CLOSE
NEWS

サステナブルを地で行くものづくりを貫く、フランスのヴェジャ。必見の動画が公開されました。

最近よくメディアでも見るようになってきたフランスのサステナブルスニーカーブランド〈ヴェジャ(VEJA)〉。2003年にブランドを立ち上げてからの15年間を表現したビデオが、先日公開されました。

2003年にスタートしたのに15年? そう、この映像は2017年に収録されたものです。ですが、おそらくは5年後、10年後に見ても古びないだろう内容となっています。

サステナブルという言葉が今ほど一般的ではなかった時代から、〈ヴェジャ〉は自分たちの信じる信念のもとに、驚くほど誠実なものづくりを続けてきています。

よく言われることですが、何かを始めることは大変ですが、続けることはもっと大変なのです。

2020年の春がこんな日々になるとは、誰も予想ができませんでした。あちこちで言われているように、これから先、世界は否応なしに変わっていきます。そんな世界のなかで〈ヴェジャ〉のようなブランドは信頼に値するし、またこういうブランドこそを支援、支持していきたいと思います。

というわけで、ぜひ動画をご覧いただきたいのですが、英訳verしかないので、日本語訳を以下に全文掲載させていただきます。

一度下記の文章を読んでいただいてから動画をどうぞ。その方が頭に入ってくると思います。

VIDEODRONE by Xavier Faltot

VEJA STORY(日本語訳)

2003年、当時25歳だった私たちは中国の工場を訪れ、とあるフランスのファッションブランドの企業監査として3日間の監査を行っていました。工場は清潔に整えられており、とてもよい環境だという印象を受けましたが、働く人々の顔色は悪く皆疲れた様子でした。

全ては問題なく終わろうとしていましたが、工場の様子が気になった私たちは彼らの住居スペースを見せて欲しいと申し出ました。最初は拒否されましたが、議論の末、何とか見せてもらうことができました。

彼らの住居スペースは一部屋25平米ほどで、その中に五段ベッドが置かれ、この一部屋に32人の工場員が折り重なるように寝泊りをしていました。そして、部屋の真ん中に穴が一つあいていて、そこが彼らのシャワーとトイレになっていました。

この光景を見たときに私たちは「グローバリゼーション」というものが、世界を悪い方向に向かわせているのではないかと気がつきました。

私たちは彼らが作った洋服を毎日着ています。私たちの家族や友人も、この劣悪な環境で作られた洋服を毎日着ているのです。

何かが大きく間違っているのではないでしょうか?

この2003年には既に多くの企業が「サスティナブル」という言葉を発信し始めていました。しかし、言葉だけで実行するものはいなかったのです。

同じ時期、私たちはフランスで最初のフェアトレードブランド、Alter Ecoの創立者、トリスタン・ルコン氏とも仕事をしていました。

彼は世界中の農家や食品の生産者たちと直接契約を行い、オレンジジュース、茶、米、コーヒー、チョコレートを販売していました。

彼との仕事でブラジルの提携生産者たちを監査で訪れたとき、なんて素晴らしいのだろうと私たちは感銘を受けました。私たちは、フェアトレードがどのように経済を変化させ、生産者と消費者の間でより公正な関係性を進め、バランスの取れたものにしていくのかを目の当たりにしました。

トリスタン氏の仕事を通じてその事を知った私たちはパリに戻ると、当初予定していたIT企業を興すことをやめ、何かものづくりを始めることにしました。

その「何か」とは、単なるものではなく自分たちの世代を象徴するものがいいと考えました。「何か」の作り方を根本から覆すことで今までと違ったものを作ろう。

その「何か」はすぐに見つかりました。それは新しいスニーカーブランドを立ち上げることです。なぜスニーカーか?

