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前代未聞のドラムパフォーマンス「Doors」を知っていますか? 表現者・山谷佑介の挑戦はついにヨーロッパへ。

写真家、フォトグラファー、カメラマン。職業で言えばそういうことになるのですが、それよりも表現者としたほうが座りがいいのではないでしょうか。山谷佑介の話です。

フイナムでも度々彼の表現の足跡を追いかけていますが、最新の動向をお伝えいたします。

山谷が昨年よりスタートさせたパフォーミングアート「Doors」を知っていますか? 簡単に言うとドラムを叩くたびにシャッターが切られるというもので、写真とライブパフォーマンスが融合したセルフポートレート作品になります。

パフォーマス後、床に散らばった無数の写真。

鬼気迫る山谷の表情。並べたときに見えてくる熱気と狂気。

この前代未聞のパフォーマンスを引っさげて、今秋ヨーロッパツアーを回る予定だという山谷。それに伴って、現在「キックスターター(Kickstarter)」にてクラウドファンディングを実施中です。

本プロジェクトに関する、作家自身の思いはこちらのページを見てもらうとして、フイナムでは山谷に届いた各界のクリエイターからの応援コメントを掲載したいと思います。

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山谷さんの写真好きです。
平井堅

“二○十九年八月二日  渋谷WWWβ、山谷佑介が切り取る光と音のシャッターが鳴り響く。目映い夜を目撃する。”
奥冨直人(BOY)

ファッションを撮る写真家というより、報道カメラマンに近い勢いを感じますよ山谷くんには。寄るためには地雷も踏んでしまいそうな。フィジカルな、汗と動きを感じる、それでいて同時にものすごく静かな無音な瞬間も切り取る。ドラムを叩く写真家、そしてそのままヨーロッパにツアーにでる。もうなんでもやってくれ、そしてめちゃくちゃな旅をして、その衝動をまた違う写真で見せてくれ。
野村訓市

撮影…作品…いつも楽しい時間をあたえてくれる山谷 佑介!いってらっしゃい。
野口強 / スタイリスト

いつだって頼まれてないのにやってきた写真家がいる。いつも自前で用意してた。最初の写真集も自分で出版しちゃったし、展示やりたいからって取り壊しが決まったビルの一室を自分で借りてギャラリーにして展示したし、活動の告知もチラシ貼りも全部自分でやってきた。D.I.Y.の代名詞みたいな山谷佑介が頼んできた。今度はヨーロッパでドラム叩いて写真撮るパフォーマンスして来るんだって。成功しても失敗しても面白そうだから応援するしかないなあって思った。
小林孝行(flotsambooks)

山谷くんは、次から次へと奇妙なアイデアを形にしていくのだが、
最初Doorsのアイデアを聞いた時には、さすがに負け戦だろうと思った。
しかし、初めてDoorsを見て驚いた。
網膜に直接写真を焼き付けられているようだった。
ここまで山谷くんの頭の中では見えていたのか。
ニューヨークからメンフィスまで、山谷くんと3人、車で旅したときを思い出す。
毎晩、2つしかないベッドを賭けてトランプをしたが、山谷くんはほぼ全勝だった。
今回のヨーロッパの旅も、山谷くんには勝算が見えているのだろう。
石田悠介 / 映像作家

京都は金戒光明寺の五劫思惟阿弥陀仏を彷彿させる山谷佑介の見事なアフロヘアーを見るたび、実はその髪1本1本が触角として機能しているのではないか?と考えてしまう。それほどに彼の写真は触覚的だ。初期作Tsugi no yoru eは勿論、groundやInto the lightにしても、撮影対象と彼の間で生じるザワザワとした接触がイメージに焼き付いていた。それを象徴的に体験させてくれたのが、最新作Doorsだった。暗闇で山谷がドラムを叩くと閃光が放たれ、一瞬だけ白く浮かびあがった彼の姿が、観る者の眼に焼き付く。これこそは「写真」だ。あるいは構造的に言うならテクノロジーを駆使した現代版オートマティスムとも言えるそれは、ドラムとストレートフォトを原点に持つ山谷の経歴を知れば、なおさら納得がいく。彼には「見る/見られる」関係を作り出す観客(被写体)の存在と、双方を繋ぎ止める触覚が必要なのだ。その役割を担うのが、触角としての彼のアフロである。もしDoorsの演奏を観たことがあるなら、思い出して欲しい。閃光によって山谷の姿が白く浮かびあがったとき、最も印象的に焼き付くのは、他でもない彼の艶々と黒光りするアフロではないか。カオスを帯びながら四方八方に広がる彼の髪は、鬼太郎が妖気を感じた時さながらに、あるいは「E.T. オウチ デンワ」とでも言いたげな様子で、その1本1本が私達に向かって伸びてくる。どの角度から拝もうとも全方位的に広がるため、もはや逃げることも叶わない。地獄に巣くった鬼蜘蛛の巣さながらである。知らず知らずのうちに彼の写真に魅了されてしまうのは、恐らくそうした背景があるからに違いない。まさしく写真家となるべくして生まれた男である。私は山谷に嫉妬している。
トモコスガ

