生地にこだわりもなく服を着ていたあの頃。同じブランドのTシャツなのに、その着心地に好き嫌いがあったのは、このTシャツのように生地の混紡率に秘密があったのだとわかります。
こちらは、通称「ワンツーボディー」と言われる、コットンのボディーにレーヨンを12%混紡させた〈チャンピオン(Champion)〉生地の名品です。コットンの快適さにレーヨンのしなやかさを兼ね備え、くたっとした肌触りがやみつきに。
また、霜降りグレーのくたびれた、古着らしい風合いは決して新品が持ち得ない素晴らしい魅力です。ボロボロの「BEER NUTS」のプリントも、ほつれた襟周りもユルさであふれています。
こんな服を着て、街をせかせかと歩くなんてできません。海辺で、山で、自然を前にこのTシャツを着て、ゆったりと過ごしたくなる。そんな夏がぴったりのTシャツです。
Text_Shinri Kobayashi