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いまを消費するのではなく、深さで勝負する。ワンカラーを特集するデンマーク発のマガジン『Sindroms』。

数々のフォロワーを生み出したライフスタイルマガジン「Kinfolk」。この一時代を築いた雑誌に携わっていたメンバーを中心に発行しているのが、デンマーク発のマガジン「Sindroms」です。大きな特徴は、一号丸々使って、特定の色をテーマに据えたコンテンツをキュレーションしているところ。

たとえば、記念すべき1号目で特集しているのは「赤」。

愛、怒り、情熱などの“赤”という感情のレンズを通して、デザイン、ライフスタイル、文化を切り取り、140ページに渡るコンセプチャルかつ丁寧に編集されたエッセイやヴィジュアルが詰め込まれています。デンマークを代表するファッションブランド〈Henrik Vibskov〉、デザインスタジオからはNote Design Studio、アーティストではDaniel van der Noon、アートディレクターのEvelyn Bencicovaなどの多彩な人やブランドに、赤という色がそれぞれの仕事にどのように影響を与えているかについて話しています。

第二号は、幸せ、楽観主義、友情、不安、嫉妬などの感情を“黄色”のレンズを通して、デザイン、ライフスタイル、文化へと落とし込みます。

Wang&Söderström、Zsofia Kollar、Le Morandineなどの新興アーティストと話をし、非常に才能のある多くのフォトグラファー、アーティスト、作家とコラボレーションをして紙面を構成しています。幸せな顔、不適切なジョーク、絵文字、ジャンクフード、金髪などをキーワードに、コンセプチャルかつ丁寧に編集されたエッセイやヴィジュアル、思考を通して、社会的なテーマに取り組んだ182ページとなっています。

“カラー”は、一見抽象的なテーマでありながら、私たちの生活に身近であり、さまざまな切り口が考えられるものです。この雑誌を作っているスタッフに、この雑誌にかける思いや制作背景を聞いてみました。

ーなぜ“色”に焦点を当てたのでしょうか?

「色には誰もが影響を受けつつも、色がどれだけパワフルか、どれほどその人に影響を及ぼすかをあまり理解されていません。だからこそ、『Sindroms』は色を際立たせることによって、感情や心の揺れを引き起こします。ある場所で心地よく感じるかどうかも、色の影響を強く受けています。この雑誌を通じて、人びとが色を選択し、さまざまなデザイナー、アーティスト、シェフなどが作品の中で、どんな形で色を使っているのかを知ってほしいと考えています」

ー「Sindroms」には、北欧のライフスタイルや価値観というのは影響していますか?

「もちろん。北欧の標準的な色といえば白、黒、グレーまたはベージュといった色合いです。『Sindroms』はカラフルですが、その美学は北欧のスタイルに影響を受けています。また、概念的かつミニマルな美しさを追求しようとしています」

色を通じてこの雑誌が掘り下げるのは、日々更新されていく最新アイテムなどの“情報”ではなく、社会や文化が持っている、より本質的な部分でしょう。右から左に情報を流していく、“情報誌”になりがちな日本の雑誌とは一味ちがう「Sindroms」。一歩立ち止まって、このコンセプチュアルで素敵な世界観に没入してみるのも一興です。

Text_Shinri Kobayashi


Sindroms
sindroms / Issue #1
sindroms / Issue #2

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