1970年代のニューヨークで、名もなきアーティストたちが地下鉄構内や電車などに絵や文字を書いたことが発端とされるグラフィティ。その後キース・ヘリングやバスキアの出現で、グラフィティは落書きからアートへと変貌を遂げました。
この転換期の立役者のひとり、フューチュラ。それまでグラフィティといえばレター(文字)が当たり前だったのに対し、彼はアブストラクトなスタイルを世に示しました。その技術や技法は当時としては革新的で、多くの賞賛を得ることに。
のちに彼の作品は世界各国の美術館に収蔵され、〈ルイ・ヴィトン〉〈コム・デ・ギャルソン〉〈シャネル〉など数多のメゾンとコラボレーションを果たしてきました。
そして11月16日(土)から、そんなフューチュラの個展がスタートします。日本での開催はおよそ20年ぶり。
本展では、4つの異なる彫刻作品と、日本滞在中に制作された27点のコミッションワークを展示。また、息子であり13th Witnessの名で知られるフォトグラファー、ティモシー・マクガーの作品も展示予定です。
「グラフィティは自分の存在意義を確認するためのものだった。自分の名前を世界中に知らしめたかった。名を轟かせたかったんだ。ただ諦めずに創り続けること。立ち止まらず、ひたすらに創り続けるんだ。」
フューチュラがこう語るように、60歳を超えてなお創作意欲は衰えず、ストイックにアートと向き合い続けています。
入館は無料です。さぁ、芸術の秋とまいりましょう。