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動物と人間の複雑な関係性に思いを馳せる。日本在来馬を捉えた写真展はギャラリー916で。

YonaguniHead shot 2015

写真家・上田義彦がキュレーターとなり、スタジオを居抜きにしたフォトギャラリー「916」は、インダストリアルかつ静謐な雰囲気が漂い、写真と対峙するのにふさわしい空間になっています。これまでにも上田自身や操上和美、森山大道、川内倫子などの展示が行われてきました。

今回、その空間で鑑賞できるのはオランダ出身のシャルロット・デュマが捉えた馬の姿。彼女はこれまでにもオオカミや犬をはじめ、さまざまな動物たちのポートレートを撮影し、現代社会における動物と人間との多様な関わりや関係性についてさまざまなテーマを投げかけてきました。

NaganoSora 2015

OnumaMarshmellow 2015

YonaguniNear the coastline 2015

このたびその被写体となったのは、馬のなかでも日本在来馬という日本人の私たちもあまり知らない馬種。種馬等の外来の馬種とほとんど交雑することなく残ってきた日本固有の馬は、現存のものは8種に分かれますが、その多くは個体数が少なく、絶滅が危ぶまれています。それらのほとんどが小さな島で生息し、一切他の場所への移動を許されていないそうです。

ImabariStay 2016

MiyakojimaEmi 2015

動物を食糧源としてみなして飼育しながら、もう一方ではそれらの動物を擬人化して愛着をもってしまう人間。そんな人間と動物の矛盾した関係性など、さまざまな気づきをもたらします。その関係性について考えることは、私たちがどのようにその動物の存在を価値づけているのかということでもあります。

そんな深遠かつ複雑な問いに思いを馳せてみるのもいいでしょう。そんなことを考えてみたくなる、磁場をもったギャラリーです。

本人のステートメントや、『ハーパーズマガジン』アートディレクターの寄稿文はこちらから。

11月26日(土)には、「916」アソシエイト・キュレーターの太田菜穂子によるトークショーも行われます。詳しくはこちらから。

ぜひ日常から離れた空間に身を浸しつつ、心ゆくまで写真を味わってみてください。

All rights reserved by ©Charlotte Dumas
Text_Shinri Kobayashi


Charlotte Dumas「Stay」

会場:ギャラリー916
住所:東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル 6F
電話:03-5403-9161
営業:11:00〜20:00(平日)/11:00〜18:30(土日、祝日)
休業:月曜日(祝日を除く)
入場料:一般800円、大学生/シニア(60歳以上)500円、
高校生300円、中学生以下無料(Gallery916及び916small)


「Stay」ギャラリートーク&オープンレビュー

ナビゲーター:太田菜穂子(916アソシエイト・キュレーター)
日程:11月26日(土)
時間:14:00~14:45 ギャラリートーク
   15:00~16:00 オープンレビュー
会場:Gallery 916 展示室内
※当日の入場券が必要です。予約不要。
※イベント詳細はこちら

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