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【FOCUS IT.】世界中の音楽好きを魅了! 高円寺の「LOS APSON?」が今年もTシャツフェアを開催!

高円寺駅の南口から歩いて5分程のひっそりとした場所でマイペースに営業を行う「ロスアプソン(LOS APSON?)」というお店を知っていますか? 表向きはレコード屋(?)なのですが、アーティストのTシャツやZINE、はたまた多国籍な雑貨なども扱う、なんとも雑多(もちろんいい意味で!)なお店です。

「ロスアプソン」では、「T-SHIRT! THAT’S FIGHTING WORDS!!!」と題して、毎年Tシャツフェアを開催しています。場所は恵比寿リキッドルームの2階にある多目的スペース「KATA」にて。単なるTシャツフェアと侮るなかれ、参加アーティストが本当に豪華。世界的な芸術家である五木田智央さんや、フイナム読者にもファンが多いであろう元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さん、VIDEOTAPEMUSIC、河村康輔さん、STRUGGLE FOR PRIDEなどなど、挙げだしたらキリがないほど魅力的な参加者たちによるTシャツが販売されています。

今回はそんな「ロスアプソン」の店主である山辺圭司さんに、お店のことや、Tシャツフェアを開催するに至った経緯などを伺いました。ということで、ここからはインタビュー形式で山辺さんの言葉をお届けします。

ー山辺さんはもともと、レコードショップのWAVEに勤めていらっしゃったんですよね?

山辺:そうです。六本木店にいました。ちょうどいま六本木ヒルズが建っているところにお店がありましたね。1階がニュー・エイジとか、流行りもののダンスミュージックを扱っていて、2階が邦楽、3階ではロック、ニュー・ウェイブ、ダンスミュージック、ワールドミュージックのフロアでした。それで、その上がジャズとかクラシックだったかな。レコードだけじゃなくて、映画館とか録音スタジオも併設されていて、いろいろあったんですよ。

ーそこでどんな業務を担当されていたんですか?

山辺:最初はロックの旧譜の担当をしていました。イーグルスとか、ああいう有名なバンドのバックカタログを買い付けていて。80年代から90年代のはじまりにかけてですね。当時はまだバブルの名残があったから売れてたんです。だから自分の好きなコーナーも作らせてもらったりして、そこでUSのインディーロックをレコメンドしたんですよ。売れる前のニルヴァーナとか、グリーン・デイとか。

ーすごく早いですね。

山辺:それも結構当たって、次もなにか仕掛けようとなって、アバンギャルドっていう名のもとにいろんなことをやらせてもらいました。

ー当時のWAVEには井上 薫さんとか、現在の日本のクラブミュージックを牽引しているアーティストもいらっしゃったんですよね?

山辺:同じフロアにいました。あと、いま中東料理を出すイベントをやっているサラーム海上も一緒でした。それこそ、映画館では評論家の佐々木敦さんとか、中原昌也なんかも働いていましたね。渋谷店にはDJのCOMPUMAもいましたし。とにかくいろんな人が集まって働いていました。

ーWAVEでイベントをやったりもしていたんですか?

山辺:青山にサルパラダイスっていうクラブがあったんですけど、そこで年に1回か2回くらい。井上薫とか、いまエル・スール・レコーズをやっている店主の原田尊志さんとかと一緒にみんなでワイワイやってましたね。

ーそこから独立して「ロスアプソン」をオープンさせたのはいつ頃なんですか?

山辺:1994年に辞めて、同じ年の8月にこのお店をオープンさせました。当時は西新宿にお店があったんです。渋谷にしようか迷ったんだけど、結局西新宿にして(笑)。

ー西新宿はややカルチャー色の濃いレコード屋が多いイメージです。

山辺:あと単純にその周辺にいる人がおもしろかったんです。新宿は夜の街だから、そういう人がいっぱいいたし、堅気じゃなさそうな人もたくさんいて(笑)。最初にその物件を見に行ったときも隣の部屋から「てめぇ! このヤロウ!」っていう声が聞こえてきたり…。それにも関わらず、部屋を借りて。

ーもともと独立したいという気持ちが強かったんですか?

山辺:そうですね。WAVEでいろんなことをやらせてもらった反面、やっぱり大きな資本の入ったお店だったから、Tシャツとか雑貨は置けなかった。自分はそういうものを扱ったり、ギャラリーのように誰かの作品を展示できるお店を作りたくて「ロスアプソン」をはじめたんです。音楽に興味ない人でも来れるし、カップルで来て彼女も楽しめるじゃないですか。

ーなるほど。買付けは山辺さんご自身で行なっているんですか?

