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【STAY HOME】編集部員がテレワーク中にこっそりやっているアレコレ。前編

緊急事態宣言以降、フイナム編集部もテレワーク推奨のもと日々の業務に励んでいます。とはいえ、会社にいるときよりも自由な時間が多いのは事実。そこで今回は、フイナム編集部員がテレワーク中にハマっていることをご紹介。職場にいるとやりにくい、Zoomのモニターからは見えてこない、就業時間中にこっそり自宅でやっているアレコレを各編集部員が綴っていきます。

編集・須藤結理
アニメ『映像研には手を出すな!』を1日で観了!

テレワークのいちばんのメリットはやはり、ツイッターを気兼ねなく見れることですよね、はい。ある日、元気にスクロールをしているとこんな記事を発見。アニメ『映像研には手を出すな!』のオープニングの素晴らしさが、ほとばしるような筆致で綴られていて、なんと全3編あります。

書いたのは、人間行動学者の細馬宏通さん。芸術全般に明るく、的を得た分析をされるので、なにか良い映画や展示がないかと探すときにはこの方のツイッターを拝見します。そんな信頼を置いている細馬さんがのめり込んでしまう作品ならば、とFODに即入会。観始めました。

感想は、、もう、すごいの一言に尽きます…おったまげました。アニメーション制作部の主人公たちが過ごす現実世界と、彼女らがつくり出すアニメーションの空想世界が交錯する構成になっていて、ふたつの世界が均衡を保っているかと思いきや、現実が空想に食ってかかったり、その逆もまたしかり! 描き分けの妙もさることながら、声優陣がなんとまあ素晴らしいこと。浅草氏が、画面の中で、目の前で、生きてるんです!(ああ、伊藤沙莉…)

もちろん細馬さんが熱く分析していたオープニングもたまらなくいい。「スキップ」ボタンを押した記憶がありません。改めて日本のアニメーション業界に敬礼したのでした。

結論、やっぱりツイッターは最高。

アニメ『映像研には手を出すな!
eizouken-anime.com

編集・黄田 駿
音の世界へトリップ。

旅に出たい。でもいまはグッと堪えて、積ん読を減らす日々を過ごしています。「本当の旅の発見は新しい風景を見ることではなく、新しい目を持つことにある」とプルーストは言いましたが、傑作を読むことも旅であり新しい目を持つことであると最近つくづく思います。そんなことに気づかせてくれたのは、恩田陸さんによる小説『蜜蜂と遠雷』。

“直木賞と本屋大賞のW受賞”なんて部分が先行しがちですが、話題性を抜きにしても後世に残るような傑作です。この作品を読む前と後では、クラシックの聴き方が一変します。というか、クラシックに興味が湧きます。

簡単にストーリーをさらうと、若手ピアニストたちの登竜門として名高い国際ピアノコンクールを舞台に、過ごしてきた環境や音楽性の異なる4人の天才たちのコンペティションと自らとの闘いを描いた物語。

紙でできた本から音が鳴るわけはないのですが、圧倒的な筆致と豊かな表現方法によって、ひと文字ひと文字から音の粒が聴き取れるような錯覚に落ち入ります。目の前に大自然が広がったり、風の匂いが鼻先をかすめたり、突如として常しえの宇宙空間に投げ出されたり、僅か1000ページの間にさまざまな世界を往来することになります。世界一周なんて目じゃないのです。

遥か昔につくられたクラシック音楽が、テクノロジーの発展や価値観の変化、さまざまな脅威を経てもなお後世に受け継がれ人々を魅了している偉大さを教えてくれるだけでなく、窮屈に感じていた自宅から色鮮やかな音楽の世界へと連れ出してくれるのです。出合えてよかった、そう思える一冊ではないかと。

蜜蜂と遠雷 | 株式会社 幻冬舎
www.gentosha.co.jp/book/b10300.html

編集・木村圭佑
TBSラジオ『荻上チキ Session-22』をさかのぼって聴く。

数日前、現在の医療現場の惨状を綴ったこの記事を見て衝撃を受けました。医療の最前線は、想像よりもはるかに大変なことになっているようです。一刻も早く、医療現場に十分な支援が行き渡ることを願っています。

さて、本題です。かれこれ3週間前くらいからはじまったテレワーク。なによりツイッターを見る機会が急増しました。友人たちとの間では“コロナの最新情報をいかに知っているか競争”のような状態になっているので、情報収集に必死です。会社の場合はデスクのうしろを人が通るのでできませんでしたが、テレワークなものだから、デスクトップで常にツイッターを開き、バチバチにチェック。

ただ、有益な情報もたくさんありますが、それと一緒に私情も溢れているので、ここのところはそれがやや重めに。なので、ラジオはじめました。番組はTBSラジオの『荻上チキ Session-22』。

ニュース情報番組なのですが、荻上さんの声がとにかくメロウです。鼓膜を優しくなでてくれます。だから仕事をしているときも、いい意味で気にならない。発言も押し付けがましくなく、発信される情報もソースがしっかりしているから納得できるものが多いです。さらに、過去の回に遡ることで、いろいろとリンクしてきたり、おかしな社会の構造にも自然と気づけたりして。こんなにタメになる番組、地上波ではそうそうありません。大オススメ。

荻上チキSession-22
www.tbsradio.jp/ss954/

編集・中田 潤
愛用品をメンテナンス。

テレワークや不要不急の外出自粛が推奨され、自宅で過ごす時間が長くなったここ最近。ここはひとつ、多忙な毎日でおざなりになっていたモノやコトに向き合ういい機会だなと思い、ぼんやり考えながら家の中を右往左往。結果、辿りついたのは、後回しにしまくっていた革製品のケアでした。

日頃からスニーカーを履くことが多いので、対象はベルトと財布に決定。早速、道具箱に入っている「マスタングペースト」を取り出します。

ちなみに「マスタングペースト」は、馬でも牛でも豚でもヤギでもブーツでも革ジャンでも財布でも、これひとつで全部事足りる万能薬みたいなホースオイル。もともとスキンケアクリームの原料からつくられているので、メンテナンスする手指にも優しいのです。

なんなら使い方も超簡単。栄養クリームや保湿オイルと同じ要領で、まず埃やごみを取り除いてから革全体に塗って、 全体に浸透させたら、乾いた布で余分なオイルを拭き取って、風通しが良い場所で陰干しして乾かすだけ。

日々の忙しさに負けてダメージが蓄積していたベルトと財布。日々使われた痕跡に思いを馳せ、それをていねいにメンテナンスすること。これって実は、愛用品をケアすることだけじゃなくて、自分とモノとの付き合い方、引いては暮らし方を見つめ直すきっかけにもなったのでした。

マスタングペースト
www.captstyle.com

以上、「編集部員がテレワーク中にこっそりやっているアレコレ。前編」をお届けしました。アニメに小説、ラジオ、メンテナンスまで、意外にも文化系なライナップではありますが、どれも時間に余裕がある今だからこそできること。ぜひ、読者のみなさまもテレワーク中の息抜きの参考にしてみてください。なお、後編も近日公開予定。乞うご期待!

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