日本有数の陶磁器の産地である長崎県波佐見町。フイナムでも波佐見焼のニュースは幾度となく紹介しているのですが、とにかくカルチャー界隈との結びつきが強く、自由な発想の元に多くの楽しいプロダクトが生み出されています。
そんな波佐見町に本拠地を構える「中善」は1917年の創業以来、この地に根ざして窯業を生業とし、波佐見焼の技術と精神を継承しながら器作りに尽力しているのですが、この度、オリジナルブランドである〈ゼント(zen to)〉がスタートします。ブランドディレクターには、数々のブランドで指揮を執り、日本を代表する陶磁器デザイナーとして知られる阿部薫太郎が就任しました。
コンセプトは“多様な嗜好に応える、多彩な個性”。第一弾として、小宮山雄飛(ミュージシャン)、ツレヅレハナコ(フード編集者)監修による「カレー皿」が発売になります。
目指したのは“究極のカレー皿”。おうちのカレーライスが、最高のご馳走になるような、盛り付けるのも食べるのも楽しくなる、そんなお皿をデザインしました。ルウを使って手軽にも作れるし、スパイスから本格的にも作れるのがカレーの魅力ですが、せっかく自分で作ったカレーなんだから、最高に美味しそうに盛り付けたい、そんな時にこのお皿を使ってもらえれば幸いです。(小宮山雄飛)
「中善」は2017年に創業100周年を迎えたのですが、これを機に肥前地区(波佐見や有田を含むエリア)のやきもの技術とその可能性を次世代に伝えるべく、〈ゼント〉の立ち上げに着手したそうです。
「肥前」と「中善」双方に含まれる、“前” と “善” のポジティブな二文字と “ぜんと” という言葉の響きに着目し、ブランド名は〈ゼント〉と名付けられました。
インドへ旅する中で出会ったのが、ジャイプールの伝統工芸品である「ブルーポッタリー」という焼き物。青色を始めとした美しい色彩、すべて手描きでどこかはみ出したようなラフな線や色付けが気に入り、大皿を何枚か買って帰りました。ド派手な柄皿なのですが、何を盛っても意外なほどによく合い、とても華やか。特に数種のカレーを盛るのにぴったりです。そこで今回は、そのエッセンスを波佐見焼の磁器で再現していただきました。ターメリックの花にカレーリーフやベイリーフ、ふちを飾るのはセージの花です。これはスリランカで出合ったアーユルヴェーダやカレーに使われる材料がモチーフ。眺めているだけでも楽しいし、カレーのほか果物などを盛るのにもぴったりな皿に仕上がったと思います。(ツレヅレハナコ)
〈ゼント〉の輝かしい前途はこの二人とのコラボレーションにとどまりません。計15名のクリエーターと協働したモデルを年内に順次リリース予定とのことです。テーマはいずれも「カレー皿」。この庶民的かつ深遠なテーマ設定がもうイケてますよね。大いに期待して待ちましょう。
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発売日:2020年8月3日(月)
ブリック&モルタル
住所:東京都目黒区中目黒1-4-4
営業:12:00〜19:00 不定休
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