RCCラジオ「かが屋の鶴の間」(毎週金曜日23:30〜)、TBSラジオ「かが屋の亀の間」(毎週土曜日27:30〜)に出演。YouTubeチャンネル「かが屋のオフィシャルコントch かが屋文庫」でコントを配信する。
気持ちがリセットされる特別な時間。
―まず、〈ニューバランス〉についてのお話から。普段は「990v6」を履いているそうですね。
賀屋:よく散歩するんですけど、そのときに〈ニューバランス〉の「990v6」を履いているんですよ。っていうか、散歩だけじゃなくて、毎日履いてるか。その前は「990v4」を履いていましたよ。
―そうなんですね。「990v4」を買った経緯は?
賀屋:芸人としてお給料をもらえるようになってから、初めて買ったいい靴が「990v4」。すごく履き心地がいいから、気に入ってボロボロになるまで履いていたんです。それに気づいた「きしたかの」の岸さんが誕生日に「990v6」をプレゼントしてくれたんですよ。
―後輩が履いているスニーカーを見ていて、プレゼントしてくれるなんて粋ですね。
賀屋:自分で買った思い出の1足から、芸人仲間がプレゼントしてくれた1足に変わりました。
―すごく素敵なストーリー。「990v4」が初めての〈ニューバランス〉ですか?
賀屋:そうですね。〈ニューバランス〉って、こんなに歩きやすいんだ、ってマジでびっくりしました。こりゃみんな履くわ! って思いましたし、買ってよかったと思いましたよ。芸人って、結構歩くんですよ。ライブの会場から会場まで、地方への移動も多いし。〈ニューバランス〉を履くようになってから、移動でテンションが上がってます。
―お忙しい日々を送っているかと思いますが、そのなかで、なにげないけれど大切にしている日常の瞬間はありますか?
賀屋:収録や取材があるから、毎日のスケジュールが不規則なんですよ。でも、規則正しい生活を送りたいと思って、朝ちょっとだけ早く、7時くらいには起きるんですけど、散歩がてらコンビニまでコーヒーを買いに行くんです。で、帰りはゆっくりと、遠回りしちゃったりして。その時間がめっちゃ好きですね。
―芸人さんって、仕事がなければ昼くらいまで寝てるっていう勝手なイメージがありました。
賀屋:前までは、めちゃくちゃ寝てましたよ。でも、30歳を過ぎると、そんなにたくさん寝れなくなって(笑)。朝早く起きるようになったら、その時間の気持ちよさに気づいたんですよ。浄化される、みたいな。特別な時間を過ごしてる感じがしますよね。
―たとえば、その日の仕事が昼からだったら、帰ってきてからなにをして過ごしているんですか?
賀屋:朝ご飯をつくったり。健康的に過ごしたいと思って、自炊するようになりました。たとえば、デカ盛りペペロンチーノをつくるんですよ。生のにんにくを使うと、味が全然違うことに気づいて。毎日の暮らしのなかで、そういうちょっとした違いを見つけるのがすごく楽しいです。
ひとつひとつを丁寧にこなす毎日。
―早起きして、自炊して。そんな生活を送るようになったきっかけは?
賀屋:引っ越したのが大きいですね。心機一転したい気持ちが強くて。
―心も健康になってそうですね。
賀屋:毎日、気持ちがリセットされる感覚があります。早起きしてる時点で、自分すごく頑張ってるな、みたいな気持ちになるし、ほかのひとよりちょっとだけ先に行動している優越感も好きかも。コンビニから帰ってきて、また寝ちゃうこともあるんですけど、それはそれでよくて。気分よく1日を過ごせています。
―ほかに、心地いい毎日を過ごすために心がけていることはありますか?
賀屋:なんだろうな…。自分を褒めることですかね。「今日疲れとんのに、お風呂入ってえらいね〜」、「気合いいれて洗濯機回してすごいね〜」、「あ〜、えら〜い。えらいな〜」って声に出して言う(笑)。
―ひとには見られたくないですね(笑)。でも、自己肯定感を高められそう。
賀屋:そうなんですよ。引っ越してから、独り言が増えたかもしれない(笑)。あと、引っ越してから夜も散歩するようになったんですけど、その時間もなんてことないけど好きですね。
―朝と夜で、散歩に違いはありますか?