山辺:ぼくの周りには海外へ行く人が多いので、雑貨類に関してはこの人に頼んだらおもしろそうだなっていう人に「なんか買って来て!」って依頼したりしてますね。

山辺:レコードに関しては、外国の人が直接お店に来て売り込みに来るんですよ。どこからかお店の情報を仕入れて、わざわざ足を運んで向こうからやってくる。もちろん、ここにあるすべての商品がそうやって仕入れているわけではないですけど、海外の人が売り込みに来てくれるのはうれしいですよね。

ーなんだか不思議な運営方法ですね。

山辺:ぼくが海外へ行こうとすると、なんの因果かわからないけど、何かが起こって行けなくなるんですよ。だからいまはもう開き直って、ずっと日本にいるようにしています。でも、長い間お店をやっているといろんなおもしろい人が集まってくるし、その人たちの力を借りてやっている感じですね。

ーとはいえ、自分以外の人に頼むとそれなりにリスクも伴うかと思うんですが。

山辺:全然リスクは気にしてないですね。むしろどんどんお願いしてます。いろんな人の考えがあったほうが幅が広がるし、新しい発見に出会えるから。それがおもしろいことに繋がるのかなと。たまに「どんなジャンルのお店なんですか?」って聞かれるんですけど、自分でもわからない(笑)。なかなかひと言で表現しづらいです。

ーお店をスタートさせたばかりのときは、雑貨類はどうしてたんですか?

山辺:最初はほぼなかったです。それで、「ロスアプソン」っていうのはメキシコのガレージバンドから取った名前なんですけど、当時はメキシコのプロレスラーのマスクをお店のロゴにしていて、これを使って『ぴあ』だか『クロスビート』に広告を出したんです。そしたら日本にいたメキシコ人が勘違いして、うちにプロレスラーのマスクとか、メキシコのシールやキーホルダーを売りに来たんですよ。それで「買う! 買う!」って仕入れて(笑)。

ーこのロゴもかわいいですね。

山辺:これは宇川直宏のデザインです。彼の初期ワークスですね。

ー宇川さんとはどんな繋がりなんですか?

山辺:ぼくは絵の専門学校に通っていたんですけど、その同級生が宇川くんと友達で。それで噂には聞いていたんです。はじめて会ったのは渋谷のクアトロかな? 中原(昌也)くんが暴力温泉芸者っていうユニットを組んでいて、ぼくもメンバーとして出演したときに、宇川くんもVJとして参加していたんです。うちのお店で最初にアートを展示したのも宇川くんでしたね。

ー西新宿時代ですか?

山辺:そうです。はじめは宇川くんがそのとき作っていたデザインを持って来たんですけど、それじゃあストレートすぎるからもっとおもしろいものをやろうとなったときに、キャロライナーのグラックスと原宿で拾った写真を展示したんですよ。

ー原宿で拾った写真?

山辺:そうそう、原宿で拾った写真(笑)。どこかのおばさんがエジプトに行ったときの記念写真がアルバムごとゴソっと落ちてたらしくて、それを引き伸ばしてお店で展示したんです。あとは五木田智央も昔うちで展示してくれましたね。

ーいまや日本を代表する芸術家ですね。

山辺:最近、初台のオペラシティで展示をしていましたが、レコードジャケットにプロレスラーの絵を描いた作品あったのわかりますか? あれをうちでも展示してたんです。むかしよく道でばったり会う時期があって、それでよく飲みに行ってたなぁ(笑)。

ー他にはどんなアーティストが展示を行なってきたんですか?

山辺:最近まで沖真秀っていうイラストレーターの作品を展示してました。あとは373や、中村穣二、水野空想生花店ていう植物屋さんとかメルツバウなどなど、まぁいろんな人にやってもらいました。

ーお店が西新宿から幡ヶ谷へと移転しましたよね。そこにはどんな経緯があるんですか?

