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【STAY HOME】編集部員がテレワーク中にこっそりやっているアレコレ。後編

緊急事態宣言以降、フイナム編集部もテレワーク推奨のもと日々の業務に励んでいます。とはいえ、会社にいるときよりも自由な時間が多いのは事実。そこで今回は、フイナム編集部員がテレワーク中にハマっていることをご紹介。職場にいるとやりにくい、Zoomのモニターからは見えてこない、就業時間中にこっそり自宅でやっているアレコレを各編集部員が綴っていきます。

編集・村松諒
落語立川流とはなんぞや?

落語にのめり込んで早1年半。実はつい最近まで立川流のことは知りませんでした。その理由は、都内の定席の寄席に出てないから。そこに出る人気の噺家、春風亭一之輔、柳家喬太郎…といった人たちばかり追いかけてきました。この状況が一変したのは昨年秋。たまたま手にした立川談春のエッセイ『赤めだか』(2015年、扶桑社文庫)でした。立川談志の門を叩き、落語家になるまでの半生が赤裸々過ぎるぐらい書かれていて、思わず無我夢中で一気読み。彼は立川流四天王のひとりといわれ、チケットが取れないことで有名ですが、読了後、超ラッキーなことに独演会に行くことができました。演目は「文七元結」。「芝浜」と並ぶ冬の人情噺の傑作で、その迫真の落語を観ているうちにワケもなく自然と涙が…。

それからぼくの興味は立川流一色! …のはずが、やっとの思いでチケットを手に入れた立川志らくの独演会はコロナウイルスのせいで半年後にお預けを食らってしまいました。その憂さ晴らしとばかりに、立川談志や立川志らくの本を読み漁っています。

ビビッときたのは『人生、成り行き―談志一代記―』(2008年、新潮文庫、写真右下)。演芸評論家で立川流の顧問を務めた吉川潮がインタビューしてまとめたもので、師匠・柳家小さんの思い出、政治家になった理由、沖縄開発庁政務次官をわずか1ヶ月で辞任したエピソード、落語立川流の創設…、談志自らの言葉でその節目節目が綴られていました。一方本業では、落語の型やテクニック云々を超絶し、あえて下手に不完全に演ってみせたり、噺の途中、登場人物に感情移入し過ぎてセリフにないことを口走り、即興で演出を変えてみせたり。落語に縋り、達観していたことがよくよく伝わってきました。と、同時に感じたのは一生の後悔。あぁ…談志を一度もナマで観れないなんて。

新潮文庫『人生、成り行き―談志一代記―』
www.shinchosha.co.jp/book/134335

副編集長・石井陽介
名作はAKIRAだけじゃない、大友マンガをまとめ読み。

『AKIRA』の新アニメ化プロジェクト、新作劇場アニメ『ORBITAL ERA』の制作発表など、2019年AKIRAイヤーから、いままた注目が高まる大友克洋の過去作品を、この機会に復習も兼ねてまとめ読み。

まず手を取ったのは『童夢』。緻密に描き込まれた写実的背景に、スピード感あふれるコマ割り。カットごとに切り替わる構図は、望遠レンズ、広角レンズで撮影撮影したかのようで臨場感があり、まるで映画をみているような感覚に陥ります。個人的に大友マンガのキモはストーリー云々よりもこの「動き」にあると思っていて、『童夢』はそれが存分に味わえる作品。マンガの表現レベルが段違いです。例えば、見えない力によって人が壁に押し付けられ、球体のように壁にめり込むという有名なシーンがありますが、この「気の力」なるものをはじめて描写したのがこのシーンと言われています。この発明がなかったら『ドラゴンボール』の元気玉は生まれていなかったかもしれませんね。

SF作品といえば、短編集『彼女の想い出…』に収録されている1979年作品『Fire-ball』も流れでチェック。というのも、この作品から『AKIRA』や『童夢』のアイデアが生まれたと言われている、いわば大友SFの種のような作品なんです。未完ではありますが、設定や世界観の端々に後の大友SFの片鱗が垣間見れるという大変貴重な資料でもあります。ほかにも『彼女の想い出…』にはSF短編が多数収録されているので見逃せませないんですよね。

