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【FOCUS IT.】意外な二人!? レショップ金子、グラフペーパー南の共感覚が産み出した珠玉のシャツとは?

この2人が並んでいる絵面に、いい意味で違和感を覚える方も多いのではないでしょうか? 「レショップ(L’ECHOPPE)」の金子恵治と〈グラフペーパー(Graphpaper)〉の南貴之。実はこの2人、20年来の知人でキャリア初期からの仲なのです。ただ、これまで一度も仕事で絡んだことはなく、お互いの動向を横目で見るだけという状態が続いていたのですが、この度晴れて初のセッションが実現、実にこの2人らしいシャツが誕生しました。

ベースとなったのは〈グラフペーパー〉のボタンダウンシャツ。2シーズン目くらいから作っているという定番アイテムで、入荷するなり店頭から姿を消すという人気アイテムです。

一見ベーシックに見えるこのシャツの魅力を南さんに語ってもらいました。

「いわゆるアメリカ的なシャツってありますよね。80年代の〈ラルフローレン〉のビッグBDとか、〈ブルックスブラザーズ〉のBDシャツとか。そうしたベースがあって、そこにイギリスの生地である『トーマスメイソン(THOMAS MASON)』をぶつけてみたものです」

かようにマニアックな仕上がりにもかかわらず、上述したように即完を繰り返す人気アイテムなのです。この現象には南さんも首を傾げていましたが、非常に喜ばしいことなのではないでしょうか。玄人だけに受けているならまだしも、広く受け入れられているわけですから。希望のある話ですよね。

金子さん曰く「うんちくを聞かなくても、ものを見ればお客さんにも魅力が伝わっているんだと思います」とのこと。

このシャツに惹かれた金子さんは「レショップ」でも取り扱いをしながら、いつか一緒にものづくりができたらと夢想していたそう。それは南さんもまったく一緒で、互いにいつかはと思っていた2人。それがようやく形になったのがこのシャツです。

L’ÉCHOPPE for Graphpaper Collaborative Shirts ¥27,000+TAX 

ここからは二人の対談形式でお届けします。

金子:シャツといって思い浮かぶのがアメリカ、イギリス、フランスの3カ国なんですが、その中でも一番マニアックな“フランス”でどう作れるかというのが今回のポイントでした。簡単に言うと、ベースは僕らが持っている大きいサイズの〈シャルべ(Charvet)〉なんです。うちでもヴィンテージの〈シャルべ〉はよく取り扱っていて、すぐに売れてしまうんですが、もっと現代的にできないかなというアプローチからスタートしました。

:そう、そこを出発点にしてあーだこーだやりましたね。

金子:元となったインラインのBDシャツの作りがめちゃくちゃいいので、ネタとして〈シャルべ〉を持っていっても大丈夫かなと。そこは安心していました。生地は結局インラインと同じ「トーマスメイソン」にして、スワッチを見ながら色々選びました。

:ただこれ実は、海外で流通している生地なので、国内ではあまり流通してないと思います。

金子:そうですね。結構マニアックなことをしています。その上で、形はほぼ南くんにお任せしました。

:〈シャルべ〉が好きな人が見たら、まんまだなって思うかもしれないけど、実はけっこう地味に変えてるんです。例えば肩傾斜の入れ方とか。微妙に落ちるくらいが好きなんですよね。あと裾は入れても出しても大丈夫な寸法にしています。それとヨークが高いのもポイントですね。分量もけっこう出しています。袖は太いのが二人とも好きなので太く。カマも深くしてますね。

金子:あとはこのダーツですよね。これ実は南くん的にはナシなのかなと思ったんだけど、今回のコンセプトを考えると入れた方がいいかなと。修正したのは芯地の硬さくらいですね。そこは何回か試作してくれました。インラインのシャツの方にはものすごく薄い芯地が入っているんですが、〈シャルべ〉はドレスのシャツなので、多少その面影を踏襲して、通常よりは若干芯地を硬めにして、襟にはカラーステイを入れています。

:僕が作るシャツって、だいたいカジュアルなシーンで着られるように組み替えてしまうんですが、そこの特徴はうまく出せたと思います。襟芯も色々試してちょうどいい硬さになりました。

金子:あとサイズは1サイズです。

:これは自分が販売員だったときの名残なんですけど、サイズがなくてお客さんに断られるのが一番きつくて。だから最初から1サイズでどうにかなるものを作るっていう考え方なんです。そもそも古着とかって、形とかサイズがめちゃくちゃなものをどう着るかみたいなことがあったじゃないですか? それが変なバランスを産んで、面白くなったり。

金子:結構、余白だらけの服だと思います。着るひとによって、まったく違った見え方になるでしょうし。

:それがいいんですよね。服よりも人が前に出る、というのが僕のやりたいことなんです。だから小さいというか、カラダに沿うような服は作りません。肩が綺麗に落ちれば、たいていのひとはなんとかなるはずなんです。ただ、いろいろな考え方があるので、自分では絶対に作らないような、下手な作りのものも好きなんです。仕入れをするときにはそういう目で見てますね。この下手くそな縫製は自分で縫ってるのかな?と思ったら、工場にわざと下手に縫わせてるとか聞くと、すごいなーって。

金子:なんかこういう話してたら、次のアイデアが浮かんできた(笑)。

:金子さんもこういう感覚を持っているひとだなって思うんです。

金子:南くんは、しょっちゅう全国を回ってものづくりの現場を見まくっているんで、工場の選定のレベルもどんどん上がってるでしょ?

:まぁ色々見てはいますね。僕、カジュアルなシャツをドレスが縫える工場にお願いするとか、そういうミスマッチが好きなんです。当然ものすごく嫌がられるんですけど、最後は土下座ですよね(笑)。笑いながら無理を言うっていう。けど、そういうのもデザインじゃないですか。僕がやれるデザインってそれぐらいなんです。僕はデザイナーではなく、ディレクション側の人間なので。

金子:いや、もうデザイナーでしょ。

:でも、海外のメゾンの服を見ては、毎日悔しい思いしてますよ。こういうのできるんだ? これできるところないかな? これくらいのクオリティでやらなきゃダメだな、とか。だからウチのプロダクションのスタッフは大変ですよね。

金子:もともと南くんはバイヤーですけど、買うことと作ることの両方を全力でやってますよね。

:だから全然時間が足らないですね。ただ、現場を見て回るのはすごく勉強になりますね。昔の資料を見せてもらったりして、いろいろと失敗しながら学んでます。そういう出張に買い付けも合体させたりしてますね。

金子:ディレクションとか、バイヤーの人っていうイメージがずっとあったんですが、気づいたらもうものづくりの人なんですよね。〈グラフペーパー〉の展示会に行って説明を聞いてても、そう感じます。

:金子さんと機屋に行って、一緒にものづくりするのも面白そうですよね。

金子:いいなぁ、全国ツアー。

:行きましょうよ。そんなに遠くないですよ。岐阜とか浜松なので、日帰りでも行けますし。

というわけで、おそらくは何かしらの形で続きそうなこの共作。今後にも期待しましょう。ちなみにこのシャツは11月17日(土)の発売です。

Text_Ryo Komuta


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L’ÉCHOPPE for Graphpaper Collaborative Shirts
Color:Blue Irregular Stripe,Bordeaux Pinstripe,Blue,White,Black
※Blue Irregular StripeのみL’ÉCHOPPEだけでの販売

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