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【FOCUS IT.】熊谷隆志がWIND AND SEAで行う新たなチャレンジ。

スタイリスト、フォトグラファー、ディレクターとファッション業界を縦横無尽に活躍する熊谷隆志さん。彼が近年精力的に取り組んでいるのが、ストリート的なスタイルを取り入れたカジュアルブランドである〈ウィンダンシー(WIND AND SEA)〉です。同名のショップが駒沢から中目黒へと12月22日に移転しリニューアルオープンしたことを記念し、これまでの熊谷さんのキャリアの中でも新たな試みが詰まっているという〈ウィンダンシー〉について、改めて話を聞きました。

データベースで運営するという試みが〈ウィンダンシー〉。

ーこの度〈ウィンダンシー〉の実店舗が、駒沢から中目黒に移転して来たわけですが、改めて〈ウィンダンシー〉のスタートまでの経緯を教えて頂けますか?

熊谷:〈ウィンダンシー〉っていうのは、元々駒沢公園通りでやってた雑貨屋さんの名前で、僕が買って来たアメリカのヴィンテージの古着や小物を売っていました。ですが、その後に「CPCM」っていうお店のディレクションに携わることになり、その時に僕が目指していた世界観が全部集約されちゃったんですよ。そうこうしているうちに、オリジナルの〈ウィンダンシー〉のTシャツを作ってみたら、時代の流れもストリートがどんどんまた主流になって来ていたこともあって、思った以上に評判良くて。ちょうどその時に、昔〈GDC〉をやっていた時のことを思い出して、またTシャツをちゃんと作ってみようかなって考え出したんです。ただ、熊谷隆志っていう括りの中で色んな名前でやるのも良くないと思って、〈ウィンダンシー〉というブランド名でやろうと決めました。

ーショップのオリジナルという位置付けから、きちんとブランドとした際に、改めてコンセプトなどを定められたりはしたんですか?

熊谷:コンセプトは変わらず、純粋に作りたいものを作ること。その上で、オンラインベースでやるっていうのが自分にとって初の試みでしたね。オンラインベースだから実店舗は小さくても良いやっていう感覚だったので、10坪ほどしかない駒沢でやっていたんですけど、さすがに商品数も多くなってきて。それで、元々フォトスタジオとして持っていたこのスペースを軸にしようと思って移転しました。

ー同じく熊谷さんが手がけられている〈ネサーンス〉と、〈ウィンダンシー〉はどのように棲み分けを?

熊谷:〈ネサーンス〉は見てもらえば分かる通り、僕がずっと着ているようなヴィンテージだったり、ヨーロッパの古着からインスピレーションを受けてやっているブランドです。〈ウィンダンシー〉はあくまでも自分を試しているというか、オンラインだから何が売れて何が売れなかったのか、購買層はどういうお客さんが多かったかなど、データベースで運営するという試みが〈ウィンダンシー〉なんです。

ー熊谷さん自身が作りたいものが根底にありつつ、お客さんやマーケットのリアクションも反映させて展開していると。

熊谷:そうです。

ーキャリアもあり、これまで色々な仕事をされて来た熊谷さんが、今一度お客さんのリアクションに目を向けようと思った理由は何なのでしょうか?

熊谷:長年この仕事をして来て、30代後半から40代の人たちまではよく分かるんですが、それより下の世代の人たちってなると正直未知なんです。なので、ひとつの指標として、自分がそれくらいの年齢の人たちに対して、どれくらいレスポンスがあるのか? 逆に自分を消してブランドだけ一人歩きさせると振り向いてくれるのか? とか。そういうことをすべてデータで見るようにしているんです。だから、僕の写真が好きな人は、オープン記念にリリースした僕のフォトTにグッと来てくれればいいし、〈#FR2〉のテイストが好きな人は〈#FR2〉とのコラボアイテムを手に取ってくれればいい。グラフィックによってお客さんの反応が違うので、いろいろ試してるといったところです。

ーきちんと構築された世界観というよりか、ピースとなるアイテムひとつひとつがそれ自体で成立しているイメージですね。

熊谷:そうですね。それが全体として〈ウィンダンシー〉になっているということです。

ーなるほど。今回の移転の理由というのは、本当に単純に規模的な問題だけだったのでしょうか?

熊谷:はい。あとは、海外からのお客さんたちが増えて来て、ちょっと遠いよ~って声が聞こえて来たこともありますね。

ー「WIND AND SEA NAKAMEGURO」の内装のポイントは?

熊谷:今までは鹿の角があったり、砂漠にいるみたいな内装でしたけど、今回はそれを全部削ぎ落として、“新しいウィンダンシー”という部分に重点を置きました。

ーこれまでの熊谷さんの活動と地続きでありながらも、まったく新しいものになっていますね。

熊谷:そうですね。たしかに見え方としては真逆を向いてます。

エンジンがかかっちゃったから、もう止まらないで行こうかなって。

ー今回、移転記念として〈#FR2〉と〈ケースティファイ〉とのコラボレーションアイテムがあります。これはどのような経緯があったのでしょうか?