私たちはスニーカーが好きで、毎日履いていました。そして、私たちの世代の消耗品の象徴と考えたからです。スニーカーがスポーツのものからストリートのものへと広がった90年代、多感だった私たちにとってスニーカーはデモクラシーの象徴でもありました。

経済的な面でもスニーカーは興味深い製品です。大手ブランドのスニーカーは商品の原価の中で広告費が一番の割合を占めています。信じがたいことですが、価格の実に70%が広告費で占められ、原材料、生産費、工賃はたったの30%です。言い方を変えれば、商品の実際の価値は価格の30%にしか満たないことになるのです。

この事実を見出したことがVEJAの根本にあります。そこでVEJAは広告費ゼロの方針を決めました。広告を放棄することによって大手ブランドの5倍の製造費をかけても、それらのブランドと同じ店頭価格で販売が可能になります。

広告費を自分たちのビジネスモデルからシンプルに削除することでより良い生産、より良い材料、より良い環境、より高額な報酬をスニーカー作りに関わる人々に提供することができるようになったのです。

2004年、私たちはまだ25歳。お金は無い。だけどとにかくやってみよう。幸いな事に愛してくれる家族がいて、学校でも教育を受けることができた。ここは頑張ってみよう。私たちがやらなかったら誰がやる?失敗するかも知れないけど、寝泊りするところくらいはあるだろうし、またやり直せばいい。

そう言って私たちはブラジルへと旅立ちました。なぜブラジルか? そこにはスニーカーの材料があり、労働環境が守られた工場があり、そしてこれから何かを始める者を両手で受け入れてくれるような、そこへ行けば全てが可能になるような、そんな気がしたのです。

この旅の目的はまず既存のスニーカーを全て壊すこと。原材料の作り方の最初の一歩から新しい道を作り、製造の各工程の一つ一つに社会的影響を与え、自然環境を守るものにしていくというものです。

私たちはまずVEJAの第一ポイント、アマゾンの森林を訪れました。ここにはSerinfueirosと呼ばれる天然ゴムの採取人たちがいます。彼らはゴムの木を伐採することなく保護しながらゴムの樹液を採取し、ゴムの木と共存し天然ゴムを作っていました。彼らのゴムを使うことで無駄な森林伐採を減らしたいと考えたのです。

スタートは簡単ではありませんでした。私たちはヨーロッパから来た、肌の色も違う全くのよそ者です。公用語であるポルトガル語もほとんど話せません。そしてここはアマゾンの森林のど真ん中。毎日1000回ほど失望感に襲われました。

しかし努力を尽くすしかありません。私たちは彼らに既存の殻を破った素晴らしいものを作りたいことを伝え、彼らも私たちを信頼してくれました。一緒に仕事をするためにどうしたら良いか、お互いのことを少しずつ学んでいきました。

これが私たちのスニーカー作りのベースとなりました。現在ではVEJA製品の40%で天然ゴムのソールを使用しています。

次に私たちはブラジル北東部のアトランティック海側に異動しました。ブラジルでも地盤が乾燥しているこのエリアは農作物が育ちにくい地域です。ここがVEJAの第二ポイントとなります。

私たちはここでオーガニックコットンの生産者たちと出会いました。彼らは35人というとても小さなコミュニティで、地元の支援団体の援助を受けながら生活をしていました。しかし、過去6年間の売上はゼロでした。

彼らは有機栽培よりさらにエコロジカルな、農薬や肥料を使わない自然栽培でコットンを生産しています。一般的な農作物は化学肥料や農薬を使うことで、その土壌を痩せさせ、傷めてしまいます。この地方では「アグロエコロジー」と呼ばれる農業をすることで、その土壌を肥えさせる手法をとっているのです。

私たちはこのコミュニティに数週間滞在し、彼らの日常や農薬の手法や費用を学びました。そして彼らからコットンを購入することを決めたのです。

最初の取引では現地の通常取引価格の2倍の価格を提示しました。農家の人々はその価格に驚き、訳が分からず私たちのことをおかしいと思ったようです。彼らは私たちのことをクレイジーなフランス人と呼びました。

私たちは彼らのオーガニックコットンを3トン購入しました。これが私たちのスニーカーの最初の原料となりました。購入の際、「支払いは収穫時に前払い、価格は一般価格にとらわれないフェアな価格を決定する」という公平な取引を彼らと契約したのです。