賀屋:夜だったら、なにも考えずに歩く。汗をかきたいんですよ。なんなら、ちょっと走るくらい。大量に汗が滴ったら、めっちゃ嬉しいです。で、汗をかいたらお風呂に入らなきゃいけないから、「えらいね〜。お風呂入って、ほんまえらいね〜」って地元のおばちゃんみたいに自分を褒める(笑)。そして、気持ちよく寝る。そういう毎日を続けられると心地いいですよね。
―〈ニューバランス〉はものづくりにおいてクラフトマンシップを大切にしています。賀屋さんにとってのクラフトマンシップはなんですか?
賀屋:考えたことないなあ…。あえて言うなら、丁寧さ? ぼくらは主にコントをやっているんですけど、特に力を入れている単独ライブの本番前に、かならず発声練習をするようにしたんですよ。去年から、そういうひとつひとつを丁寧にこなすことを意識するようになりました。
―基本を大切にするようになったと。
賀屋:いちばん大事なのは、それをやることで自信がつくってことだと思うんです。これ、サッカーの鎌田選手が言っていたことなんですけど(笑)。でも、同じことを思っていたので、言わせてもらいました。
―賀屋さんはご自身のInstagramに漫画を投稿されていて、フイナムの会員コミュニティ「Commune H」でも連載していただいています。日常のなにげない瞬間が切り口となっていますが、どういう着眼点を持って毎日を過ごしているんですか?
賀屋:つねに考えているわけじゃなくて、描くときに日常を振り返っています。みんなが思っているけど、それを口に出していないこととか、気持ちいい瞬間とかを描くのが好きですね。たとえば、駅から家に帰るまでの15分、のどが渇いていても我慢するんです。途中のコンビニでコーラと氷を買って、その場で飲まず、まだ我慢する。むしろ遠回りして帰って、もっと飲みたくする。で、家に着いたらスパークさせるんですよ。それも日々の楽しみのひとつ。
特別なものは求めない。
―今回は上野周辺で撮影させていただきました。このエリアは思い入れがあるそうですね。
賀屋:上京したばかりの頃に弟と一緒に住んでいて、いまも大好きな場所です。上野公園は、子どもの頃に家族で旅行に来ていました。動物園に行って、科学博物館にも行って。だから、弟と住むのに、自然と上野周辺を選んだんですよね。
―谷中、根津、千駄木の“谷根千”もあって、いいエリアですよね。
賀屋:散歩するのにちょうどいいんですよ。めっちゃ安いお弁当屋さんとか個人商店がたくさんあるので、歩くのが楽しいです。
―今回は“My Buddy 996”がテーマで、賀屋さんにとってのバディといえば加賀さんが思い浮かびます。加賀さんはどういう存在ですか?
賀屋:なんでしょうね。毎日一緒にいるけど、兄弟とも違うし、恋人みたいな位置づけでもない。でも、家族以上の存在ではあると思いますよ。自分が選んだ道で出会ったひとなんで、特別感はありますね。加賀にしか書けないコントがあるし、それを演るのが好きだし。大変なことも、ムカつくこともありますけど。
―バディに求めることってなんですか?
賀屋:やっぱり居心地いいのがいいですよね。バディなら、一緒に歩み続けていくわけじゃないですか。別にそんなに気にならないとか、特別なものを求めるんじゃなくて。そういう関係がいいですね。
―まさに「996」もそんな存在だと思います。今回は新色を履いていただきました。
賀屋:デザインは大人っぽいし、カラーリングがかわいいですよね。どんな服装にも合いそう。落ち着いた雰囲気があるけど、スポーティな雰囲気もあって。
―存在感があるけど、主張しすぎない。
賀屋:あと、よう見たら、ってポイントが個人的に好きなんです。「996」も、よう見たら仕上がりが丁寧。スエードの温かみがある、この感じも好きですね〜。ぽってり、段々としていて、お尻(ヒール)もかわいいね。Nのデザインも光沢があっていいですね〜。抹茶パフェみたいで、おいしそうだね〜。
―広島のおばちゃんが褒めてくれました(笑)。履き心地はどうですか?
賀屋:めっちゃフィットしますよ、本当に。オーダーメイドかと思っちゃった。ぴったりですよ。クッション性もいいですね。なんか、ちゃんと歩いてるって感じ。
―どんな日に「996」を履きたくなりますか?
賀屋:どんな日に、っていうより、今日の靴どれにしようと思っても結局選んじゃう。仕事に行くときも、友達と遊ぶときも。デートに行くとき、どうしようかなって悩んでも、これがいちばんしっくりくる。毎日履けるでしょ。振り返ったら毎日履くことになると思う。それが「996」ですよね。
〈ニューバランス〉U996 5WP ¥16,940(ABC-MART)

