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『ビフォア・サンライズ』シリーズのリチャード・リンクレイター監督の最新青春映画、11月5日(土)公開。

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作品賞を含むオスカー6部門ノミネート、ゴールデングローブ賞では作品賞を含む2部門を受賞、2014年の映画賞を席巻したリチャード・リンクレイター監督作品『6才のボクが、大人になるまで』。6才から18才まで、一人の少年の成長と彼を取り巻く家族のドラマを、実際に12年の歳月を費やし撮影した画期的な取り組みは、新しい映画の可能性を感じさせました。『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』の恋愛3部作も映画史に残る名作といえるでしょう。そしてリンクレイター監督の最新作『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』が11月5日(土)から公開されます。

ちょっと長いのですが、公式からストーリーを抜粋します。
〜STORY〜
新学期まで3日と15時間。
1980年9月、南東テキサス州立大学(STU)、野球部。

野球推薦で入学することになった新入生のジェイク(ブレイク・ジェナー)は期待と不安を抱き、大人への一歩を不器用に踏み出そうとしていた。そう、今日は野球部の入寮の日だ。お気に入りのレコードを抱え、ジェイクが野球部の寮に着くと、4年生のマクレイノルズ(タイラー・ホークリン)とルームメイトのローパー(ライアン・グスマン)から、好意的とはいえない歓迎を受ける。高校時代、イケイケのスター選手だったジェイクに対する先輩方の洗礼だった。しかも寮生活をしている先輩方は野球エリートとは思えない風変わりな奴ばかり。マリファナ愛好者で謎めいていて、「コスモス」の熱狂的ファンのウィロビー(ワイアット・ラッセル)、ノーラン・ライアンの再来を自認する妄想癖の塊、ナイルズ(ジャストン・ストリート)、どうしようもないギャンブル狂のネズビット(オースティン・アメリオ)、噛みタバコ好きで気さくな男だが、寮生から嫌みの“ビューター・パーキンス”という田舎者っぽいあだ名を付けられたビリー(ウィル・ブリテン)。カリスマ性はあるがどこか陰りのある早口のフィネガン(グレン・パウエル)など一筋縄ではいかない兵揃いだ。
面倒見の良いフィネガンがこの門限のない素晴らしき世界のツアーガイド役を買って出る。大学を巡るツアーは、当然のように女子寮に行くことから始まる。女の子たちの品定めだ。車で通りかかった2人組の女の子に早速フィネガンがアタック。あえなくフィネガンの強引なナンパは拒否られるが、ジェイクは同じ新入生で演劇専攻のビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)に一目惚れ。彼女もジェイクには好意的だ。先輩の手前、控えめにしていたのが功を奏したのだ。一通りツアーを終えて、寮に戻ったジェイク。しかし、長い入寮初日はまだ終わらない。今度は最高の夜に繰り出すことに。チームのメンバーはタイトなジーンズにポリエステルのシャツを着こんで地元のディスコで夜通しのナイトフィーバー! 続いて街で一番のカントリー・バー(ホンキートンク・バー)でカウボーイハット(ステットソン帽)をかぶり、ラインダンスで「コットンアイジョー」を踊りまくった。そして週末にはパンクのライブで初めてのモッシュを体験。自主練の後も、もちろんチームメイトたちとバカ騒ぎ。ジェイクは今までに感じたことのない自由と希望を抱きながら大人の扉を開け、青春を謳歌していた。それは決して長くは続かないけど、人生最高の時の幕開けだった。

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こちらの映画は、監督の自伝的映画ともいわれ、80年代のエキセントリックな人びとが登場し、ザ・ナックの名曲「マイ・シャローナ」、車の中でラップするシュガー・ヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」など時代を代表するロック、パンク、ディスコ、ニューウェーブ、ヒップホップの名曲が、センスよくシーンを彩ります。

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また、タイトルは作中でも使われているヴァン・ヘイレンの「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」から取っているのですが、監督は本作のタイトルについて「この曲は若者(18歳)の気分を完璧に捉えている。ユーモアと猥雑さ。若く情熱がある時は、すべてを欲しがる。それが生得権だと思うのは、若さゆえで、物事を分かっていないからだ。だからこの映画のタイトルにもしたんだ」と語るように、タイトル、音楽、そして登場人物たちが何げなく発する実に奥深いセリフなど、ディテールにも必ず意味を持たせる監督らしさが本作には溢れています。

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子どもから大人になることとはどういうことか、ということを丁寧に描き、ストーリーテリングや音楽の使い方、配役など経験に裏打ちされた熟練の手腕が冴え渡る同作。リチャード・リンクレイター監督が真っ正面から、瑞々しく描いた青春映画をぜひキャッチしてみてください。

Text_Shinri Kobayashi


『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』

11月5日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:リチャード・リンクレイター
出演:ブレイク・ジェナー、ゾーイ・ドゥイッチ、グレン・パウエル、タイラー・ホークリンほか
配給:ファントム・フィルム/2016年/アメリカ/117分
©2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

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