4月26日（木）に行われたレセプションパーティの様子
ネット上での情報が充実し、旅先でもスマートフォン片手に歩けば、観光名所も口コミ評価の高いレストランへ行くことも容易です。しかし、すべてひとりで解決できてしまうため、本来旅で重要な要素のひとつと言える“人との繋がり”が極端に減少しています。そんな状況に一石を投じるかのごとく大阪に誕生した「アースマンズ（EARTHMANS）」。地域（EARTH）に利用者（MANS）が溶け込むことをコンセプトにしたホテルです。
このホテルを手がけたのは「フリークスストア（FREAK’S STORE）」を運営する「デイトナ・インターナショナル（Daytona International）」。そのため館内は、「フリークスストア」で培われたノウハウが色濃く反映され、調度品やアメニティなどはこだわりのアイテムで彩られています。客室は有孔ボードや養生シートなど、一般的には使用されない素材を大胆に組み合わせ、ビンテージデザイナーズの家具も配置。コントラストの効いたインダストリアルな空間を演出しています。
なかでもひときわ目を引くのが、各所に配されたマクラメです。これらはすべてアメリカで買い付けてきたもので、なかなかお目にかかれない一品。
1階はカフェラウンジになっており、コーヒーはサンタクルズの名店「ヴァーヴ コーヒー ロースターズ（VERVE COFFEE ROASTERS）」の豆を導入。宿泊客以外も利用することができるため、この場所でローカルと宿泊客が接点をもち、より街に溶け込めるような出会いが生まれます。また、ホテルオリジナルのアパレルグッズもここで販売。
ディレクターの柴田恭亨さん
ホテル事業のディレクターを務める柴田さん曰く「僕らのミッションはもともと、自分が本当に欲しいものやサービスをデザインして生み出し、社会に喜んでもらって儲けること。次に欲しい、やりたいと思ったのはホテルだったんです。海外に行くと、ロビーなんかでコミュニティが作りやすく、そこで現地の最新情報だったりおいしいレストランのことを聞いたりできます。しかし日本にはそういったホテルが少ない。だったら自分たちでそういう場所を作ろうと、今回のホテル開業に至りました。これからは全国にアースマンズを増やし、ローカル気分になれるホテルの代名詞にしていければ」とのこと。
写真右：デイトナ・インターナショナル代表 鹿島研さん
「今回を皮切りに、今後はコミュニティの拠点となる場所を全国各地に作っていきたい」とはデイトナ・インターナショナル代表の鹿島研さん。両者が見据えるこれからの未来が気になりますね。
街と宿泊者の境界線をなるべく取っ払い、いかに“暮らしているように観光する”ことができるか。デイトナ・インターナショナルの仕掛けたホテル、大阪を訪れた際はぜひ足を運んでみてください。
Photo_Shimpei Hanawa
Text_Keisuke Kimura
EARTHMANS HOTEL & KAFFEE
住所：大阪府大阪市中央区東心斎橋2丁目3-30
電話：06-6213-7178
www.earthmans.com