山辺:新宿には17年いたんですが、東日本大震災のときに店内がめちゃめちゃになってしまったんです。もうこれは一回リセットしたほうがいいなということで、幡ヶ谷に移りました。ちょうどフォレストリミットっていうスペースができたばかりで遊びに行ってたのと、知り合いもそのあたりにいたので、ここでやるのもいいかなと。

ー商圏からどんどん離れていってますね(笑)。

山辺:そうですね(笑)。当時は辺境音楽にハマっていて、いわゆる繁華街とは別の場所がいいなっていう気持ちがあったのもひとつの理由です。あと、商店街にお店を作りたかったんですよ。八百屋さんとかの横にレコードショップがある、みたいな。街に根ざした場所がいいなって思ってたんです。いままでで一番広いお店でしたね。お店も靴を脱いで上がるスタイルで、親が買い物中に子供が床でなにかしてたりとか、アットホームな雰囲気でした。

ーそして現在の高円寺に至るわけですね。

山辺:路面のお店を作りたいっていう気持ちが前からあったんです。高円寺って、謎なお店がたくさんあって本当におもしろいですよ。

ー独自の音楽シーンもありますよね。ライブハウスがあったり、東高円寺のグラスルーツや高円寺ノックなど、良質なミュージックバーもありますし。

山辺:もう3年近くいますけど、噂だけ聞いていてまだ訪れていないお店もまだまだあって、この街はすごい雑多でいいですよ(笑)。高円寺ってバンドの街っていうイメージがあったけど、いまはそれも変わってきたように思いますし。

ーインディペンデントな姿勢を貫きながら長年お店をやっていて、よかったところはありますか?

山辺:本当におもしろい人がたくさん集まってくれるところと、あとは先ほども話した通り、海外から商品を売りに人がやってくるところ。そういうのはこういう個人店だからこそだと思うんです。自分の裁量でいろんなことができるので、その場で買い付けたりとかできるのもいいですね。

ー人を引き寄せる吸引力みたいなものが山辺さん然り、「ロスアプソン」には宿っているような気がします。

山辺:音楽が中心にあって、それを軸にいろんな人が集まってくれているのかなという気はします。それを共通言語にお互いの信頼関係を築き上げている感覚というか。音楽というのはそういう力を持っているし、自分を含むみんなにとってなんらかの救いになっているんだと思いますね。

ーあと、「ロスアプソン」では毎年、「T-SHIRT! THAT’S FIGHTING WORDS!!!」という名のTシャツフェアを恵比寿のKATAで開催していますよね。

山辺:今年で9回目ですね。はじめはレコードフェアをやっていたんです。坂本慎太郎や、COMPUMA、MOODMANなど、知り合いのアーティストにレコードを持ち寄ってもらって売るっていうイベント。でもね、管理が本当に大変だし、レコードって重いしで、もうやだ! ってなって(笑)。それで次の年からTシャツに変えたんです。

オフィシャルサイトを拝見すると、一回目から錚々たるアーティスト勢のTシャツが一堂に介して販売されていますね。それこそ、お店で展示を行なった五木田さんも参加されたり。

山辺:そうなんです。2回目からは一気に150組くらいに参加アーティストを増やしたんですけど、今度は多すぎて商品が全然見えなくなっちゃって(笑)。会場にTシャツが山積みになりすぎて探せない! ってなって、こりゃダメだということで次の年からは100組くらいに抑えました。

ーそれでも多いですよ(笑)。

山辺:そうなんですけどね。でも、レコードをディグるのと同じで、発掘する感じもなんか楽しくていいかなと。いろんなTシャツがあるし、ファッションとしてではなくて作品として眺めるのもおもしろいんじゃないかと思います。いい意味で雑多な雰囲気を感じ取ってもらえたらうれしいですね。見せ方も色々考えたんですけど、全部ハンガーで掛けるのは無理があるから、壁にサンプルを吊るして、あとはお客さんに好きに掘ってもらう感じにしました。

ー参加されるアーティストはどのようにしてピックアップしているんですか?

山辺:お店に商品を置いているアーティストであったり、絵描き、あとは知り合いの服屋さんなどに参加してもらっています。あとは会場であるKATAを運営するリキッドルームからの推薦もあったり。

ー今年参加される中でおすすめはありますか?

山辺:ぼくとCOMPUMAと五木田くんで「ゴールド・ダメージ」っていうイベントをやっていたんですけど、2015年にやったときのフライヤーのイラストをプリントしたTシャツを作りました。いつかやりたいなって思ってたアイデアだったので、今回念願ですね。手前味噌ですけど(笑)。

ー人気のTシャツはすぐに売り切れたりもしますよね。

山辺:売り切れたら追加してもらったりもしてます。でも、STRUGGLE FOR PRIDEなんかは追加してもすぐなくなっちゃう。それも出会いのタイミングなので、そういうのはレコードと同じかな。