とまあSF作品のイメージが強い大友克洋ですが、短編集『SNS東京探検隊』には、少女マンガや西部劇、はたまたユルめの四コマといった作品が多数収録されています。あまり知られていませんが、意外と多作なんですよね。そしてそんなところが、いまなお伝説のマンガ家として崇められている所以なのかもしれません。手塚治虫然り、歴代のレジェンドはみな多作ですから。

手持ちのコミックスを一通り読み終えて大友熱が再燃してきました。まだ持っていないコミックスがいくつかあるので、事態が終息したら中野ブロードウェイへDIGりに行かなきゃ。絶版でプレ値になってるのが玉に瑕だけど…。

『AKIRA』4Kリマスター 公式サイト
v-storage.bnarts.jp/sp-site/akira/

副編集長・山本博史
ドラマ『The Flash/フラッシュ』をイッキ見!

そもそもドラマを観る習慣がなかったので、ネットフリックスやプライム・ビデオを登録したところで、ドラマなんぞ観ないだろうなんて思っていたら、『ウォーキング・デッド』に『全裸監督』、『ペーパー・ハウス』などを爆速で鑑了。ドラマならではのスピーディーなテンポ、長丁場だからこそ活きる複雑かつ緻密なストーリー展開、前半の伏線を美しいまでに回収していく後半にいたるまで、観る者を飽きさせない仕掛けの数々に打ちのめされて、あっという間にドラマの虜に。

そんななかテレワークライフがスタートし、この原稿を打ちながらモニターの右側で垂れ流しているのが、DCコミック原作のアメリカの人気ドラマシリーズ『The Flash/フラッシュ』です。いわゆるアクションヒーロードラマで主人公は足が速いだけという、めっちゃ単純な内容なんですが、単純ゆえにストーリーはどんどん入り組んでいって、各エピソードの終わり間際の伏線がとにかく秀逸。エピソードが終わりを迎えるたびに「次のエピソードを観る」ボタンをクリックしたい衝動にかられてしまい、ほぼほぼエンドレスで視聴。シーズン1全23話を3日で観終えてしまいました。

ちなみに『The Flash/フラッシュ』はシーズン6までが放送されていて、シーズン7の制作も決定。さらに2022年には映画化も予定している模様。先はまだまだ長そうです(とほほ…)。正直、本当に面白いから観ているのか、伏線が気になるだけなのか、曖昧な部分もありますが、こんなときだからこそイッキ見するにはアリな作品かなと。

Amazon Prime|The Flash
amzn.to/3aF91XE

編集長・小牟田亮
花を愛で、香りを愛でる。

花鳥風月とはよく言ったもので、最近その手のものに関心が出てきています。とくに鎌倉は東京よりは明らかに空が綺麗なので、星、そして月の瞬きが肉眼でもよく見えます。夜中に帰宅したときにはおもむろに空を見上げて、「あぁ、月が綺麗だなぁ…」と、時代が時代なら愛の告白となる言葉を中空に向かって放っております。

そんなわけで、最近は花にも少々興味が出てきたのですが、いきなり生花にいくほど勇気はなく、まずはドライの方を嗜んでいます。で、そこから一歩進んで、ドライフラワーに香りを染み込ませた〈ザ ランドスケーパーズ〉の「プランタホリックディフューザー」を最近愛用しています。

リモートワークで家にいる時間が多いわけで、香りはすごく重要な要素。これは香りが消えてもドライフラワーとしてそのまま飾っておけるという優れものです。種類もたくさんあるので、お好みのものをどうぞ。

The Landscapers
store.landscapers.jp/items/19501663

以上、「編集部員がテレワーク中にこっそりやっているアレコレ。後編」をお届けしました。落語にマンガ、ドラマ、まさかのドライフラワーにいたるまで、忙しない日々ではなかなかできないアレコレは、長い在宅時間を快適かつ楽しく過ごすためのヒントにはなったのではないでしょうか。まだまだ先行きの見えない日々が続いていますが、そんなときこそ有意義に過ごしましょう!

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