この2016秋冬シーズンからリスタートした〈ワイルドシングス(WILD THINGS)〉。懐かしいという既知のひとももちろんいるでしょうが、改めて説明しておくとアメリカを代表する登山家、ジョンとマリーのボガード夫妻により1981年に設立されたブランドです。“軽くてタフでなければいけない”というコンセプトを基に、数々の過酷な登山経験を活かした高性能なプロダクトを生み出し続けています。その機能性の高さから、アメリカ軍も目をつけて採用するほど。
リスタートにあたり、より現代的に、かつ日常着にふさわしい仕様へ、ということでロゴが以前に比べ80%の大きさに抑えられ、全体を通してサイズ感やシルエットがしぼられています。今回はアップデートされた〈ワイルドシングス〉から、今季注目の3タイプのアウターを紹介します。
ひとつめとなる「3LAYER MIG MOUNTAIN PARKA」は、アメリカ軍の「ECWCS PARKA(ECWCSはEXTENDED COLD WEATHER CLOTHING SYSTEMの略)」をモチーフに、フードを加えてマウンテンパーカ仕様にしたモデル。モチーフの「ECWCS PARKA」に比べてフィット感があり、タウンユース仕様になっています。
機能面では、表地がナイロン100%、中間層がポリウレタン100%、裏地がナイロン100%の3レイヤーで、とくに中間層の特殊ポリウレタンフィルムが汗などの水分を吸湿し、蒸気として発散、放出することで衣服内のムレ感を抑えます。また、防水性、防風性も兼ね備え、衣服内環境を快適に保ちます。
こちらの「DENALI JACKET」は、〈ワイルドシングス〉のラインナップのなかでも最高峰に位置づけられるジャケットです。
アルパインクライミングや南極の犬ぞりレースなどの経験に基づいて、改良が加えられたモデルで、たとえばボディには「eVent」という完全防水ながら、透湿性に優れた素材を採用することで、寒冷地で激しい運動をする際に汗が凍り付いてしまうのを防いでくれます。都市生活ではなかなかないシーンですが、室内外の温度差が大きくちがう冬に汗をかいたときなどにも活躍してくれそうな機能です。
内部には、高い保温性と優れた速乾性を誇るプリマロフトを使用し、防寒性をさらに高めています。大ぶりなフードは、アルパクライミング時に装着するヘルメットの上からでも被ることができるほど。たとえばヘルメットをかぶるバイカーなどにもぴったりでしょう。機能性をそのままに、今シーズンからはサイズ感、フィット感をより抑えています。
「NYLON MIG COAT」は、アメリカ軍の「M-65 FISHTAIL PARKA」をモチーフにした高密度ナイロン100%のコート。
特筆すべきは、人工羽毛・プリマロフト®がもたらす、羽毛のような保温性、軽量性、通気性、柔軟性。さらに羽毛にはない撥水性も持ち合わせています。それもそのはず、プリマロフト®はアメリカ軍の要請を受けて開発された、羽毛に代わる画期的な超微細マイクロファイバー素材で、アメリカ海軍・陸軍の防寒着用の素材として採用されるほど。高級グースダウンの代替素材として、ダウンジャケット・寝袋・寝具・枕などにも採用されています。
もちろん、こういった高機能素材を使いつつも、街着用として全体の形やバランスが整えられています。
ファッションにおけるアウトドアブームの始まりである90年代から、機能性とデザイン性の高さにより人気を集めてきた〈ワイルドシングス〉。この20年間でサイズ感のトレンドが変わったことにより、シルエットやロゴに修正を加えて、モダンなアウトドアウェアとして再生しました。
ブランドの出自や各アイテムのミルスペックが証明するように機能性の高さはいわずもがな。アーバンアウトドアを象徴するブランドとしてぜひ今後も注目を!
Photo_Kazumasa Takeuchi
Text_Shinri Kobayashi
WILD THINGS「3LAYER MIG MOUNTAIN PARKA」
価格:¥45,000+TAX
カラー:BLACK,OLIVE,NAVY
WILD THINGS「DENALI JACKET」
価格:¥68,000+TAX
カラー:OLIVE,BLACK,GREY,COYOTE
WILD THINGS「HD NYLON MIG COAT」
価格:¥41,000+TAX
カラー:BEIGE、BLACK,NAVY,OLIVE
インス
電話:0120-900-736