AH.Hにも登場。低価格高品質のカシミア（田中さんのセーター）に出合える受注会が年始とともに始まります。

※2020年1月に公開された記事です。

カシミアを贅沢に使っているのに、驚くほど低価格な“田中さんのセーター”こと「CASHMERE KNIT PROJECT」。シルクカシミアのカーディガンが新しく登場するという2020年の受注会が、1月4日（土）の原宿・HOEKを皮切りにスタートします。

年始にその受注会を告知するのも今年で3回目なので、ご存知の人もいるでしょう。とはいえ何度聞いても、カシミアアイテムそのものの品質、この時代におけるビジネスモデルとしてどちらも見事なので、改めて解説します。

欲しいものは簡単にポチッと手に入れられる時代ですが、「CASHMERE KNIT PROJECT」は約1年後にようやく手に入れられます。どういうことかと言えば、ネットや店舗で即購入することはできないのです。年始から春までの間に行われる受注会でオーダーするしかありません。そのオーダーしたアイテムが届くのがその年の9〜10月頃。

つまり受注した分しか作らないのです。では、そうすると何が起こるか。

需要＝供給なのでロスが出ません。だから価格を安くすることができます。他にも、企画〜製造〜物流〜生産管理〜小売の工程のうち、コストの無駄を省けるだけ省くなど、安くなる工夫が随所に。また、受注会で田中さんは店頭に頻繁に立ち、コスト削減はもちろん、服のディテール解説やストーリーを本人の口から聞くこともできます。

これほど、倫理的にもビジネス的にも見事なプロジェクトはそうそう見当たりません。

同じくデザインにも芯のある哲学が行き届いています。

2020年は新しいモデルが、シルクカシミヤのカーディガン一つだけで、他はすべて去年からの継続品番です。そもそもこのプロジェクトの商品は、すべて定番商品でシーズン商品（その年しか売らない）が一切ありません。

なぜなら、デザイン、品質、価格、全てにおいてクオリティーの高い定番品を販売し続けることがとても大切だと考えているからです。一度世に出したデザインは変更することができないので、商品化できるまでに長い年月をかけて、試作とテストを繰り返しています。そうして世の中に出てきた商品は、シーズンという短い単位ではなく、何年も使える、使いたくなるような定番品に仕上がっています。その過程では定番品になりうるデザインの型を深く深く探っているのです。

型は、どこをどう切っても金太郎飴のように、オーセンティックな要素が顔を覗かせます。

1月2日公開の【AH.H】でも、「CASHMERE KNIT PROJECT」のアイテムが登場します。この事実こそ新しい定番品であることをシンプルに物語っているでしょう。

そして個人的に感じている、デザインを変えないことのメリットを一つ。移り変わりが激しいファッション業界だからこそ、いくら好きでもシーズンアイテムはリピートするのが難しいもの。だからこそ、愛用者にとってことは、好きなカタチを毎年手にいれることができるこのプロジェクトはありがたいのです。

言ってしまうと、全方位に無敵の「CASHMERE KNIT PROJECT」。他ブランドとの厚さの違い、触り心地のよさ、衝撃の価格はぜひ受注会で。触った途端に顔がにやけてしまうかもです。