この契約により、彼らは種まきの時点で自らの収入を把握することができ、生産のモチベーションアップに繋がっていきました。

私たちの旅はさらに続きました。VEJAの第3ポイントはブラジル南部、ポルト・アレグレです。私たちはこの地でスニーカー工場にたどり着きます。ポルト・アレグレは開発された地区で、社会権利活動が強く、労働者の80%は組合に入っており労働時間は理にかなったものとなっています。ここの人々の暮らし方や購買力はヨーロッパに近いと感じ、私たちはここでスニーカーを作ることにしました。

そしてVEJAの第4ポイント。それはパリのボンヌイユ・シェール・マルヌとなりました。ここには様々な事情で就職困難な失業者たちに仕事を探す手助けをしている協会があり、彼らからVEJAの物流のプロバイダーになりたいと申し出があったのです。

彼らはブラジルで生産された靴を保管し、発送元に振り分けWEBショップの配送も請け負ってくれると提案をしてくれたのです。

もちろん初めは問題もありましが、私たちは何度も彼らの元へ出向き一緒に問題を解決していきました。そうして今ではなくてはならないパートナーとなったのです。そして彼らとともに私たちのブランドは成長を続けているのです。

VEJAを立ち上げて数年、私たちはレザースニーカーを作ることにしました。もちろん一般のレザーと異なるもので作らなくてはなりません。レザーの染色は天然染料のみを使うことにしました。(現在ではコレクションの40%はヴィーガンレザーを使用。また、一般的な革はクロムフリーレザーを使用しています)

それと同時にサンパウロで「B-MESH」のスニーカーの思索を始めました。B-MESHは100%ペットボトルでできています。

ペットボトルはリオとサンパウロの路上や一般家庭から回収されたものを粉砕し、繊維にされます。価格は一般の素材より少し高くなりますが、それだけの価値のある素材だと私たちは考えています。

2005年にはVEJAのファーストコレクションを発表しました。間もなくパリ市内のデパートからオーダーが入り、その後世界中のブティックから沢山の問い合わせがありました。こうしてVEJAは最高のスタートを切ったのです。

私たちのアドベンチャー (冒険)が会社となり、VEJAはスタートから15年で順調に成長しました。ブラジルとフランスに2つのオフィスを持ち、2017年には60人、2020年には150人の優秀なスタッフに恵まれました。50カ国以上で販売され、200万足以上を売り上げました。

小さなことから始めたVEJAですが、たくさんの業界と関わり世界を大きく広げています。ファッション、フェアトレード、オーガニック、デザイン、社会的活動、工場、旅、コットン農業、アマゾンの森林。一見バラバラな世界ですが、全てに共通していることがあります。それが「透明であること」です。

それがVEJAの信念に繋がっています。VEJAはポルトガル語で「見る」という意味です。私たちが伝えたいのはスニーカーを通してその背景まで見ることなのです。

しかし、会社が順調に成長するにつれて気づいたことがあります。ものづくりにおいては今まで透明性があり、とてもエコロジカルで社会的インパクトのある活動をしてきた私たちですが、VEJAの会社の構造はどうだろうか。あまり透明ではないのではないか。会社自体も内側から透明性のあるものに変える必要があるのではないか。

そこで私たちはメインバンクをいわゆる「脱税天国」と呼ばれる、国に支店を持たない銀行に変更しました。そして電力会社はEnercoopというクリーンエネルギーを供給している会社を選択したのです。

また、2009年からVEJAのウェブサイトに「会社のマイナスなこと」をポストし始めました。いいところばかりでなく、自分たちがまだできていないことや上手くいっていないことをポストすることで、より会社に透明性が生まれ私たちの背中を後押しするようになったのです。

そしてその度に少しずつ前に進むことが出来るようになりました。私たちはこの活動をとても気に入り、これからも続けていきます。

「Change the World」-世界を変える-

連日のようにこの言葉を耳にしませんか?多くの有名な企業がこの言葉を使っています。彼らの意味する世界を変えるということは新しいテクノロジーを生み出し、世の中と人を変える事です。

VEJAは自分が信じた道を進みます。プロジェクトの一貫性を貫き、会社が、世の中が更に透明になる為の活動を続けます。

誰かを動かすのでなく、自分自身を変えていく。こうしてVEJAプロジェクトは前進し続けていきます。

INFORMATION

VEJA

www.veja-store.com

TOP > NEWS