2014年に「Tsugi no yoru e」の個展で鮮烈なデビューを飾った山谷君ですが、じつはギャラリー設立当初からの友人でもあります。展示を見にギャラリーに訪れた山谷君がそれ以降もよく自ら制作したZineを持ってきてくれて、私も仕事の合間にめくるのが好きでした。そんな山谷くんはギャラリーと作家というより二人三脚してきた盟友のような存在で、従来の枠にとらわれない彼の自由な表現を常にリスペクトし楽しみにしています。「Doors」は作家そのものが表現された凄みのある作品で、パフォーマンスだけにと止まらず、特殊装置の発案からパフォーマンスの中で増殖した山谷が同時多発的にプリントアウトされ、さらに写真集となるプロセス全体も作品として面白いところです。今回のヨーロッパツアーでは、さらに資金集めが作品のプロセスも加わったので、よりたくさんの人に参加して楽しんでもらいたいです。心から成功を祈っています。
鶴野ゆか(Yuka Tsuruno Gallery)

山谷はドラマー
やくざなドラマー
山谷が叩けば 嵐を呼ぶぜ
年がら年中 ドラムを叩きゃ
プリンターも 煙出す
小林資幸(PHINGERIN)

山谷はファッションの撮影を作品だと思っていない。
僕はその潔さが好きなんだ。そうだよね。こんな作品見せられたら。
Doorsはオーディエンスである自分がモノクロ写真の一部になったようなそんな気分になる。
そして見た事ないモノの見た時に感じる、あの高揚感。
山谷とは一緒に色々な場所を旅した。
船で行ったロシアの外れ、秘密の団地の一室。弘前の怪しいバー。タルサのバイカー達のチークダンス。
旅には偶然のパプニングと出会いがいつも付き物。
あのドラムパフォーマンスでヨーロッパでもきっと奇想天外な何かが起こるのだろう。
良いなあ。僕もヨーロッパ行こうかな。
島田辰哉 / スタイリスト

山谷くんに初めて会ったのは、共通の友人である映像作家の石田悠介宅でした。
石田くん監督の短編映画のスチールを撮影した山谷くんが、監督自身と写真を選んでいる場に居合わせたのですが、選考作業が行き詰まった頃に、彼が一言、写真を選ぶにはひたすら写真をみるしかないよ、と言ったのが強く記憶に残っています。
“写真を撮ることとは”、そして、”写真とは”、というシンプルで深遠な問いに身体全体で飛び込んで行く山谷くんの写真に対する情熱がたった一言で伝わって来ました。
以来、僕もまずは音楽に耳を澄ますことを大事にしています。
山谷くん、ありがとう。
Kohhei Matsuda(BO NINGEN)

私は印刷屋をやっているのですが、山谷さんが始めてイニュニックにやって来た時はアフロで髭生やしたあんちゃんでした。山谷さんはお金もなく、印刷データを作るためのトーンカーブの調整も下手くそでした。でも「Tsugi no yoru e」の写真を見せられ、これは世に出さないといけないという使命感にかられたのを覚えています。そこからは赤字覚悟の何でも云う事を聞いてしまう従順な印刷屋のオヤジに成り下がってしまいました。それから、「ground」「RAMA LAMA DING DONG」「contact high zine」「Into the Light」。全く新しい写真表現を見せ続けられています。今回の「doors」が一番、パンキーですね。写真の新しい地平を切り裂こうとしています。
山住貴志(イニュニック)

初めて私が山谷さんと出会ったのは、表参道で開催していたフォトブックフェアーだ。
出会ったといっても、私が一方的に認識したという方が正しい。
知り合いもおらず一人ふらふらとしている中”ground”が目に付く。汚れたクラブの床の表紙。
ちょうど作家が在廊しているタイミングで大げさな髪型の山谷さんが八百屋のような声がけをしている。
こなれた手付きで鉛筆で薄く綺麗な字をサインニングする様子とで、ギャップを感じたのを思い出す。
そこから縁に恵まれ、色々なことを教えてもらってきた。写真、技術というようなことは勿論、それだけではない。少しなんだかなぁ、なんてときこそついつい連絡をしてしまう。じゃあビールでも飲みに行くか、と言ってくれるであろうことについつい甘えてしまうのだ。
はじめ、ドラムパフォーマンスの話を聞いた時、やっぱりこの人はかっこいいままどこまでもいける人だ。と思ったのを覚えてる。
ヨーロッパで思う存分ドラムとストロボの閃光を披露して欲しい。(配信もしてください!)
草野庸子 / 写真家

