夏目漱石が『坊ちゃん』『草枕』を出版し、坂口安吾と本田宗一郎が生まれ、新宿御苑が誕生し、世界ではアテネオリンピックとミラノ万国博覧会が開催された1906年。今から120年も前で教科書の中のような話ですが、石川県の小松市高堂町で九谷焼上絵付を専業とする「錦山窯」が誕生したのも同じ1906年で、今年120周年を迎えました。
明治以降、九谷焼の主流となった画風「彩色金襴手」に長けていた初代から、代々金を使った絵付を特徴としてきた錦山窯。現当主の四代幸央(ゆきお)は、歴史ある技法を礎としながらも現代の感性を融和させ、これまでにない表現を追求すべく、日々研鑽を重ねています。
10月9日(金)より六本木の「AXIS ギャラリー」で開催される『旦 ASHITA』- YOSHITA Yukio Exhibition – と題した展示では、錦山窯のあゆみと次の百年へ向けた思いを形にするとともに、𠮷田幸央のこれまでの軌跡と現在地を紐解き、未来へ向けた一歩を踏み出すものに。
本展では、伝統的な金襴手や金彩技法を現代のライフスタイルに昇華させた代表的な「華鳥夢譚 – Kachoumutan」のほか、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)アレクシー・アンドレ研究員との協業から生まれたシステム「Tomonami(トモナミ)」を活用した新しい表現を。
さらには昨年10月に錦山窯のギャラリー「嘸旦(むたん)」で行われたライブセッション以来、交流が続いている山崎円城(音楽家/詩人/タギングアーティスト)との異分野コラボレートワークまで、既成概念にとらわれることのない、新時代の工芸の在り方を提示する多様な作品群を集めました。
“変わり続けるために守り、変わらないでいるために変わる。”
上記のステートメントは、山崎円城による詩作品「変わらないでいるために、変わる。」への応答から生まれました。「変わり続けるために守り」という一節には、錦山窯が120年にわたり培ってきた、継承と更新への意志を重ねています。
テクノロジーが切り拓く表現と、熟練の手技による身体表現。錦山窯という存在が、対極にあるこれらの表現を媒介するとき、工芸の次なる地平を予感させます。
錦山窯
『旦 ASHITA』特設サイト
『旦 ASHITA』- YOSHITA Yukio Exhibition –
期間 : 2026年10月9日(金)– 2026年10月13日(火)
時間 : 11:00〜18:00(最終日は17:00まで)
会場 : AXIS ギャラリー
住所 : 東京都港区六本木5-17-1 アクシスビル4F
-SPECIAL EVENT-
2026年10月10日(土)
15:00〜15:45 トークセッション|𠮷田幸央 × アレクシー・アンドレ氏(ソニーCSL)
16:00〜18:00 アペリティフ&サウンドインスタレーション|山崎円城氏
【申し込み】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf93GddNqJF_elw-XxpdyvEpIKS8MQS3yXrJVhfEjnknh4pAQ/viewform?usp=header

