CLOSE
NEWS

ロエベが提案する、新時代のファッションショー。コレクションを紐解く謎の箱の中身とは?

新型コロナウイルスの影響により、史上初のオンライン開催を余儀なくされた2021年春夏シーズンのパリ・メンズファッションウィーク。各ブランドによる趣向を凝らしたランウェイが見れないのは非常に残念ですが、一方で前例のない事態だからこそ生まれる新たなクリエイションにも期待が高まります。

そんな状況の中、ジョナサン・アンダーソン率いる〈ロエベ(LOEWE)〉が選んだ発表形式は、箱の中にコレクションを詰め込んだ「Show in a box」です。

約32×37cmのこの巨大なボックスは、マルセル・デュシャンの「Museum in a box」を着想源に、アンダーソンとデザインユニット「M/M(Paris)」の監修のもと制作されました。グレーのキャンバス地で覆われた長方形の箱に、ブランドネームとロゴが配されたごくシンプルなデザインとなっています。

蓋を開けると、計12個のフォルダーが顔を覗かせます。そして、真っ先に目に入るジョナサンからの手紙を読むと、ここに収められているのはコレクションを紐解くコンテンツであることがわかります。では早速、その気になる中身をチェックしていきましょう。

こちらのパンフレットには、デザインソースとなった6枚の写真、3枚の絵画、1つの彫刻作品の説明が記されています。そこには、画家のディエゴ・ベラスケスや、エル・グレコなどが名を連ねます。

「シルエット」と書かれたフォルダーに入っているのは、全ルックの見本。ただし単なる見本ではありません。というのも、自分の手で組み立てる立体のルックになっていて、360度どこからでも楽しむことが出来ます。

自らの手を使い、触感を伴ってクリエイションを体感する。こうしたアナログな部分の重要性を、改めて〈ロエベ〉は伝えようとしているのかもしれません。

ポストカードにプリントされるのは、アンダーソンの手腕が光るジェンダーレスなデザインのシューズたち。

実際に使用される生地の見本には、日本の伝統技術であるシボリからインパイアされたコットンや、複雑な柄を表現するゴブリン織り、さらには〈ロエベ〉の十八番ともいえるレザーなど、趣の異なる生地が並び、コレクションの多様性を表しています。

サウンドトラックとして用意されたのは、7インチのレコードとカードボードプレイヤー。手動でレコードを回すと、スペイン・フェタフェの工場の様子を紹介する、DJ James Foxのナレーションが流れ出します。

ボックスと同様の生地が使われた本は、開くと架空のショー会場のセッティングが飛び出す仕掛けに。岩窟を背景に、様々な花や樹樹が配置されたものになっています。

ここでは全てのコンテンツを紹介しきれませんが、そのほかにもキールックのひとつであるサークル・トップスのパターンや、実際に試着可能なサングラスの型紙なども封入されています。

これに加えて、7月12日(日)10時(日本時間)より、ブランドの公式インスタグラム及びホームページ上でコレクションにまつわるオンラインイベントも展開されます。

日本人モデルUTAが登場する、10時からの「ポートレイト・イン・モーション」や、14時からの日本の絞り技術の解説など、24時間をかけて様々なコンテンツが配信されます。そして最大の目玉はなんといっても、19時から開始のジョナサンによるコレクションのプレゼンテーション。ぜひこの記事を見ながらお楽しみください。

INFORMATION

ロエベ

公式オンラインサイト

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP > NEWS