高級筆記具において、圧倒的なクリエイティブで他を寄せ付けない〈モンブラン(MONTBLANC)〉。実は文化的遺産を残したフランスのアイコンをオマージュする、作家シリーズを1992年以来、毎年発表しています。
これまでウイリアム・シェイクスピアやアガサ・クリスティ、『ジャングル・ブック』の原作者であるラドヤード・キップリングなどに敬意を寄せてきた本シリーズですが、2020年の題材に選んだのは、作家のヴィクトル=マリー・ユーゴー。偉大なロマン派作家のひとりで、不公平を記録し、社会のなかで恵まれない人々を守ることを作家としての使命としており、なかでも小説『レ・ミゼラブル』と『ノートルダム・ド・パリ』(ノートルダムの鐘)は世界的にも有名な作品です。
そんなフランス文学の金字塔的な両作品が、このたび〈モンブラン〉の筆記具に落とし込まれました。デザイン制作のスケッチと、そのラインナップをご覧ください。
こちらは15世紀のパリを舞台に、鐘撞きカジモドと美しいエスメラルダの報われない愛と、彼らを排除する社会を描いた小説『ノートルダム・ド・パリ』がモチーフです。
ボディは、オートヴィルハウスにあるオークギャラリーのネオゴシック様式にヒントを得たパターンを採用。パリのノートルダム大聖堂のゴシック建築にインスパイアされたキャップがついています。隅から隅まで抜かりなくデザインされており、筆を走らせるたびに、身の引き締まる一本になっています。
『レ・ミゼラブル』の主人公 ジャン・ヴァルジャンがたどる物語を表現したこちら。ボディとキャップは上述同様、ノートルダム大聖堂のゴシック建築をイメージ、カラーリングはジャンの刑務所での衣服から着想を得たレッドを使用しています。
キャップに書かれた番号”24601”と”9430”は、ジャンが収監されたときに割り当てられた囚人番号で、前者は1回目で後者は2回目のもの。また、キャップトップには「Chaque homme dans sa nuit s en vers verslumière(私たち一人一人はその夜が来ると光のほうへ行く。)」(「静観詩集」から引用)という言葉が刻まれており、 贖罪の物語を表現しています。
こちらはユーゴー本人の私生活を表現したという一本で、ゴールドの装飾を透かして見えるブルーは、彼の自宅であるオートヴィルハウスの展望室から見える青い空と、水彩画家としてのスキルを思わせます。 刻印された「V」と「H」は彼のイニシャル。そして限定数の83は彼の没年齢で、その偉大な生涯と業績を偲んでいます。
モンブランの作家シリーズとしては初めて、世界でわずか8点しかないこちら。すこしずつ色合いの異なる赤いエナメルが、大聖堂の薔薇窓の装飾さながらに組み合わせられ、「透胎七宝技術」という特殊な方法のもと仕上げられています。さらに、ブリリアントカットダイヤモンドで装飾され、眺めているだけでもうっとりしてしまいます。
ユーゴーの傑作が生まれて百数十年が経ちますが、社会に対して発された彼の叫びともとれる物語は、いまなお世界中で愛されています。限定版の筆記具コレクションは、その物語が永遠に不滅であることを証明しています。