熊谷:〈GDC〉以来、ストリートのフィールドに戻ってから、色んなことが分からないから、ずっと〈#FR2〉の石川くん(注1)に相談していたんです。アイデアやアドバイスを貰って、僕の先生ですね。だから新しいお店を出した時の最初のこけら落としは〈#FR2〉とやりたいなって心から決めてました。(注1:#FR2のファウンダーである石川涼さん)

ー〈ケースティファイ〉に関してはどうですか?

熊谷:香港にいる友達がみんな使っていて、いいなと思ったのが最初です。それと僕、携帯をよく落とすんです(笑)。なので、いつもこのケースに入れてます。本当に頑丈で良いですよ。

ー今後〈ウィンダンシー〉として挑戦していきたいことってありますか?

熊谷:やっぱりアジアマーケットとか、日本以外の国に対してのアプローチをもっとやっていきたいです。実際にアジアの国々に足を運んでリサーチしてますよ。

ー足を運んでみてどうですか?

熊谷:元気元気。全アジアが元気。東京も元気ですし。

ーアジアのマーケットや、日本以外の国にアプローチする上で、グラフィックひとつで伝わるTシャツやスウェットなどの方が伝わりやすいという意図もあるんでしょうか?

熊谷:最初の握手と一緒ですからね。ゆくゆくはここからクロージングラインに行くかもしれないし、どうなるか分かりませんが、今はグラフィックで遊んでいようかなって思ってます。

ーそれが現在の熊谷さんにとっても新鮮なことなんですよね?

熊谷:新鮮。あと、展示会ベースじゃなくてオンラインベースなのでかなり忙しいです。全然休んでません(笑)。でも、それが今の自分にちょうど良くて。48っていう歳で、次の50代をどう過ごすかっていう時に、この2年の訳の分からないウォール街みたいなスピードが心地良いんです。

ー50代は自分のペースで仕事をしたいっていう人が多そうですけど、逆なんですね!

熊谷:そうだと思ってたんですけど、エンジンがかかっちゃったからもう止まらないで行こうかなって。止まる気なし! 20代後半の頃の感覚と一緒なんですよね。30代後半、40代のあたまはちょっと色んなことをサボっちゃってたかな。なので、今は毎日がっつり働いてます。先日けやき坂にオープンしたレストラン「AVOSETA」もプロデュースしたり、新しいジャンルのことも色々やってますね。

若い子のファッションも最高だと思うし、みんな色んな格好をしていて超楽しい。

ー熊谷さんから見て、今の日本のファッションシーンてどのように見えていますか?

熊谷:媒体やスタイリストがお手本となってファッションをするっていう時代じゃなくなって、各々がSNSを見たり、個人で情報を得て、自分たちでファッションを楽しんでるっていうのが今の日本。若い子のファッションも最高だと思うし、みんな色んな格好をしていて超楽しい。東コレに来てるような子はファッションが好きで、おしゃれしていて当たり前なんだけど、こうやって日々過ごしている中で会った若者とか、すごいおしゃれだから嬉しくなりますよね。

ーでは、そうやって日々出会う若者から、刺激を受けたりもしますか?

熊谷:もうバンバン受けてます。その子たちが、“ウィンダンシーかっこいいですね! 着ます!”って言ってくれたら超嬉しいし、“お前最高だな!” って言って服あげちゃう(笑)

ーとなると、ファッション関係者の◯◯さんが着てくれるっていうのよりも、街の若い子たちが〈ウィンダンシー〉を着てる方が嬉しいですか?

熊谷:そういう子たちから共感を得た方がいいですよね。

ー特に気になる若い子っていますか?

熊谷:たくさんいますよ。あえて個人名は挙げませんが、いつもチェックしてますし、その子たちの感性を取り入れてコラボレーションができたら面白いかもと思ってます。それに、自分がもしギャラリーをやるならそういう子たちをピックアップして色々やりたいなって思うので、ギャラリーもやりたいです。 そういう意味では、今年でスタイリストの仕事を始めて24年になりますけど、今がいちばん楽しいかもしれません。

最後は、オープン当日に行われたレセプションの模様をお届けします。来場者のSNAPと合わせてどうぞ!

Photo_Kazunobu Yamada
Text_Maruro Yamashita
Edit_Jun Nakada


WIND AND SEA NAKAMEGURO
住所:東京都目黒区大橋1-6-4 坂本ビル1F
電話:03-5708-5757
時間:12:00〜20:00(毎週水、木曜日定休日予定)
http://windandsea-wear.com

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