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ルック スタジオがキュレーションしたリーバイス®︎主催のアートエキシビジョンを先行レポート。

ブルージーンズの誕生日である5月20日は〈リーバイス®︎(Levi’s®︎)〉の「501®DAY」。これに先駆け、同ブランドでは2017年より毎年4月〜5月にかけて大々的なグローバルキャンペーンが展開されます。

今年も「カスタマイズ」をテーマにいろいろな催しが用意されますが、目玉はなんといっても「LEVI’S® CUSTOMIZATION ART EXHIBITION “THERE IS NO WRONG”」と題したアートエキシビジョン。なんでもサンフランシスコ本社の保管庫に収められた秘蔵のアーカイヴの展示や、ブルックリンのデザイン集団「ルック スタジオ(LQQK STUDIO)」のJoe Garveyがキュレーションした総勢27名のアーティストによる作品の展示、さらには彼らがカスタマイズした〈リーバイス®〉の展示・販売も行うとか。気になるコンテンツが盛り沢山、というわけで、4月6日(金)〜8日(日)の開催期間を前に、エキシビジョン開催地である表参道の「The Mass Gallery」にお邪魔してきました。

まずはさっそくアーティストの作品展示を見にギャラリーへ、と思いきや、エキシビジョン前日にも関わらずまだ設営中でした。残念。にしても心を打たれたのは、「ルック スタジオ」のJoeをはじめとしたスタッフたちが、自らの手で設営していたんですね。施工業者を使わないDIY精神に、そして彼らのこだわりとアーティストとしての気概に、のっけからノックアウト。果たして間に合うのか心配ではありますが、作品展示の楽しみは開催期間中にとっておくとします。

リーバイス®のアーカイブを管理する唯一のヒストリアン、Tracy女史

場所を移すと現れたのが、ワッペンカスタムのトラッカージャケットに身を包んだマダム。手には白い手袋をはめてます。というのも彼女は〈リーバイス®〉本社に保管された秘蔵のアーカイブを管理し、唯一取り扱うことが許されたヒストリアンというポジションの方。〈リーバイス®〉の歴史はもちろん、デニムの生地や縫製といったプロダクトに関するあらゆることを日々研究するスペシャリストなんです。今回の展示のために門外不出のスペシャルピースをサンフランシスコから持ってきてくれました。

アートエキシビジョンということで、今回はアートにまつわるピースを5点ほどピックアップしてきたとのこと。ディスプレイする前に特別に見せてもらいました。

Damien Hirst Bondage 501(R) Jeans, 2007

イギリスの近代美術家、ダミアン・ハーストが手掛けたワンオフのボンテージパンツ。デニムの当て布を施し、ジッパーとベルクロをあしらいました。ペンキを飛ばした迫力たるや。


何色ものペンキを重ねることで深い風合いを醸します。よく見ると縫製もしっかりつくられてますね。

Keith Haring Print 501(R), 2008

ホワイトデニムのうえに、おなじみのモチーフを全面プリントしたキース・ヘリングとのコラボ物。HIV/AIDSの研究をサポートしているMacy’sパスポートイベントのために制作されてた品です。

Warhol Factory x Levi’s(R) Illumination Jeans, 2006

アンディ・ウォーホル晩年の2作品を組み合わせて、ホワイトジーンズにブラックライトプリントをしたもの。ぱっと見は普通ですが、ブラックライトを照射するとご覧のように光って幻想的な雰囲気に。

Prison Pants, 1979

これすごいです。カリフォルニア北部の刑務所で30年以上服役した受刑者が、ボールペンとマーカーのみで書き上げたという代物。その名もプリズナーパンツ。おどろしさに驚愕です。

ホワイトのSta-Prestをベースに使っているのですが、緻密な書き込みにより地の色がなんだかわかりません。パンツをキャンバスに、暗い心情がこれでもかと吐露されています。

Punk Battle Vest, 1990s

テキサス州のパンクスが自作したバトルベスト。好きなバンドのパッチや、スタッズ、ブリーチ&後染めなど、こだわり満載のピースです。ここまでくると、もはや立派なアートですよね。

ウェールズ出身のハードコアパンクバンド、パルチザンズがバックを飾ります。手縫いなのがイイですね。

これらのピースは6日(土)、7日(日)の2日間のみ展示され、そのあとはサンフランシスコの保管庫に戻ります。日本で見れる機会が非常に稀ですので、〈リーバイス®〉ファンならずともお見逃しなく。生で見た方が断然凄みが伝わりますので。

お次はお待ちかね、「ルック スタジオ」のサテライトスタジオを覗きに。壁面には様々なアーティストのシルクスクリーンの版が飾られます。ニューヨークの現代アートシーンを担う「ルック スタジオ」のJoeのキュレーションのもと、アップカミングなアーティストたちが集合。明日からはじまるアートエキシビジョンを前に、作品制作に没頭。〈リーバイス®︎〉の服をキャンバスに、至るところで作業する姿が見受けられました。

特別にトラッカージャケットをカスタムしてもらいました。数ある版の中から好みのものを選び、好きな位置にシルクスクリーンプリント。気になるグラフィックがいろいろあって迷いましたが、今回は「ルック スタジオ」のJoeがデザインした版をチョイス。両肩とバックにプリントをオーダーしました。

プリントを引き受けてくれたのは、同じく「ルック スタジオ」のALEX。丁寧に版をセットし、スキージをつかってデニムに塗料を満遍なくプリントしていきます。その後はプレスしてプリントを定着させて完了。手際のいい作業に思わず見入ってしまいました。

出来上がりはこちら。分厚いラバープリントが個性を主張します。好きなデザインを好きな位置に施した、完全なる一点もの。デニムというキャンバスを通して、一緒に、自分らしい、自分だけのデニムを作っていく“We are all collaborator”という「501®DAY」のテーマにふさわしいものが完成しました。

この会期中では、ここで制作した全27アーティストのワンオフの作品を併設したギフトショップで購入することができます。トラッカージャケット以外にも、501®、502™、511™といったパンツ類から、シャツ、Tシャツ、スウェットなども用意。ぜひこの機会に、自分だけのスペシャルワンをゲットしちゃってください。

最後に、今回のアートエキシビジョンのキュレーションを務めたJoe Garveyのコメントで締めます。

「今回のエキシビジョンでは、ぼくたち『ルック スタジオ』のコミュニティ周辺にいる、気になるアーティストたちに集まってもらいました。どのアーティストも、これからの活躍が期待できるアップカミングな面々です。この機会にぜひ、ニューヨークのいまに触れてみてください」

Text_Yosuke Ishii


LEVI’S® CUSTOMIZATION ART EXHIBITION “THERE IS NO WRONG”
日程:2019年4月6日(土)~4月8日(月)
場所:The Mass Gallery
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
時間:12:00~18:00

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