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【FOCUS IT.】ノンアルコールバーという新しいカルチャー。でもアルコールを敵視することは絶対しません。

月に一度のペースでノンアルコールドリンクのみを提供する「バー ストロー(Bar Straw)」が開催されています。開催場所を定めず神出鬼没のスタイルで9月にスタートし、毎回たくさんの人でにぎわいを見せる、この新しいコンセプトバーでは、“ノンアル”ドリンクを楽しみながら、活発なコミュニケーションが至るところで生まれています。この日は神楽坂にある「かもめブックス」、見事な本のラインナップも評価を受けるこのお店の定休日を利用して、営業されていました。

一般的にバーにはアルコールドリンクがあるのは当たり前。「コミュニケーションを深める」≒「飲みに行こうと誘う」のも当たり前、というこの世の中で、あえてノンアルコールという、振り切ったコンセプトを掲げているのはなぜでしょうか?

左からツドイ・今井雄紀さん、店長・赤坂真知さん、マドベ・片山悠さん

「Bar Straw」を仕掛けている、発起人のツドイ・今井雄紀さん、ノンアルドリンクの開発担当・店長の赤坂真知さん、企画・PRなどを担当するマドベ・片山悠さんのお三方に、“ノンアル”に対する思いとその豊かな可能性について伺いました。

ー懐かしさもありつつ、かわいいロゴの看板ですね。

Bar Straw(以下、Straw。発言者に関わらず、Strawとして表記):ロゴデザインもいろいろと候補があったんですが、ノンアルの象徴ってストローだなあということで、このデザインへとたどり着きました。

ーお三方のうち、どなたかお酒が飲めない体質だとか、個人的な経緯があるんでしょうか?

Straw:僕たちみんな、お酒が好きです。でも、たとえば食事が美味しいんだけど、飲まないと入れない、もしくは酒飲みじゃないと入りづらいお店というのは確実にありますよね。あとは、飲めない人へのアルハラ(アルコールハラスメント)とまではいかないけど、“とりあえずビール!”のような、空気のようで見えづらい抑圧、同調圧力もあります。そういう当たり前とされている慣習に対して新しい選択肢を提供することで、少しでも多くの方の時間が豊かになって欲しいと思っていますね。

オレンジ珈琲トニック(オレンジジュース出し珈琲+トニック水)

フローラル烏龍ジンジャエール(水出し烏龍茶+ジンジャーシロップ+トニック水)

煎茶のピニャコラーダ(煎茶+パインアップルジュース+ココナッツウォーター)

この日はこの3種。日によってメニューも変わる。

ーお酒が飲めないと食事にも誘いづらいというのも正直ありますもんね。

Straw:アルコールが飲める飲めないに関わらず、いろいろと選択肢が増えるといいなと。ノンアルコールをポジティブなものにしていきたいし、ひとつのカルチャーとして成立させていきたいです。

ーそういったアルコールに関しての同調圧力について言えば、“NOと言える”アメリカではどうなんでしょうね?

Straw:このイベントをはじめる前にリサーチをしましたが、アメリカでもイギリスでもノンアルは、カルチャーとして起こりつつあります。でもちょっとストイックかなと。一例を挙げると、アメリカのスタートアップ企業の界隈では、働くためのコンディション作りとして、お酒を飲まない方がいいと考えるひとたちがいます。他にもヴィーガンと同じ文脈で語られることが多かったりと、健康思想に寄っている側面もあります。でもぼくたちは、そういったマインドフルネスとしてのノンアルの価値観には陥りたくないんです。あくまで一番重要なのは、“おいしいかどうか”。思想やムーブメントが先に来るよりも、飲みたいと思えるおいしいドリンクの選択肢が色々なシーンで増えていく方が新しい文化ができる上で自然かなと思いますし、向かいたい未来です。

オリジナルで作成したカウンター。人と人が話しやすいように、ストローをイメージしたL字型に設計されている。

ー今日みたいに本がそのまま置かれている書店の店内で、バーというのもわりとチャレンジですよね。

Straw:予想はしていませんでしたけど、街の書店が持つ力というか、コミュニティというか、ふらっと立ち寄ってくださる方も多いです。このバーは、人と人とがつながることがコンセプト。一人でも来てほしい。そうしてここで会話が偶発的に生まれていってくれればと。ノンアルコールはあくまで媒介、という意識に近いですね。

ーというと?

Straw:アルコールを敵視したり、否定しているわけでは一切ないんです。ノンアルこそベストと言いたいわけでもなく。それこそアルコールとノンアルが分断してしまっては元も子もありません。僕らもお酒は好きだし、その豊かな歴史と文化を尊く思っています。でもよくよく考えると、ことコミュニケーションにおいては、ノンアルでも支障をきたさないはずです。

ー声高にノンアルと主張するわけじゃない、ということなのに、こんなことお聞きしてすみませんが、ノンアルのメリットとかはありますか?

Straw:そうですね、たとえば飲み会にぱっと顔を出しても、ノンアルであれば仕事に戻るということも可能です。だから、逆にアルコールを飲むと、そこからの時間はオフタイムですよ、という切り替えにもなりますね。

ーこちらの会場では、フードは置いてないんですね。

Straw:はい。食については、インスタラグムにこのお店のまわりのオススメ飲食店を紹介しています。このバーだけで楽しさが完結しなくてもいい。今日間借りしている「かもめブックス」があるのは神楽坂。僕たち自身この街を楽しみたいし、お客さんにも楽しんでほしい。

ー今後はこの場所以外でも活動のご予定はありますか?

Straw:ピザ屋での営業、ボウリング場でのイベント出店、他にケータリングなどもお声がけいただいていますね。ノンアルコールなので、高速道路のサービスエリアとかでもできます。車でしか来れないような僻地でもやってみたいですし、ノンアルコールは制約がないので、いろいろな可能性があると思っています。

次回となる2019年12月19日(木)の開催場所は、六本木ある「PIZZA SLICE & SODA FOUNTAIN」。詳しくは下記をご覧ください。


取材をする前には、お酒を飲まないと言われている若い人たちをターゲットにした新しいビジネスなのかと思っていました。もちろんそういった可能性も秘めているのでしょうが、こちらの思惑など肩透かしを食らうかのように、あくまで出発点は“アルコールとノンアルの分断を止めたい”という思い。今の社会の閉塞感や問題にちゃんとアクセスしている、ある意味崇高な理想を掲げたこの新しいカルチャーが、若者がお酒を飲まないと言われるこの時代で、どこへと着地するのか。とても気になります。そしてその航路に幸あれと祈るばかりです。

ちなみに、この日いただいた3種類のノンアルドリンクは、珈琲、烏龍茶、煎茶ベースにいろいろなテイストがミックスされていて、味覚情報の多い、素敵な味わいでした。ぜひイベントで試されることをおすすめします。

INFORMATION

Bar Straw

※スケジュールは、インスタグラム【@bar_straw】をご確認ください。
※近日では、12月19日に開催予定。

Bar Straw 次回開催

日時:2019年12月19日(木)18:00〜23:00
場所:PIZZA SLICE & SODA FOUNTAIN
住所:東京都港区六本木7-3-13
※ニューヨークスタイル、スライス売り、をスタイリッシュな店舗とともに東京のピザシーンに持ち込み、飲食に留まらないカルチャーシーンを作ってきたPIZZA SLICE。今回、その六本木店の地下、普段は未公開のエリアにBar Strawが出没。PIZZA SLICE のピザ、ピザに合う新たなノンアルコールドリンクをお楽しみいただけます。

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