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ストレンジャー イン アメリカ。写真家・柏田テツヲがよそ者の視点からアメリカを捉えた写真集『STRANGER』。

季節の便りのように、時折この写真家がアメリカに渡り、シャッターを切っているという話を耳にしてきました。アメリカという大きな国に何度も足を運び、ときに詩的に、ときにパワフルにかの国を捉えたその実像は、いつも想像を超えてくるものでした。

柏田テツヲさんによるその写真が、ひとつのカタチとして写真集『STRANGER』となり、5月末に出版されました。それに合わせて、恵比寿の「AL」にて、写真展「STRANGER」が、6月13日(木)まで開催しています。

写真と展示どちらも、柏田さんがアメリカを旅しながら撮影しつづけた、人びとと情景が収められています。

以下は、写真集に関してのオフィシャルテキストです。

アメリカに根付く文化や人々の姿を写真で捉えるために旅を始めたが、道程が進み、文化や人種の差を実感するにつれ、自身と彼らの間にそびえる壁について悟っていく。

立ち寄る街のコミュニティに足を踏み入れることで、異文化に触れ、人種の違いを感じ、その土地にゆかりのない人間には見えないものや理解できないことの存在を感じ取ったとき、自身がただ旅をしている「よそ者」であることが色濃く浮かび上がる。

見知らぬ土地で出会った異質なものに向けてカメラを覗いた瞬間に気づくのは、異質なもの(STRANGER)は被写体でなく、自分自身のほうである、ということだった。
本作は、被写体の目線や距離感などによってミステリアスな状況を描き出している。

そして一方で、表面的なものにとどまることなくアメリカ文化や土地、人々に肉薄しようとしたものの、本質的には理解することができずに溝を感じた、よそ者の寂しさや孤独感もひとつのテーマとなっている。

写真集『STRANGER』

月並みな言い方ですが、ときに乾いた、ときに湿っぽいその空気感が写真に閉じ込められているような気がします。

だれもが簡単にシャッターを切ることができるこの時代。“写真家”という呼称が似合う、数少ないひとだと思います。ぜひ会場に足を運んで、写真集を開いてみてください。

Text_Shinri Kobayashi


柏田テツヲ 写真展「STRANGER」
会期:〜2019年6月13日(木)
会場:AL www.al-tokyo.jp
住所:東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 1F
時間:12:00〜19:00(最終日のみ〜18:00)会期中無休
電話:03-5722-9799

写真集『STRANGER』
仕様:総革装 / 上製本 / 500部
ページ:96ページ / フルカラー
サイズ:W234 x H273 mm
発行部数:500部
デザイン:飛嶋由馬(ampersands)
リリース:2019年5月31日
定価:3,800円+税

写真家・柏田テツヲ
1988年、大阪府生まれ。ロードトリップの写真で評価を得ており、2017年にはアメリカのモーテルと周辺の人々を撮影した個展「MOTEL」を開催、同名の作品集を刊行。過去の作品集から一貫して、どこかに寂しさを湛えながら、まるで一本の映画のような世界観をまとった作風を持つ。現在は東京を拠点にポートレート、ランドスケープを中心としたコマーシャルワークで活躍する傍ら、自身の作品制作や発表にも力を入れている。
web:tetsuokashiwada.net
instagram:@tetsuokashiwada

[写真集に関するお問い合わせ]
ampersands inc.
電話:03-6265-6935
e-mail:info@ampsds.jp

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