ー会場ではDJブースも設置されて、アーティストのプレイを聴きながらTシャツを発掘する時間もなんだか贅沢に感じました。

山辺:それはやっぱり音楽が中心にあるので。最終日にはKATAの横にあるTime Out Cafe & DinerでMOODMAN主催の「SLOWMOTION」というイベントも同時開催予定です。入場フリーで自由に行き来できるようにしているので、最終日まで毎日遊びにきて欲しいです。

ということで、山辺さんのインタビューはここまで。「T-SHIRT! THAT’S FIGHTING WORDS!!!」は今週金曜日から日曜日まで、恵比寿リキッドルームの2階にあるイベントスペース「KATA」にて開催します! イベント会場などでしか手にいれることができない、アーティストたちのレアなアイテムをゲットできるチャンスです。人気ブランのTシャツも魅力的ではありますが、芸術家やミュージシャンが思いを込めて作ったアイテムも、それに負けじと劣らず魅惑の輝きを放っています。今週末は会場でしか味わえない空気を堪能しに、ぜひ恵比寿へと足を運んでみてください。

Text_Yuichiro Tsuji


LOS APSON?
住所:東京都杉並区高円寺南4-3-2 三光ビル1F
電話:03-6337-1595
営業時間:15:00~20:00 / 水曜定休
losapson.shop-pro.jp/

「T-SHIRT! THAT’S FIGHTING WORDS!!!」2018
開催期間:2018年6月22日(金)~24日(日)
開催時間:15:00~22:00
場所:KATA
住所:東京都渋谷区東3-16-6 LIQUIDROOM 2F
参加アーティスト及びブランド:
LOS APSON?, BOREDOMS, STRUGGLE FOR PRIDE, HAIR STYLISTICS, HE?XION! TAPES, SAMPLESS, 37A (P/HOUSE), GRASSROOTS presents Mask Daddy and Mask Baby for D.M.F.Inc., TURBO SONIC, DJ DISCHARGE (Unconscious When), kenji373goto, COMPUMA, KLEPTOMANIAC, CARRE, ECD, ヘンタイワークス, cero, ミツメ, VIDEOTAPEMUSIC, ロボ宙, OGRE YOU ASSHOLE, KEN2D SPECIAL, UR-BAN VOLCANO SOUNDS, ENERGISH GOLF, KURUUCREW, VOVIVAV, celebs, 嫁入りランド, マヒトゥ・ザ・ピーポー, Yoonkee Kim, ackky, 威力, Soi48, ifax!, wacky (COLORgung), Akashic, COREHEAD, GEEE print, DANCE HOLE by ヒューヒューboy, 2yang, DJ SOYBEANS, Hello it’s me, BLACK SMOKER RECORDS, SHOCK CITY, WDsounds, mid night meal records, エム・レコード, SATURDAY LAB, Rid-dim Chango Records, 夜這, NEUREC, 河村康輔, JOJI NAKAMURA, Tetsunori Ta-waraya, 大井戸猩猩, noise, 沖真秀, Mango Of The Sun, 河野未彩, kizm_channel, THEJOBLOTCLUB, 葉朗, TARZANKICK!!!, SPACE, 夏の大△, ●|●, OOSAN (MFP), FORESTLIMIT, Erection, BLACK SHEEP, day in day out (more), THINGS -Electric Dance Modular-, 2NICHYOUME PARADAISE, 音酔処bugpipe, SHOGUN TAPES, WACKWACK, BOMBAY JUICE, TRASMUNDO, *b*a*r*a*k*a*h*, Telepa-thy, 秘密博士, Print Eastwood, indyvisual, ChillMountain, amala, PROJECT CIV, SAN JUDAS TADEO, BOOZE DESIGN WORKS, FEEVERBUG, Slimy Mold Heavens, RWCHE, BROWNBAG, KILL vintage clothing, Terrapin Station, MOBB COFFEE, オントエンリズムストア, ヒダちゃん, LIQUIDROOM, Artists / Brands AHAU, zelone records, 土川藍×213

DJ Time:
6月22日(金) 15:00~22:00
出演:COMPUMA, BING, KEN KEN (KEN2D SPECIAL), 河村祐介
6月23日(土) 15:00~22:00
出演:DJ HOLIDAY, DJ KUMIKO, 弓J
6月24日(日) 15:00~22:00
出演:Q a.k.a. INSIDEMAN (GRASSROOTS), DJ DISCHARGE, ヤマベケイジ (LOS APSON?)

Special Party:
“SLOWMOTION”
6月24日(日) 15:00~22:00 入場フリー!
出演:MOODMAN, Minoda, Sports-koide

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