狂っているのかと思った
オレは分かっているつもりだった…
暗闇を切り裂くストロボ、その向こうに遠近感のおかしいビートが聴こえる
ドラムを叩くとカメラのシャッターが切れる、しかも被写体は自分自身
初めてその構想を彼に聞いたときは相変わらずぶっ飛んでるなくらいにしか思ってなかった
印象は変わった  実際のドラムパフォーマンスは強烈なエネルギーを持った空間だった
恐怖に似た何かがオレの中を通り過ぎ、ただ立ち尽くした
プリンターから吐き出される山谷の顔、顔、顔…その中の一枚を拾い上げると、映る彼の瞳がとても澄んでいた
オレはなんだか嬉しくなった
ロックしてるよ山ちゃん、叩きつけてこいよ、ヨーロッパの奴らもこう言うに決まってる
「アイツはサイコーにクレイジーなロッカーだ」ってね
オレは断言するよ
手島快(NEIGHBORS)

行けるといいね
山谷江美

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山谷佑介がどんな作家なのか、その前にどういった人間なのか、十分すぎるくらいに伝わったのではないでしょうか。

また、今回のヨーロッパツアーに先駆けて、山谷の代表的なアブストラクト作品『ground』の生誕地でもある「WWWβ」にて、「Doors」の渡欧前の日本最終公演が急遽決定しました。

ゲストには彼と所縁のある面々が集結、大阪の鬼才にして象徴・行松陽介、ソロのみならず、GODのギタリストとしても活動するRIKI HIDAKA、BODY ODD/FLATTOP主宰のYELLOWUHURU、そしてレジェンドMOODMANがHARD CORE SETを披露という充実ぶりです。

ちなみに今回のクラウドファンディングは8月14日(水) まで、「All-or-nothing」 形式で行われています。これはその名の通り、プロジェクトが目標金額に達しない限り、そのプロジェクトを支援したバッカーに一切の請求が発生せず、クリエイターに資金が提供されることもない、という仕組みです。

身を賭して自身のクリエイションに臨んでいる、表現者山谷佑介。少しでも心が動かされるものがあったならば、その思いを行動に変えてみてください。

INFORMATION

Kickstarter「Yusuke Yamatani’s performance tour in Europe」

www.kickstarter.com/projects/804912486/yusuke-yamatanis-performance-tour-in-europe

Doors 〜Let’s send Yamatani to Europe〜
日程:8月2日(金)
場所:WWWβ
住所:東京都渋谷区宇田川町13−7 B1F シネマライズビル
電話:03-5458-7685(WWW)
時間:24:00〜
料金:ADV ¥1,500 | DOOR ¥2,000 | U23 ¥1,000
www-shibuya.jp/schedule/011321

山谷佑介
2013年に発表したユースカルチャーの儚い姿をストレートなモノクロ写真で捉えた『Tsugi no yoru e』で初めての個展を開催。それ以降、ライブハウスやクラブの床、自身の新婚旅行、深夜の住宅街、セルフポートレートなどさまざまなテーマの作品を展開し、現代人をとりまく世界のあり方についてのユニークなヴィジョンを提示している。その活動は、自身の立つ場所と目の前にある実在にあくまで即しながら、社会のなかに写真メディアをとらえ、その論理をコンセプチュアルにたどる構造を持ち、新たな写真表現の可能性を探求している。 またその活動は自らの作品だけにとどまらず、ファッション写真や平井堅・米津玄師・ Suchmos・RADWINPS・King Gnu・ゆるふわギャング・コムアイなど、数多くのミュージシャンたちの撮影やアルバムジャケ ットなども手がけている。主な展示に『BEYOND 2020』(KunstENhuis、アムステルダム/amana Gallery、東京/ Galerie Nicolas Deman、パリ、2017年)、『Into the Light』(BOOKMARC、2017年)、 『Lianzhou Foto 2016』(連州、中国、2016年)、『KYOTOGRAPHIE』(無名舎、京都、 2015年)、『Four From Japan』(コンデナスト、ニューヨーク、2015年)、『東京国際写真祭』(2015年)など。写真集に『RAMA LAMA DING DONG』(ギャラリー山谷、2015年)、 『Into the Light』(T&M Projects、2017年)など。

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